【筋肉系#15】前回は大円筋解剖学の作用や機能、起始停止部などを解説ご紹介しましたが、今回はその大円筋のストレッチ、筋肉トレーニング、触診方法とマッサージやほぐし方を紹介していきます。
大円筋のストレッチ方法
肩関節を外転、外旋させ、屈曲させます。
大円筋は、大菱形筋と小菱形筋の働きによって、肩甲骨が更に安定されて肩甲骨が固定されているか、肩甲骨が下方回旋してる時だけに機能します。
この大円筋は広背筋と一緒に機能、作用と動きを発揮しますが、働きとしては広背筋、大胸筋、その他に肩甲下筋によって、肩関節が外転と内旋、伸展するのをサポートします。
その事により、大円筋は広背筋の小さな補助筋とも呼ばれています。90度外転している状態で、肩関節を外旋することによって、大円筋はストレッチ整体されます。
今回は下記の様な大円筋のストレッチ方法を紹介します。
・肩が動きやすくなり、肩こりの改善にもなる大円筋のストレッチ整体方法。
POINT:体のかを倒す角度や位置の伸ばし方は自分の心地いい状態で行いましょう
1・まずは左の関節の動きを良くしていきましょう手のひらで右耳をこするような動作で頭の後方に腕を運びます。
2・右手で押し込むように左肘を抑えます。脇の下がいっぱい広がるように意識しましょう。
3・肘を伸ばして、この姿勢で5~10秒、程心地よく筋肉が伸ばされるのを待ちます。体を右に倒し、左の脇腹も伸ばすとより効果が上がるストレッチ整体となります。右側も同様に行います。
大円筋の筋肉トレーニング・筋力強化方法
大円筋は広背筋の小さな補助筋ということで、懸垂の運動やロープを使ったロープクライミングで、肩関節の内旋機能によって大円筋の筋肉トレーニング、大円筋の筋力強化で鍛える事が出来ます。
自重で出来るバッククロスクランチ
大円筋・広背筋はもちろん、お尻の筋肉の大臀筋や、腰の筋肉の大腰筋も筋肉トレーニング・筋力強化できるバッククロスクランチです。
このバッククロスクランチは腕と足の収縮運動で体幹全体の運動性を鍛えることができます。
1・四つん這いになり、体幹を一直線に意識しましょう。骨盤をまっすぐにして、四つん這いになります。頭から骨盤までを一直線にできるようにキープしましょう。ポイントとしては軽くお腹をへこませて、骨盤を下から支えるイメージです。
2・腕と足を同時に持ち上げます。対角となる手足が一直線になるように持ち上げます。同時に動かすと、さらに運動性が養われて、大円筋、広背筋、大臀筋、大腰筋の筋肉トレーニングになるでしょう。
3・腕と足を縮め、肘と膝をつけます。伸ばした腕と足を引きつけて、おへその前で肘と膝を軽くタッチします。足の甲は床につかないように、注意しながら意識していきましょう。
・ここで差が付くPOINT
骨盤がまっすぐかどうか?確認しましょう
骨盤をまっすぐ保つのが体幹トレーニングの基本です。広背筋、大円筋、大腰筋の体幹トレーニングの基本です。傾かないように注意し して行いましょう。また指先からかかとまで直線にすることもポイントですね。手の親指は上になるように、意識していきましょう。
左右20回ずつ行います。※無理せずに自分のできる回数で構いません。
ダンベルを使ったワンハンドローイング
主に広背筋を鍛える筋トレですが、大円筋も一緒に鍛えることができます。ただし正しいフォームで行わないときちんと広背筋大円筋に刺激が入らないので正しいフォームを心がけましょう! チェック項目としては前方を向くことで姿勢が崩れにくいです(下を向くと効果がうすれます)
効果アップのポイント
●動作速度を一定に保ち筋肉の意識刺激が抜けないように意識しましょう・姿勢の維持に注力していきましょう・ダンベルを下ろす際に、背中が伸ばされてる感覚を得ながら行うと広背筋、大円筋への効果が高いと思います
①ダンベルを持ち椅子に片手をつきます
②お仲間でダンベルをスムーズにあげ一瞬止めます
③ダンベルの重さをコントロールしながらスムーズに下ろします
④1から3を繰り返します
NG・ダンベルが一番上にきた際に、体を開かないこと・呼吸を止めないこと・反動をつけたり、上体を過度にねじったりしないこと
注意点・椅子に着いた手、肩、膝は一直線になるように起きます。・姿勢が崩れたらそのセットは終了にしましょう姿勢が崩れてたまま行っても、目的とする広背筋、大円筋には刺激が入りにくく効果がうすれます・怪我にもつながります
椅子を使った背中の筋トレ、エルボープルアップ
椅子を使って広背筋大円筋を筋トレ筋力アップします 。上体を起こす時に胸を張ると背中に効きやすくなります。
①足を肩幅の1.5倍程度に開いて、体をくの字にし、両肘を椅子に着きます
②前に押し込むようにしながら、上体をお起こしてから、ゆっくり①の姿勢に戻します
オプション1:膝をついて行うことで負荷が少なくなり初心者には向いたエルボープルアップになります膝をつく位置を椅子に近づければ、負荷はさらに下がります。(下半身を起こしていく)
オプション2:片方の肘だけを椅子について行えば、負荷をよりあげられます
オプション3:椅子を二つ使う椅子を二つ使って肘の位置を広めにすると背中だけでなく大胸筋も鍛えられます
大円筋の触診方法
肩甲骨の内側縁に沿って押圧します。腋窩を形成する筋束後部を越え、上腕骨の小結節まで触診します。筋繊維の方向は斜めと平行です。
肢位:患者さんは腹臥位で、患者さんの腕は体側に置いてもらいます。
1・押入れ肩甲骨の外側面を確認します。
2・肩甲骨外側縁から、やや外側下方にある筋腹を触診します。
3・腋窩後壁を形成する、厚く丸みのある筋腹をたどります。
4・ 患者さんの肩関節伸展に対して負荷をかけながら、適切な位置を確認します。
大円筋の整体、マッサージ、ほぐし方
腋窩の後方を形成する軟部組織を触れることによって、大円筋が触診できますので、それを目安に整体をしたり、マッサージをしましょう。
伏臥位にて肩甲骨外側縁を探し、肩甲骨外側縁と上腕の間を走る密度の高い大円筋の組織を見つけることができます。
揉捏法がこの大円筋のマッサージに一番ふさわしい整体手技です。今回は下記の方法を詳しく解説していきます。
重ね拇指圧迫整体法
1・患者さんには背臥位か座位を取ってもらいます。
施術者は、患者さんが腹臥位の場合は、患者さんの横に立ちます。座位の場合は患者さんの背後に立ち、施術者側の腋窩を向いて立ちます。
2・肩甲骨外側の腋窩の後縁を形成している、筋肉の束(大円筋と広背筋)をにぎります 。
3・広背筋の真上の内側にある大円筋を見つけます。
4・しっかりと圧迫します。拇指で筋肉の束を探り、必要に応じて圧迫し、押さえて筋肉の整体リリースをします。四指で筋肉の束の前面を探り、必要に応じて圧迫し、押さえて大円筋の整体リリースをします。
5・拇指と他の指先の間で筋肉を揉む作用によって整体します。
大円筋のストリッピング整体
1・患者さんには背臥位を取ってもらいます。施術者は患者さんの横側に、治療する側の方をの方を向いて立ちます。
2・拇指を肩甲骨外側縁の下角の近くにあてます。
3・内側を深く指圧し、腋窩に向かって上向きに滑らせます。拇指が上腕骨に達するまで同じプロレスを続けて整体します。
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