
大円筋は小円筋よりも大きく丸みを帯びてることから、この名前が付いています。
肩甲骨の外側の筋・大円筋の作用や機能の説明

大円筋は肩関節の伸展、内転、内旋という広背筋と同じ作用を持ち、大円筋と広背筋は共働筋として直結しています。
この大円筋と広背筋は共に、上腕骨の前方に巻きつき、結節間溝に付着しています。

この二つの筋肉の間には強力な連結があり、大円筋は広背筋の「小さな補助者」と呼ばれています。大円筋は肩甲下筋と一緒に、肩関節を内旋させ、他の回旋腱板(ローテーターカフ)よりも強く作用します。
小円筋は大円筋とほぼ同じ形状をしていますが、その機能は同じではありません。事実、小円筋は上腕骨の後方に巻きつき、肩関節の外旋に作用するため、大円筋の拮抗筋となります。
腕が固定されている時、大円筋は広背筋と共に働き、よじ登るような動作では、体幹を腕の方に引き上げます。

腕が固定されていない時は、肩関節の内旋筋群や新筋群と共に、水泳や投球動作、頭上で打つ動作などで、挙上した腕を前や下へ行くように動きます。
大円筋は肩関節の後面を通過し、起始は停止より後方にあります。つまり停止部が後方に入っぱられると、肩関節は伸展します。
また、起始が停止より内側にあるため、上腕骨が体側へ引かれると、肩関節は内転します。
大円筋は体幹と上腕の間を斜めに追加するため、上腕骨を内後方に引っ張る事で上腕骨は内側に回転、すなわち肩関節が内旋します。
大円筋の注目すべきPOINTとは?
大円筋は上記でも紹介した通り、肩関節の伸展、内転、内旋の全ての機能において、広背筋を補助するため「広背筋の小さなヘルパー」と呼ばれています。
また、肩関節の伸展は肩関節の関節が屈曲位にある状態から、上腕が体側にくるまでの間で、最も効果的に機能しています。
大円筋の短縮や身長による機能低下(痛みやコリ)
短縮:手背が正面を向いた姿勢になったり、肩関節の屈曲や外旋の機能が低下したりします。
伸長:肩関節の内旋、伸展、内転機能が低下します 。
大円筋の起始部・停止部
起始部:肩甲骨の下角と、、肩甲骨外側縁の下三分の一
停止部:上腕骨の小結節稜

大円筋のその他の特徴
●大円筋の作用:腕を内転および伸展させ、内旋させます。
●大円筋の共働筋
1・肩関節の内転:烏口腕筋、大胸筋、広背筋
2・肩関節の伸展:広背筋、棘下筋、小円筋、三角筋後部、上腕三頭筋、大胸筋(屈曲位から)
3・関節の内旋:広背筋、大胸筋、肩甲下筋、三角筋前部
●大円筋の拮抗筋
1・肩関節の外転:棘上筋、三角筋中部
2・肩関節の屈曲:大胸筋、三角筋前部、烏口腕筋、上腕二頭筋
3・肩関節の外旋:棘下筋、小円筋、三角筋後部
●大円筋のその他の検査対象筋
小円筋、三角筋中部、棘下筋、広背筋
●大円筋の関連痛領域
三角筋中部と上腕背側の上
●大円筋神経支配
肩甲下神経(下部) C5からC6
●大円筋の血管供給
肩甲回旋動脈