縫工筋の機能や起始停止ほぐし方などを解説

まずは縫工筋について大まかに解説していきます。

縫工筋の収縮によって、その起始である上前腸骨棘(ASIS)が下方へ引っ張られ、骨盤が前傾します。

この時、腹筋が骨盤を引き上げて骨盤を後傾させ、腰背部を平らに保つ必要があります。二関節筋である縫工筋は、股関節の屈曲と膝関節の屈曲に関与しますが、この二つの動きが同時に生じる場合は縫工筋の働きは弱くなります。

椅子に座って膝を組む時に体を少し後ろに傾けますが、これはこの縫工筋の起始を引き上げて筋肉の長さを伸ばし、屈曲としての機能を高めて膝を楽に組めるようにするためです。

膝を伸ばした状態では、縫工筋は股関節の屈曲として有効に働きます。この縫工筋は人体の中でも非常に長い筋肉であり、強化のためには腸腰筋と同じエクササイズを行います。

ストレッチはパートナー股関節の十分な伸展と内転、そして内旋をしてもらいます。 

下記からは更に詳しく縫工筋を解説していきます。

縫工筋解剖

縫工筋はどんな筋肉?その概要

縫工筋は起始部が停止部よりも近位にあり、股関節の前面を通過するため股関節を屈曲させます。起始部は停止部よりも近位にあると同時に外側にあるため、外転の機能もあります。

また、起始部が停止部よりも外側にあって、縫工筋が大腿部の前面を横切っていることと、停止部が脛骨の内側にあるため脛骨内側を前方へ行きますが、これが股関節の外旋を起こす役割もあります。

さらに縫工筋は膝関節の後面を通過するため、この縫工筋は膝関節の屈曲も起こす作用もあります。

縫工筋の作用は5種類

縫工筋解剖

・股関節の屈曲
・股関節の外転(股関節の屈曲と膝関節の屈曲に伴って作用)
・股関節の外旋
・膝関節の屈曲
・膝関節の内旋

縫工筋の名前の由来

縫工筋の「縫工」は服の仕立て屋のことを表しています。この縫工筋がそう名付けられているのは、足を組み膝を交差させた座位で起こる縫工筋の連動した動きが、仕立て屋が服を縫うときによく行う動きと同じなので、この縫工筋という名前が付けられました。

縫工筋の英語の書き方

『Sartorius』・sartori:ラテン語の「仕立て屋」を意味しています。

縫工筋の位置はどこ?

縫工筋の位置、起始部、停止部

位置:
縫工筋は大腿部前面の浅層を遠位方向へ外側から内側に向かって走っている薄く細い筋肉です。この縫工筋が遠位で大腿部内側に届くあたりで、停止腱は一度膝の後ろに隠され、再び前方に現れて鵞足(がそく)と付着します。縫工筋は大腿三角の外側縁を形成します。

縫工筋の起始部・停止部は?

起始部:
・上前腸骨棘(ASIS)から起始しています
停止部:
・鵞足を通過して脛骨粗面内側に停止しています 

縫工筋の役割、機能的解剖

縫工筋は人体の中でも最も長い筋肉で、先ほど名前の由来で説明した通り「仕立て屋の筋肉」と呼ばれています。

これは仕立屋が足を組んだ状態で、すなわち足首を反対側の膝の上に乗せて仕事をすることから名付けられました。この姿勢をとるためには、縫工筋のすべての機能が使われています。

つまり足を組んで座るためには、股関節を屈曲、外転、外旋し、さらに膝を屈曲させなければなりません。

縫工筋は長くて細い筋肉で、大腿部の表面近くに位置しています。大腿部表面に大腿筋膜張筋と共に逆V字を形成しています。

縫工筋と大腿筋膜張筋は、股関節を屈曲するという共通の機能や役割を持っていますが、回旋に関してはそれぞれ逆の方向への動きの機能や役割があります。

縫工筋と大腿筋膜張筋の筋肉の関係性は、股関節と膝関節の回旋運動前転、すなわち下肢のピポット運動を補助しています。縫工筋は薄筋と半腱様筋と交わって、「鵞足」を形成しています。鵞足とは文字通り鵞鳥の足のことで、三又の形をしていることからこう呼ばれるようになりました。

この三つの筋肉が膝の内側に集中していて、脛骨の内側に停止しています。この三つの筋肉が一緒に機能し、内側部から安定性を高めています。

縫工筋は前面から、薄筋は内側から、半腱様筋は後面からそれぞれ下方に走行しています。これらの筋肉は深層に位置している内側部靭帯の損傷はよく起こり、特に筋力が弱かったり、筋力間のバランスが取れていない場合に起こることがとても多いです。

縫工筋作用

縫工筋の大きな特徴は?

縫工筋の筋肉の長さは人体の中で最長です。

縫工筋を伸ばすストレッチ方法

縫工筋は多くの機能を持つので、ストレッチするのは難しいでしょう。股関節を伸展させ、内旋を加えながら反対脚の後ろへの内転させてください。この時、膝関節のは伸展を保ったまま伸ばしておくのが。縫合筋のストレッチ方法です。

縫工筋を伸ばすストレッチ方法

縫工筋を鍛える筋トレ方法

縫工筋を鍛える筋トレ方法

縫工筋の強化の筋トレ方法は、腸腰筋を鍛える筋トレエクササイズと同じです。下記のリンクからご参照ください

縫工筋の触診方法を解説

縫工筋の触診方法は、まず、上前腸骨棘(ASIS)を見つけて、その遠位で起始腱を感じてください。縫工筋の筋腹を大腿四頭筋から触診し区別するのは難しいかもしれません。

縫工筋が極端に発達しているアスリートやボディービルダー以外の方の触診は経験と知識が必要となります。今回は下記の様な縫工筋の触診方法を紹介します。 

縫工筋の触診方法

肢位:
患者さんに仰向けになってもらいます。(股関節は外旋、膝関節は屈曲位になってもらいます)

1:患者さんの横に大腿部に面して立ち指先で上前腸骨棘( ASIS)を 確認します。

2:指先を大腿三角の外側縁に向かって、下内側方向に滑らせます(注意:大腿三角は縫工筋のすぐ内側に位置し、リンパ節、大腿神経、大腿動脈、大腿静脈が通っています。これらの組織を避けるために、鼠径溝の外側を触診しましょう)

3:大腿部前面に残し、大腿直筋のストラップ状の線維を確認します。

4:縫工筋の場所を確実に把握するために、縫工筋に負荷を加えながら、患者さんに股関節の屈曲と伸展をしてもらうと、縫工筋を確認できます。

縫工筋のほぐし方、マッサージを紹介

縫工筋には大腿前面に対して全体的に軽擦法、揉捏法、強擦法を行うことで確実に縫工筋に効果のある、ほぐし方やマッサージを紹介します。

縫工筋のほぐし方、マッサージ

縫工筋のほぐし方、マッサージ

1:患者さんには仰向けになってもらいます。

2:施術者は患者さんの脚の位置に立ちます。

3:手根、拇指、または四指を大腿内側で膝蓋骨より上に置きます。

4: しっかりと組織を押圧し、指先を斜め上方に、大腿四頭筋を超えて上前腸骨棘(ASIS)への付着部まで筋肉に沿って滑らせます。

縫工筋のその他の詳細

縫工筋の短縮や伸長による機能低下は?

・短縮:骨盤が前傾し、反り腰になります。

伸長:縫工筋が伸長したり弱化したりしても、機能不全は起こらないと言われています。

縫工筋の共働筋

◆股関節の外旋:

大臀筋
梨状筋
・上双子筋
・下双子筋
・内閉鎖筋
・外閉鎖筋
・大腿方形筋
腸腰筋

◆股関節の外転:

中臀筋
小臀筋
大腿筋膜張筋

◆股関節の屈曲:

腸腰筋
恥骨筋
大腿直筋
大腿筋膜張筋

◆膝関節の屈曲:

半腱様筋
半膜様筋
大腿二頭筋
・腓腹筋
・足底筋
薄筋
・膝窩筋

縫工筋の拮抗筋

◆股関節の内旋:

中臀筋
小臀筋
大腿筋膜張筋

◆股関節の内転:

大内転筋
長内転筋
短内転筋
恥骨筋
薄筋

◆股関節の伸展:

大臀筋
半腱様筋
半膜様筋
大腿二頭筋

◆膝関節の伸展:

大腿直筋
中間広筋
内側広筋
外側広筋

縫工筋の神経支配と血管供給 

・神経:大腿神経

・血管:大腿動脈

縫工筋の関連痛領域

・大腿の前面と内側

縫工筋のその他の検査対象筋

・大腿四頭筋
・股関節内転筋

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