烏口腕筋の機能解剖や作用、起始停止、筋トレ(10種類)ストレッチ

烏口腕筋はどういう筋肉?

烏口腕筋は肩甲骨の烏口突起に付着する3つの筋肉の1つです。烏口腕筋の他の筋肉は上腕二頭筋と小胸筋が烏口突起に付着している筋肉となります。

烏口突起は上腕と肩甲骨、胸部(胸郭)の3方向の複雑な相互作用を行っています。烏口腕筋は決して大きな力を発揮する筋肉ではなく、むしろ肩関節の屈曲と内転を補助する働きをし、水平屈曲において重要な役目を果たします。例えばベンチ・プレスのように肩関節を水平屈曲させるエクササイズは烏口腕筋の筋力トレーニングには最適です。

また、ラット・プル・ダウンでも烏口腕筋を鍛えることができます。烏口腕筋は肩関節の過度の進展によってもストレッチされますが、過度の水平伸展によって、最もストレッチされます。

烏口腕筋はどういう筋肉

烏口腕筋の機能的解剖

烏口腕筋は上腕二頭筋と共に、関節の屈曲と内転に強く機能ます。これはまるで第三の上腕二頭筋のような役割をしています。この烏口腕筋は、内転時に三角筋の拮抗筋となり、三角筋は外側に位置しているのと、烏口腕筋は内側に位置していますが、上腕骨の中間あたりに付着部を持つ点はよく似ています。

烏口腕筋の機能的解剖

烏口腕筋、広背筋、大円筋、大胸筋、上腕三頭筋の長頭は、ともに肩関節の内転に作用しています。下に引いたり、体の方へ寄せるような動作、腕で体重を支えるような動作、スポーツ動作では体操のつり輪の競技や平行棒の競技などが、肩関節の内転させる機能を含んでいます。

烏口腕筋はゴルフでのスイングやソフトボールで速球を投げるなどの腕が体を横切る時に使われています。烏口腕筋は肩関節をしっかりと安定させ、手を歩行動作時に前への腕の振りを補助している機能もあります。

◆肩関節の屈曲:上腕骨が体幹から前へ、まっすぐ離れる動き。
◆肩関節内転:上腕骨が体幹へ向かって、内側方向へ近づく動き。
◆肩関節の水平屈曲:90度外転にある上腕が水平面上で胸の方へ向かう動き。

烏口腕筋の筋トレ・筋肉強化・鍛え方とは?【10種類】上腕二頭筋も鍛えられます

烏口腕筋を鍛えると同時に上腕二頭筋も一緒に筋力トレーニングできます。

①:烏口腕筋を鍛えるパームカール(イージー)

手を上下に上側の腕の烏口腕筋と上腕二頭筋を鍛えます。

1・左手を下にして両手を合わせます。足を肩幅に開いて立ち、両腕を下ろし、左手を下にして、左右の手のひらを合わせます。

烏口腕筋を鍛えるパームカール1

2・両手で押し合いながら上げ下ろしをします。上下の手のひらで押し合いながら、左手をゆっくりと上げていき、次に、同様に押し合いながら左手を上げて行きます。

これを8回行います。終わったら上下の手を入れ替えて、同様に行います。

烏口腕筋を鍛えるパームカール2

POINT: 常に上下の手で押し会うのを意識して行いましょう。

②: バックニータオルカール(イージー)

タオルで足を持ち上げる動きで、さらに烏口腕筋と上腕二頭筋を鍛えることができます。

1・ タオルをヒザににかけて軽くあげます。両手でタオルをを持って左のヒザ裏にかけ、左足を軽く持ち上げます。

 バックニータオルカール1

2・ 腕の力で膝を上げ下ろしをしましょう。両腕の上側の筋肉に効いてるのを感じながら行なってください。

この上げ下ろしを8回してみましょう。終わったら反対側も同様に行います。

 バックニータオルカール2

POINT:バランスが崩れないように体をまっすぐ保ちながらバックにタオルを行ってください。

③・ニーリングプッシュアップ(イージー)

膝をついた状態での腕立て伏せの事です。通常の腕立て伏せより負荷は軽いが、正しいフォームの確認などがこれで行えます。

1・ 手を肩幅よりやや広く床につきます。
2・体が真っ直ぐになるような位置に膝をつきます。

ニーリングプッシュアップ1

3・状態をスムーズに降ろします。
4・床すれすれの位置で一瞬止めます。
5・状態をスムーズに起こします。
6・これを繰り返していきましょう。

ニーリングプッシュアップ2

POINT:
動作速度を一定に保ち、筋肉の意識(刺激)が抜けないようにします。姿勢の維持に注力することです。

姿勢が崩れたらそのセットは終了にします。(姿勢が崩れたまま行っても目的とする部分に刺激が入りにくくケガにもつながります。)

ニーリングプッシュアップのポイント

NG POINT:
上体を下げた時にヒジを開かないことを意識しましょう。上体を上げた時に背中を丸めないことを意識しましょう。 

ニーリングプッシュアップNG

④:ディップスA

スズメが羽ばたくように手に台につき、ヒジを動かして体を上下させます。上腕二頭筋と上腕三頭筋も効率よく鍛えることができます。

1・両手を台に置き床に腰を下ろします。台は、しっかり床に固定されたものを使いましょう。(安定した椅子を使って行うのも良いでしょう)

ディップスA1

POINT:
腕は肩幅に広げて行います。両足はまっすぐ揃えましょう。台と背中をこするように行えると、より筋トレが効果的です。

2・腕の力を使ってゆっくりと腰をあげます。腰をあげる時に息を吐き、さげる時に息を吸います。

ディップスA2

⑤:ディップスB

ディップスAで行なった烏口腕筋の筋トレよりも、さらに筋トレ効果の高い筋力トレーニングです。

1・ 2つの台を使って足に台を置くことで、さらに負荷を強めることができます。

ディップスB

⑥:ディップスC

 ディップスのペアで行うトレーニング方法です。

1・パートナーが両足を持ち上げて行うと、 より負荷がかかり、筋トレ効果の高い筋力トレーニングになります。

ディップスC

⑦:バックダイアゴナル

体幹も一緒に鍛えられる烏口腕筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋の筋力トレーニングです。状態を固定して腕や足を動かし、インナーとアウターの連動性を向上させましょう。

1・ 四つん這いの姿勢からスタートします。まずは四つん這いになります。両肩のラインの下につき、両足は骨盤の下に置きます。

バックダイアゴナル1

2・両腕を耳の位置まで上げます。 肩腕をゆっくり耳の高さまで上げましょうまる体は動かさず固定させます。

3・ 腕を下ろして、逆側の足を開けます。腕を下ろしと10体核となる足を行けますあるそれぞれ10から15秒間キープしましょう。

バックダイアゴナル

POINT:
腕を足を持ち上げた時に、肩甲骨や骨盤が傾かないように意識して行いましょう。背骨と骨盤が逆Tの字を描くように行うようにします。

足を上げすぎると骨盤が傾き、そこでも曲がります。脚は骨盤がまっすぐになる位置まで上がれば OK です。

バックダイアゴナル NGポイント

⑧:セルフレジスタンス・エルボーエクステンション

タオルを使って烏口腕筋を刺激しトレーニングします。タオルの端を両手で持ち、頭上で左右に引き合います。どこでもできる簡単な筋力トレーニングです。

ポイントは、全力で力を発揮しながら左右に動かすことと、力が抜ける曲面を作らないこと。常に力を入れっぱなしにしておくのがポイントです。力を抜かなければ、上腕三頭筋や上腕二頭筋もしっかり筋力トレーニングできます。

1・ 足を肩幅より少し開いて立ち、タオルの両端を握って両腕を上げ、ヒジを90°に曲げます。

セルフレジスタンス・エルボーエクステンション

2・両手を使って強くタオルを引き合いながら、ヒジの高さを保ったまま、右にゆっくり移動します。

セルフレジスタンス・エルボーエクステンション2

3・両方で使って強くタオルを引き合いながら、ヒジの高さを保ったまま、左にゆっくり移動します。

セルフレジスタンス・エルボーエクステンション3

⑨:インクラインカール

烏口腕筋と上腕二頭筋を同時に鍛える筋トレとストレッチ方法です。
腕を後方に引いたままヒジを伸ばしてダンベルをおろす状態で、烏口腕筋と上腕二頭筋がエキセントリック筋活動し筋力トレーニングされ鍛えられますし、伸ばされてストレッチにもなります。

1・両手にダンベルを持ち、椅子に浅く座って腕を引きます。 浅く座ったら、上体を約45度くらいに後傾させます。そこから両腕を付け根から後方に引いて烏口腕筋と上腕前面を伸ばします。

インクラインカール1

2・肩関節を固定したまま、肘関節を支点にしてダンベルを巻きあげるように持ち上げます。ヒジの位置が 動かないように注意してあげていきましょう。そうすることによって烏口腕筋や上腕二頭筋の筋力強化により鍛えることができます。

インクラインカール2

3・腕を後方に引いたまま肘を伸ばすと烏口腕筋や上腕二頭筋のストレッチにもなり、筋トレにもなるしストレッチにもなるので時短になります。 腕を後方に引いたまま、ヒジを伸ばしてダンベルを下します。

上体が後傾した状態で、腕を引いたまま、ヒジ肘を伸ばすことにより、烏口腕筋と上腕二頭筋が力を発揮しながら強烈に伸ばされストレッチされます。

インクラインカール3

⑩:烏口腕筋と上腕二頭筋の基本のダンベルカール

上腕前面を鍛える最も基本的な筋力トレーニングです。ヒジの曲げ伸ばしのみで、肩を支点に腕が後方へ振られないため、烏口腕筋と上腕二頭筋を鍛えるための筋力トレーニングになります。

1・左右交互にダンベルをあげます。ダンベルを持ち上げる腕は、肘の位置を固定したままヒジを曲げます。

ダンベルカール1

2・左右交互にダンベルを下ろします。ダンベルを下ろす腕は、ヒジが伸びきる直前まで肘を伸ばしていきます。

ダンベルカール2

POINT:
腕を後方に引いたまま、ヒジを曲げ伸ばしします。上体が後傾した状態で、腕を後方に引いたまま動作することにより、烏口腕筋と上腕二頭筋が大きくストレッチされます。

NG POINT:
椅子に座った際に背中が曲がっている。 背筋が曲がっていると、肩をを支点に腕が後方へ振られないため、烏口腕筋や上腕二頭筋のストレッチが弱くなってしまいます。

烏口腕筋のストレッチ方法とは?

①:イスに座って烏口腕筋と上腕二頭筋を伸ばすストレッチ方法
腕の重みを肩にかけて、烏口腕筋を伸ばすストレッチ方法です。肩を後方へ開いた状態で、行き先を内側方向にひねり、腕の前面の烏口腕筋を伸ばします。

ヒジを曲げる動きに働く使用頻度の高い筋肉である為、ストレッチによる疲労改善が有効となります。椅子に座って行うことで脱力して伸ばすことができます。

1・ 椅子にもたれて両腕を左右に開きます。背もたれのある椅子にもたれかかるように座って、上体を反らせます。そこから両腕を伸ばしたま、ま左右に開きます。

手のひらが上を向くように両腕を開きます。 両腕は脱力しても水平に伸ばした状態のままにします。

烏口腕筋のストレッチ方法1

2・両腕の肘先を内側方向にひねります。両腕を伸ばしたままヒジ先を内側にひねり、手のひらを下に向けます。その状態で脱力してゆっくり息を吐きます。

烏口腕筋のストレッチ方法2

POINT:
手のひらが下に向くようにヒジ先をひねります。腕の自重ベクトルは、上体を反って両腕を後方に開くことで、腕の重みが肩関節にかかり、上腕前面を伸ばす負荷となります。
背もたれにもたれたまま、「上体を反らせて胸を張った状態」で両腕を左右に開きます。

烏口腕筋の名前の由来

烏口腕筋は、肩甲骨の烏口突起(カラスのくちばし状の突起)と上腕に付着していることからこの名前が付いています。 

烏口腕筋の注目すべき点

烏口腕筋は比較的小さな筋肉なので大きな力を発揮することはできません。この烏口腕筋は肩関節約90度とまでの屈曲には関与できますが、それ以上の屈曲では筋肉が引き伸ばされすぎるために力を発揮できなくなります。

烏口腕筋の作用の詳細

烏口腕筋は、起始が肩関節よりも近位にあることと、肩関節の前面を通過することによって、肩関節を屈曲させる機能を持ちます。

また、起始の位置が肩関節よりも内側にあることから、肩関節を内転させることもできます。

烏口腕筋の触診方法とマッサージやほぐし方

この烏口腕筋の触診方法では上腕二頭筋の短頭と区別することがとても難しく触診が困難です。しかし、肘関節屈筋である上腕二頭筋に、アイソメトリック収縮で力を入れさせると、硬くなった上腕二頭筋と区別して、弛緩している烏口腕筋を上腕二頭筋の内側に、手を触れることができるでしょう。

烏口腕筋をマッサージする方法の一つとして、まずは患者さんを仰向けにして、烏口突起と上腕内側の間をたどり、その上腕内側部をやさしく軽擦法や揉捏法にてマッサージしてほぐします。

ただし、この部分は正中神経、上腕動脈、内側前腕皮神経、そして尺骨皮静脈が通ってるので注意が必要です。また烏口突起周辺を輪状強擦する方法もあります。

烏口腕筋の触診方法を解説

先ほども解説したように烏口腕筋の触診はとても難しいですが、なんとか烏口腕筋を触診できるように頑張ってみましょう。上腕骨の内側縁中部から肩甲骨の烏口突起までは触診するのは可能です。筋束の構造は水平状で、筋線維の走行は斜めです。

肢位:患者さんには仰臥位になってもらいます。 腕は患者さんの体側に置きます。

烏口腕筋の触診方法

1: 腋窩の前壁を確認します。

2: 後方外側方向へ上腕骨の内側表面を触診します。

3:上腕二頭筋の深層にある筋腹を確認し、三角筋縁位と同じくらいの距離にある上腕骨内側の停止部を確認します。

4:患者さんの肩関節内転に対して負荷をかけながら、適切な位置を確認してください。 

烏口腕筋の整体、マッサージやほぐし方

◆烏口腕筋のストリッピングと圧迫方法
・患者さんは背臥位をとってもらいます。施術者は患者さんの横に立ち、患者さんの頭の方を向きます。施術者は患者さんの治療する側の腕を肘の位置で、一方の手で支えます。

1:拇指を上腕骨内側に反って楽に伸ばせる程度に、もう一方の手(すなわち患者さんに近い方の手)で内側から上腕を握ります。

2:拇指を上腕二頭筋の下、上腕骨内側で、上腕骨の中央付近を押して、烏口腕筋の停止部を探し、押さえてリリースさせます。

3:拇指を筋肉に沿って求心性に滑らせとでん触れると痛い箇所が見つかったら、抑えてリリースさせます。

4:最後に拇指は筋肉深部、腋窩の烏口突起の起始部に達します。
※腋窩を治療する時は、烏口突起の下を腕に向かって走る、神経や血管を回避しながら、筋肉束に触れるように注意しながらほぐしていきましょう。

烏口腕筋の整体、マッサージやほぐし方

烏口腕筋の作用

・上腕骨の内転させる
・上腕骨を屈曲させる
・肩甲骨の下方脱臼(下の方に抜けないよう)に抵抗する

烏口腕筋の位置と起始部と停止部は?

位置:烏口腕筋は、上腕の内側にあり、肘関節の屈筋である上腕二頭筋の短頭と接近します。

起始部: 肩甲骨の烏口突起。
停止部: 上腕骨の内側の中央の3分の1の位置。

烏口腕筋の位置と起始部と停止部

烏口腕筋のその他の詳細

▶烏口腕筋の短縮や伸長による機能低下は?

短縮:腕が体の前方にあるような(肩が前に出ているような姿勢の前肩)になります。それは猫背にもつながり、慢性的な肩こりや首の痛み、頭痛にもつながります。また、肩関節の伸展や内転に制限が出ます。
伸長:姿勢や機能の制限は特に生じることはないでしょう。

▶烏口腕筋の共働筋

肩関節の内転:大胸筋、広背筋、大円筋
肩関節の伸展:大胸筋、三角筋前部、上腕二頭筋

▶烏口腕筋の拮抗筋

肩関節の外転:棘上筋、三角筋中部
肩関節の伸展:広背筋、大円筋、棘下筋、小円筋、三角筋後部、大胸筋(肩関節屈曲位からの伸展)、上腕三頭筋

▶烏口腕筋の関連痛領域

上腕、前腕、および手の後面と、三角筋中部及び前部の領域が関連領域です。

▶その他の検査対象筋

上腕三頭筋、三角筋、棘上筋、後鋸筋

▶烏口腕筋の神経支配と血管供給 

神経:筋皮神経 C5・6・7 
血管:上腕動脈

「烏口突起」とは? どこにある骨?

烏口突起は鎖骨に対して前方およびに家宝に突き出していて、肩や腕にある複数の筋肉の強力な付着部となっています。 ただし、多くの筋肉の起始部として存在していることにより、多くの痛みの症状が現れることがあります。

似たような箇所の症状や痛みで、上腕二頭筋の長頭腱炎と勘違いすることが多いので、適切な問診や触診で症状に対して間違えず対応していきましょう。

烏口突起の靭帯|烏口肩峰靭帯,烏口鎖骨靭帯,烏口上腕靭帯

◆烏口肩峰靭帯:
烏口肩峰靭帯は肩甲骨の烏口突起と肩峰を結ぶ役割をしています。頭上での運動時に上腕骨の安定性を高めています。烏口肩峰靭帯によって形成されるV字構造は上から観察することができます。
この構造は棘上筋や三角筋によって肩甲上腕関節を外転させた時、関節窩にある上腕骨が転位するのを制限している役割も果たしています。 

◆烏口鎖骨靭帯:
烏口鎖骨靭帯は鎖骨と肩甲骨の烏口突起をつないでいます。健康体の人体は様々な角度で複数の方向の動きを制限しています。 垂直方向の烏口鎖骨靭帯は鎖骨が上方に引き上げれるのを制限しています。

◆烏口上腕靭帯:
烏口上腕靭帯は肩甲骨の関節窩に、上腕骨の近位を保つ作用に役立っています。また、烏口上腕靭帯は上腕骨と肩甲骨の烏口突起につなぎとめていて、腕を体側に休めている時に、張力と安定性を与えてる役割があります。烏口上腕靭帯を繊維と肩甲上腕関節方は斜め上から観察できます。