大胸筋は胸を大きく支配する筋肉です。男性はかっこよくスーツやシャツを綺麗に着こなす、女性はバストアップやスタイル維持に、大きくかかわる筋肉です。
まずは大胸筋から徹底解説
大胸筋の起始部、停止部
起始部:鎖骨内側の胸骨側半分、胸骨から第1~第7肋骨、第1から第6肋軟骨、外腹斜筋の腱膜
停止部:上腕骨結節間溝の大結節稜
大胸筋の作用
・肩関節の屈曲(鎖骨部)
・頭上からの肩関節の伸展(胸骨部)
・肩より下の位置からの肩関節の内転
・肩より上の位置からの肩関節の外転
・肩関節の内旋・肩関節の水平内転(全体)
大胸筋の機能的解剖
・大胸筋が作用すると、どんな動きをするの?
大胸筋は鎖骨と胸骨部の2か所(鎖骨、胸骨、肋骨部もしくは、腹部の3か所と記載しているものもあります)に分けられます。
鎖骨部は鎖骨の内側に起始して、大結節陵のに付着しているため、肩関節を屈曲させます。また、胸骨部の下方向に走行する大胸筋は、肩関節の曲げた状態から肩関節を伸展させる機能があります。胸骨にある停止部は、大結節稜に付着しています。そのため、大胸筋は肩関節を伸展させることができます。
鎖骨付近にある大胸筋と胸骨付近にある大胸筋が一緒に働くと、肩関節を内旋、内転水平屈曲させる機能があります。大きな特徴として、内転と水平屈曲は、大胸筋の起始部が停止部よりもうちがわについているために、出来る作用です。
マッサージのための機能解剖学
そして、停止が上腕骨の内側にあることから、肩関節を内旋させます。
大胸筋の日常的な動きは?
大胸筋は、「押す」「手を伸ばす」「投げる」「殴る」などの、体の前面で起こる作業を担う強い筋肉です。大胸筋は下行、水平、上行の筋繊維の方向があり複数の区分を持ちます。
これらの筋繊維の異なる配列により、様々な動きが可能となります、大胸筋の上部、または鎖骨付着の大胸筋は、主に上腕骨の屈曲に作用します。大胸筋中央、または胸骨付着の大胸筋の筋肉は、他の大胸筋全部の筋肉繊維と連結して、水平内転に作用します。大胸筋下部、または大胸筋の肋骨の筋肉繊維は屈曲した状態や、頭上からの伸展時に活性化します。
大胸筋は上腕骨の付着部付近に、独特なうねりがあります。この特徴により、肩関節に起こりえる多様ななシーンにおいて、各々の筋肉線維がテコの原理の作用を維持することができます。
肩関節の完全なる屈曲位では、遠位付着部のうねりが解かれ、上腕骨の伸展外旋のために、筋肉が準備を始めます。
これは、特に投げる、打つ、スパイクする、泳ぐなどの頭上でも力強い動作において重要です。これと類似した筋肉のモデルがが広背筋にもあり、大胸筋と相乗関係のカギとなっています。とてもスポーツにも関連された主要筋肉ですね。
これら二つの大きく力強い筋肉が、大円筋や三角筋の後部の筋肉線維と共に作用し、強制的に腕を頭上から引き下げる驚異的な力を生み出します。
ヴィジュアル機能解剖学 南江堂
また、大胸筋の他の機能は、肩関節を屈曲と内旋時に、前鋸筋が肩甲骨を前に引き出します。すなわち、外転することを助けているのですね。
野球でピッチャーが投げるなどの、動作時は、肩関節が屈曲しつつ内旋します。前面にある大胸筋と三角筋は一緒に作用する機能があります。
この大胸筋は腕立て、懸垂の筋トレや運動、テニスのスマッシュやサーブにも機能します。
大胸筋は肩甲骨に付着する筋肉と共に、腕が体重を支えている時に胸をまっすぐ直立に保もさせます。
これは例えば、ひじ掛けのイスに手を置き、上半身の重さを支えて椅子から立つ時や、競技をしている時の平行棒を行っているような動きの時に機能、作用します。
大胸筋の注目すべき点
大胸筋は「姿勢アライメント」、特に顔を前へ突き出した姿勢に関して、重要な役割を果たします。
「顔を前へ突き出した姿勢」は、多くの場合肩甲骨を前方に引っ張り、頭を前に猫背姿勢をとらせる大胸筋筋膜トリガーポイントによってもたらされます。
筋肉の中では分厚い筋肉の大胸筋は胸の輪郭を形成している筋肉です。特に肩関節の内旋と内転の強く作用して力を発揮します。大胸筋の起始部の上方にある鎖骨部の筋肉線維は、大胸筋の停止部の近くで胸骨部の起始の大胸筋線維と交差して、上腕骨で停止する箇所が鎖骨の下に付着、停止します。このような訳で、脇の下の大胸筋がとても厚く存在する筋肉になっているわけです。
大胸筋が硬くなる、弱くなると
大胸筋が硬くなると(委縮):
手の背側が前方を向いたり、腕が体の前方に出てきたり、腕が対側に非常に近づいたりします。その作用により、肩の関節の動きの伸展、屈曲、外旋、外転、水平伸展が困難になります。
大胸筋が弱くなると(伸長):
肩の関節の動きの内転、内旋、屈曲の機能低下や可動域の低迷や肩関節周りの痛みがおきます。
大胸筋の触診方法とは?
大胸筋の上部の停止部は、上腕骨小結節の下部と、結節間溝の上部で触知できます。上内側面は腋窩に向け、挟むことにより触診を行う事が出来ます。
大胸筋の上面は鎖骨と鎖骨下筋の下側から鎖骨にかけて触知します。内側側は胸骨に沿って、触知することができます。
外側側は胸郭に沿って、触知することができます。外側面は胸郭に向かって対角線上に触診部を動かすと、第七肋骨へ触知できます。大胸筋の筋肉の構造は収束状によって構築されています。
大胸筋の筋腹部の触診方法
肢位:仰臥位で患者さんの腕は体側に置きます
1・大胸筋起始部の鎖骨下部を触診します
2・そこから大胸筋下側を触診して手の平で大胸筋の筋腹を胸骨や肋軟骨に沿って触知します
3・筋腹を感じながら鎖骨、肋軟骨、胸骨の付着部を確認します
4・患者さんの肩の関節の内旋に対して、大胸筋に負荷をかけて、適切な大胸筋の位置を確認しましょう。
大胸筋の腋窩前方部の触診方法
肢位:仰臥位で腕を外転させます
1・鎖骨の下方を指先で確認します。
2・腋窩に拇指を入り込ませ、鎖骨の下に置かれた指の方へ押しあげ、大胸筋の外側の端部をつかみます。
3・患者さんの肩関節の内旋に対して、負荷をかけながら適切な位置を確認しましょう。
大胸筋の整体やマッサージ、ほぐし方
二指圧迫整体法
・患者さんは背臥位を取ります。
・施術者は患者さんの肩側に、患者さんの方を向いて立ちます。
・小指を除く3本の指と拇指で上腕骨内側の大胸筋をつかみます。
・筋肉をしっかり圧迫し大胸筋のリリースを待ち、整体します。
ストリッピング
・患者さんは背臥位を取ります
・施術者は患者さんの肩側に、患者さんの方を向いて立ちます。四指を上腕骨内側の筋肉の上に置きます。
・しっかりと組織を押圧し、四指を筋肉の内側の胸骨の付着まで、滑らせていきます。
・同じスポットから開始し、このプロセスを繰り返して、前回の移動経路のすぐ下の筋肉に沿って、指先を斜めに滑らせます。
・毎回、同じスポットから開始して、移動経路が扇形となり、最後は筋肉の外側縁に沿った経路で終わるように、同じプロセスを繰り返し、整体します。
・乳房の発達した女性患者さんの場合は、四指が乳房組織に触れるところで、各経路が終わるように整体します。
圧迫整体方法
・患者さんは背臥位を取ります。
・施術者は患者さんのそばに、患者さんの頭の方を向いて立ちます。
・患者さんに近い側の手を、患者さんの胸郭の上に水平に置き、四指を大胸筋の下面に置きます。
・しっかりと組織を押圧し痛い箇所、圧痛点を見つけます。しっかり押さえて整体リリースしましょう。
・指先が前の痛い箇所、圧痛点の真上に来るように手を上へ移動します。
・大胸筋の筋肉上縁に達するまで、このプロセスを繰り返します。
・手をを開始点の少し内側に置いて、再び胸郭下部から開始します。大胸筋の上縁に達するまで、大胸筋の筋肉の少し斜め上の新しい位置まで移動を続けます。
・胸骨にそって大胸筋の内側面を上へ移動し、大胸筋全体を扇形パターンでカバーするまで、このプロセスを続行します。
・乳房の発達した女性の患者さんの場合、大胸筋の筋肉に触れることができる限り各経路の移動を続けます。
この位置から可能な限りの大胸筋の筋肉を整体し終えたら、患者さんの方の位置に移動して下方の大胸筋の筋肉について同じプロセスを繰り返し整体します。このようにすれば乳房の下にある全ての大胸筋の筋肉の組織を整体マッサージできるはずです。
大胸筋のストレッチ方法
上腕を体側で内転させながら、肩の関節を外旋時に、大胸筋をストレッチできます。また、肩の関節を水平伸展した時もストレッチできます。
肩の関節を一番外転させると、大胸筋の下側をストレッチでき、肩の関節を一番伸展させると大胸筋の上側のストレッチになります。大胸筋と小胸筋をストレッチして、血行を促進させて疲れを取りましょう 。
大胸筋、小胸筋のストレッチ①
・大胸筋のストレッチをして胸が開くように、腕の開きを良くするようにするストレッチ方法(小胸筋にもストレッチ効果があります)
1・椅子に座り両手を胸の前に揃えます。
2・ 胸の前で肘を折り曲げます。水平よりも少し高めにすると、より大胸筋のストレッチになります。
3・腕を背中側の後方に向かって腕を開きます。この姿勢で2、3秒ほど心地よく筋肉が伸ばされるのを待ちます。3回ほど同様に行うと大胸筋のストレッチになります。
大胸筋と小胸筋のストレッチのポイントは?その①
肘を伸ばす時に肘の位置が戻らないように行うことがポイントです。
大胸筋、小胸筋のストレッチ②
1・床に座ってあぐらをかきます。
2・右手を体の横のつき、左手を耳の横にあげ、脇や側胸部が伸びるように体にを横に倒します。そのままキープしてストレッチしましょう。
3・次に上半身を斜め後ろに倒して、しばらくキープします。 (この時胸も一緒に伸びますが脇腹のストレッチにも有効となり一石二鳥です)
4・今度は上半身を斜め前に倒してしばらくキープします。これで胸の脇部分がほぐれます。
大胸筋と小胸筋のストレッチのポイントは?その②
大胸筋のストレッチをする時、に体を横に倒す場合は必ず支えが必要です。腕の重さで脇の部分が引っ張られるように倒すことがポイントです。
手のつく位置、体の倒す角度やひねりの強さは、ご自分が伸ばしたい箇所を探しながら心地いい角度、箇所を決めましょう。
背中の疲れや胸の緊張感が緩んでくるので、背中が握りやすくなります。
また、呼吸も楽になるでしょう。そのことにより、大胸筋や小胸筋の緊張によって起こる、肩こりや肩の痛みの改善にもつながりますので、慢性的な肩こりの方はこまめに大胸筋と小胸筋のストレッチを行いましょう。
●大胸筋、小胸筋のストレッチ③
腕の上げ下げで大胸筋や小胸筋の上下がほぐれます。左右同時に行えて、時短になる大胸筋と小胸筋のストレッチ方法。
1・まず一般的なドアの中央に立ちます。またはポールの前に立ちます。
2・ドアの両端の壁の上方をつかみ、 一歩前に踏み出しましょう
3・今度は、両手をやや低めに置き同じように踏み出します
4・もう少し下に手の位置を移動させ同様に行いますこうして手の位置を変えることで大胸筋や小胸筋の部分がくまなくストレッチされるようになります。
大胸筋と小胸筋のストレッチのポイントは?その③
ここでもボールを2本立てていますがドアや壁などを使うと、家の中で大胸筋や小胸筋のストレッチができます。
じわーと伸ばしたら、ゆっくりと元の位置に戻してください。もちろん呼吸は止めないでください。ストレッチの基本ですね。
大胸筋の下部が伸び、腕を下げるたびに上部の大胸筋や小胸筋が伸びます。
色々な角度で試してみてください。自分の固くなってる部分や辛い部分を試してみましょう。左右の高さが同じじゃなくても構いません。肘の角度も色々変えてやってみましょう。
大胸筋、小胸筋のストレッチ④
壁を利用した大胸筋と小胸筋、肩関節のストレッチ。ここでは壁を使って手軽にできる、腕を開くストレッチを紹介します。
1・下の図のように壁の前に立ちます。左手のひらを壁に肩と同じ高さに伸ばしてつけます。右手はカラダが流れない様に、身体を支えましょう。
2・左手はそのままの位置で、右手で壁を押しながら体をひねります。同様に逆にもストレッチし、大胸筋、小胸筋、肩関節のストレッチを行いましょう。
大胸筋と小胸筋のストレッチのポイントは?その④
壁に付けた腕を、後方に引くとき、胸を広げにくい時のストレッチングとなります。
手のひらをしっかりと壁につけることが大切です。肩関節の前側と大胸筋、小胸筋の筋肉が伸ばされるのを感じながら、ストレッチしてください。肩関節にある三角筋、大胸筋、小胸筋が伸びます。
大胸筋と小胸筋を鍛える筋トレ方法
大胸筋はベンチプレスではベンチの上に背臥位になって、バーベルを胸の上で上げ下げしますが、肩甲骨を水平屈曲させてバーを上げ下げする際にも、大胸筋が大変よく働きます。従ってベンチプレスは、大胸筋を鍛える最も有効的なエクササイズの一つだと言えます。
しかし、家庭ではなかなかそのセットを用意することができません。ジムに通いお金を払いながらの筋力アップとなってしまいます。ここでは家庭でできる大胸筋のトレーニング・筋トレ・筋肉強化をご紹介します。
大胸筋の筋力トレーニング、筋肉強化を行うと、大胸筋の筋肉の中ではどんな変化が起こるのでしょうか?
大胸筋の筋肉メカニズムを知ることで、筋力トレーニング、筋肉強化の効率をさらにアップさせましょう。「ダンベルフライ」「バタフライ」など、フライ系の種目といわれるものがいくつかありますが、これらは腕を伸ばして肩を水平に内転する、つまり「飛ぶ=フライ」動作を取り入れたもので、主に大胸筋を鍛える種目です。
空を飛ぶ鳥は胸が発達していますが、人間も同じような動きをすることで大胸筋を鍛えることができます。一方、プッシュアップは「大胸筋を使って肩を水平に内定する」動きと同時に、「上腕三頭筋を使って肘を伸ばす」動きが加わるので、プレス型と総称される複合関節動作です
つまり胸を鍛えながら、腕の後ろも鍛えられるということです。大胸筋と上腕三頭筋を鍛える種目のため、プッシュアップはベンチプレスを逆さまにした種目と考える人もいるかもしれませんが、プッシュアップならではの利点が一つあります。
プッシュアップでは体幹軸をまっすぐに保持しながら動作をするので、体幹や背中の筋肉も使うことになります。最近のコアトレーニングでは、腕立ての姿勢をしながら上下せずにキープするだけのメニューもあるほど、体幹を真っ直ぐ保持することは、筋力アップ筋力強化効果があるのです。
これはベンチプレスにはない特徴です。体幹までしっかり効かせるためには、お尻が上がったり下がったりしないよう姿勢をしっかり意識することは大切です。
つま先から肩までが負荷となり、それを大胸筋と腕の力で上げ下げしますが(ノーマルの形)それだと負荷が大きすぎて、体幹をまっすぐにできない場合は膝から、肩まで負荷として(イージーの形)行うと良いでしょう。
対象部位は大胸筋(プッシュアップでは主に目になる大胸筋を鍛えることができます )
肩を内旋させる際に動く大胸筋はプッシュアップで鍛えることができます。大きな筋肉でもあるので、トレーニング・筋トレ・筋力強化による見た目の効果も、その分大きく感じることでしょう。
体幹とプッシュアップの関係は?
意外かもしれませんがプッシュアップは体幹のトレーニングにもなります
ノーマル:かかとから頭までをまっすぐにキープする姿勢で行います
イージー:膝から頭までをまっすぐにキープする姿勢で行います
プッシュアップ(腕立て伏せ)ノーマル編
体を一直線に一騎打ちしながらゆっくり体を上げ下げします
1・肩幅を広めに取り、体を一直線にキープします。手の幅を肩幅の1.5倍程度取り、体が一直線になるようにキープします。目線は前方ではなく下方に向けます。
2・体を一直線にキープし、深くゆっくり体を降ろします。体のラインを一直線にキープしたまま、肘の角度が90°より深くなるまで、体をゆっくり下ろし、そのままゆっくり持ち上げます。
※①4秒かけて1~2へ②4秒かけて1へ戻る
①~②を10回行います
プシュアップの間違ったやり方➡指先が外向きになっている指先が外向きだと、関節に負荷がかかり故障してしまう可能性があります。
プッシュアップの正解のやり方➡指先は内向きにします。指先を内向きにすることで、関節を無理なく曲げることができます。
プッシュアップ(腕立て伏せ)イージー編
膝から頭までは一直線にキープします。ゆっくり体を上げ下げししましょう。
1・ 膝を着いて足をあげ手幅は広めにとります。膝を付けた状態で足をかかとでクロスさせて上げ、手幅は肩幅の1.5倍程度とります。
2・体を一直線にキープし体を深くゆっくりおろします。
体のラインを一直線にキープしたまま、肘の角度が90度近くまで、体をゆっくり下ろし、そのままゆっくり持ち上げます。
※①4秒かけて1~2へ②4秒かけて1へ戻る
①~②を10回行います
プッシュアップ(腕立て伏せ)ハード編
片足を浮かせて負荷を高めゆっくり体を上げ下げします。
1・片足を浮かせて手幅は広めにとります。片足を少し浮かせた状態で、手幅は肩幅の1.5倍程度を取ります。この時、浮かせた足から頭まで一直線にキープします。
2・片足は浮かせたまま、体を深くゆっくりおろします。浮かせて足から頭まで一直線にキープしたまま、肘の角度が90度より深くなるまで、体をゆっくり下ろし、1秒静止してゆっくり持ち上げる。反対側も同様に行いましょう。
※①4秒かけて1~2へ
②2で1秒間キープします
③4秒かけて1へ戻る
①~③を10回行います
プッシュアップ・ハードなジャンプ編
1・手幅を広めに取り、体を一直線にキープします。手の幅を肩幅の1.5倍程度とり、身体が一直線になるようにキープします。目線は前方ではなく下方に向けます。
2・身体を一直線にキープし深くゆっくり体を降ろします。体のラインを一直線にキープしたまま、肘の角度が90度より深くなるまで体をゆっくり下ろします。
3・腕の力で状態をジャンプさせます。体を降ろした後、腕の力で上体をジャンプさせます。着地の時に、手首を捻ったりしないように注意しましょう。
注意すべき大胸筋の効かないプッシュアップ
・お尻が上がる…体はくの字になりお尻だけが上がってしまうと正しい負荷がかからず筋トレ効果が薄くなります
・お尻が落ちる…体が弓なりになってお尻だけが下がってしまうと負荷が激減してしまい筋トレ効果がなくなってしまいます。
大胸筋のその他の詳細
大胸筋の関連痛領域
同側の乳房および前胸部、肩前部の上、上腕掌側下方、肘のすぐ下の前腕掌側から中指と薬指まで。
その他の検査対象筋
・小胸筋
・斜角筋
・胸鎖乳突筋
・肩甲下筋
・三角筋
・上腕二頭筋
・烏口腕筋
大胸筋の共働筋
肩関節の内旋:
・肩甲下筋
・三角筋前部
・広背筋
・大円筋
肩関節の屈曲:
・三角筋前部
・烏口腕筋
・上腕二頭筋
肩関節の水平屈曲:
・三角筋の前面
大胸筋の拮抗筋
肩関節の外旋:
・三角筋の後面
・小円筋
・棘下筋
肩関節の伸展:
・広背筋
・大円筋
・小円筋
・肩甲下筋
・三角筋の後面と上腕三頭筋
肩関節の水平伸展:
・三角筋後部
大胸筋の神経支配
・内側、外側胸筋神経・C5・T1
大胸筋の血管供給
・胸肩峰動脈
小胸筋の機能的解剖や作用とは
小胸筋は肩甲骨の烏口突起に強力な付着部を持ち、肩甲骨を胸郭につなぎ止めておく機能があります。
これは、腕を介して体重や外力が加わった時に、「肩甲骨を前方向に固定するための補助」となります。
小胸筋は前鋸筋と連動して機能し、腕で体を押し上げる時に、体に対して肩甲骨の位置を保ちます。腕で体重を支えて椅子から立ち上がるときや、腕立て伏せで地面を押すときに、この肩甲骨の固定機能は不可欠であります。
これらの筋肉と肩甲下筋との組み合わせで、肩甲骨を動的に固定し、姿勢がが維持されます。小胸筋は肩甲骨を固定したい第3~第5肋骨を引き上げ、胸郭を拡張することで、胸腔の容量を増大させ、副次的な呼吸筋としても作用しています。
呼吸筋の作用において、小胸筋は横隔膜、外肋間筋や腹斜筋そして前鋸筋や上後鋸筋と生理的に機能しいています。上記の筋肉は、最終的に全部、胸郭部に付着し、努力呼吸時に胸郭の拡張を引き起こします。
小胸筋の拘縮や、使いすぎは肩が丸まる姿勢の偏りにつながります。これはパソコン作業、車の運転をしたり、持ち上げたりなどの体の前で操作を繰り返し行う人たちに多く見られます。
また、小胸筋は肩甲骨を上部に固定している為、腕の下方の向きによる損傷を受けやすく、一般的に腕から指先までの痛みの原因となることが多いです。
小胸筋の痛みには多くの場合、菱形筋など上背部の筋肉の痛みが伴います。腕神経叢が烏口突起への付着のすぐ下を走っているため、特に腕を上げた時に小胸筋の緊張が神経を圧迫することがあり、腕に麻痺を起こす原因となることが多々あります。
注意すべき点として、腋窩は肩甲上腕関節の真下の領域で、後部は大円筋、小円筋、広背筋からなるき筋束で形成され、前部は大胸筋で構成されるスペースです。
主要な右腕神経と血管がこの領域を走っているため、腋窩を整体やマッサージなどでほぐす時は注意が必要です。
これらの神経や血管を回避するため、腋窩のアプローチは筋肉の一定の接触を維持したままゆっくりと整体、マッサージを行いましょう。
小胸筋は起始部が停止部より内側にあるため、烏口突起が前方へ引っ張られると、肩甲骨は外転します。
停止部である烏口突起が、起始部の肋骨より上方にあるため、烏口突起が引き下げられると、肩甲骨は下制あるいは下方回旋をします。
烏口突起は関節窩のちょうど内側にあるため、肩甲骨が下方に引っ張られると肩甲骨は下方回旋します。肩甲骨を下制させるには、小胸筋は他の筋肉をの力を借ります。
すなわち小胸筋が肩甲骨の内側を下方へ引っ張り、僧帽筋下部が肩甲骨の内側を下方に引く時に肩甲骨が下制します。
小胸筋の注目すべき点とは
小胸筋の注目すべき点とは、 肩甲骨の内側縁を肋骨に近づけて、維持し続ける役割があります。加えて小胸筋は、吸気の際に補助筋として機能しています。
小胸筋の触診方法
小胸筋は胸部外側の大胸筋の深層で触診することができます。胸骨から胸の外側に向けて軽擦しながら、触診をしてみてください。
そうすることで、大胸筋の奥の方にある小胸筋を触診できるようになります。
また、背臥位にて腋窩から胸部内側に向けて、小胸筋を圧迫する方法をとる整体師やマッサージ師もいます。大胸筋の奥の方をほぐしたりや押すことによって、小胸筋の内側側の筋肉繊維を触診することができるでしょう。
小胸筋の筋肉組織や起始部の烏口突起の真下に、拇指圧を加えることで、この小胸筋をマッサージをすると小胸筋を弛緩したり、ほぐす事ができるでしょう。
乳頭の高さで、四指か小胸筋の起始部に触れるように、胸郭の上に手を置きます。大胸筋の内側を押すと、通常この部分において触れるのが小胸筋です。
大胸筋の下を胸郭に沿って、上方向に整体やマッサージします。上に行くほど筋肉の内側面に触れるよう、さらに筋肉の奥まで四指を入れます。
小胸筋に沿い腋窩まで達したら、烏口腕筋との付着部に触れることができるでしょう。起始は第2肋骨から第5肋骨です。筋束の構造は収束状ですので理解していきましょう。
肢位:患者さんに仰臥位になってもらいます
1・上腕骨を他動的に外旋させて、小胸筋の組織をたるませます。
2・外側から内側に向かい、腋窩に指を差し込みます
3・肩甲骨の烏口突起を探し、内側かつ下方に肋骨前方をたどると、小胸筋の筋肉繊維に触れることができます
4・患者さんの肩甲骨下制に対して負荷をかけながら、適度な位置を確認しましょう
小胸筋の整体、マッサージ、ほぐし方とは?
小胸筋のストリッピング
1・患者さんは背臥位を取り、腕をわずかに外転させ、肘を曲げます。
2・施術者は患者さんの方のかたわらに立ちます。
3・指先が乳頭の下方に向けて、胸部の対角線になるように四指を乳頭より少し上で大胸筋内側の胸郭部の上方に設置します。
4・小胸筋と第5肋骨の付着部に、指が達するまで胸郭に沿って、大胸筋の下で圧迫します。
5・四指で筋肉を押圧し、腕と手を回転させて筋肉に沿って下から上指先を滑り込ませます。
6・毎回、同じスポットから開始して移動経路が扇形のになり、最後は筋肉の外側面に沿った経路で終わるように同じプロセスを繰り返します。
7・腋窩の真下の位置まで手を移動し、同じプロセスを繰り返して、最後に四指を大胸筋の下の腋窩に深く入れ、小胸筋と烏口腕筋の停止部分に触診して整体、マッサージします。
小胸筋の圧迫整体法①
1・患者さんは圧迫整体する方を上に側臥位になってもらいます。
2・拇指が乳首の高さで、小円筋の一番下の停止部分に位置するように、その手を胸郭の上に置きます。圧迫整体をする四指と拇指を、もう一方の四指と拇指で支えても良いでしょう。
3・小胸筋を整体リリースするまで、拇指で筋肉を圧迫整体します。
4・頭側の手を開始位置から3~4cmずらし、同じプロセスを繰り返します。
5・上に移動するときは、最初にその指をそれぞれの高さで外側に滑らせてから、分岐した小胸筋の筋腹上の圧痛点やトリガーポイントを探して圧迫整体します。
6・拇指が段々と、肩甲骨の烏口突起の方に、斜めに移動するように、このプロセスを続行します。
この移動により最後には拇指は腋窩を確認いたします。そこで、腋窩深部にある烏口突起への停止部分を、注意深く探して圧迫整体します。
小胸筋の圧迫整体法②
1・患者さんは圧迫性対する顔を上に背臥位になり、患者さんの腕を斜め上方に挙上してもらいます。施術者は患者さんの胸部背後に立ちます。
2・施術者は一方の手を胸郭の上に置きます。
3・四指で大胸筋を内側に押しながら、乳頭の高さで小円筋の下付着部に触れ、小胸筋が整体リリースするまで圧迫します。
4・頭側の手を小円筋の開始位置から3cm加~5cmずらし、同じプロレスを繰り返します。
5・上に移動するときは、最初に拇指をそれぞれの高さで外側に滑らせながら、分岐した小胸筋の筋腹の圧痛点やトリガーポイントを探します。
6・四指が徐々に肩甲骨の烏口突起の方に斜めに移動するように、このプロセスを続行します。この移動により、最後は指先は腋窩の深部に達します。そこで、腋窩深部にある烏口突起への付着を慎重に探します。
7・背臥位の患者さんにも、拇指による圧迫整体を行うこともできます。
小胸筋の圧迫整体法③
1・患者さんは背筋を伸ばして、座位を取ります。施術者は患者さんの背後に立ちます。
患者さんの圧迫整体する側の前腕を横におろし、腕を少し内転および、内旋させて大胸筋を緩めます。
2・一方の手を患者さんの圧迫整体する側と反対側の方に置きます。
3・もう一方の手を、患者さんの胸郭の上に置き、四指を乳頭の高さで大胸筋の下に滑らせます。
4・その高さで筋肉を圧迫整体し、押さえてリリース整体します。
5・最後に整体した位置のすぐ下に移動し、同じプロセスを繰り返します。
6・それぞれの高さで四指を内側から滑らせ、筋肉のすべての筋腹に触れます。
7・四指が腋窩に入ったら、指先が腋窩の上を指し、最後には筋肉と肩甲骨の烏口突起との付着するように、徐々に体を回転させて圧迫整体します。
小胸筋のストレッチ方法
肩関節を内転させた状態で、上方回旋させます。そのためには、肩関節を外転、肩甲骨を上方回旋位、そして肘関節を屈曲に維持したまま、前腕の前面を戸口に押し付けて寄りかかります 。
詳しくは上記の大胸筋、小胸筋のストレッチ④をご参照ください。
小胸筋の筋力強化、筋トレ
小胸筋のトレーニング方法は大胸筋と一緒に行うことができますので、上記の大胸筋のプッシュアップを参考にしてください。
小胸筋の位置
・小胸筋は胸の外側の位置にあり、小胸筋の浅層には大胸筋によって小胸筋は完全に覆われています。
小胸筋の起始部と停止部
・起始部:第3から第5肋骨(肋軟骨のすぐ近く)
・停止部:肩甲骨の烏口突起
小胸筋が硬くなる・弱くなると ?
・小胸筋が硬くなると(短縮):
小胸筋の短縮によって、胸郭出口症候群になる女性がとても多いです。腋窩動脈や腋窩静脈同様に腕神経叢も小胸筋の深部を通っているので、この小胸筋の拘縮によって神経圧迫されます。
・小胸筋が弱くなると(伸長):
小胸筋は比較的弱い筋肉のため、姿勢や機能に問題が出ることはないでしょう。
小胸筋の共働筋
肩甲骨の外転:
・前鋸筋
肩甲骨の下制:
・僧帽筋下部
肩甲骨の下方回旋:
・肩甲挙筋
・菱形筋
小胸筋の拮抗筋
肩甲骨の挙上:
・肩甲挙筋
・僧帽筋上部分
肩甲骨の上方回旋:
・僧帽筋上部分
・僧帽筋下部分
・前鋸筋
小胸筋の支配神経
支配神経:
・内側胸筋神経
・外側胸筋神経
小胸筋の血管供給
血管供給:
・胸肩峰動脈