健康で若々しい体を手に入れるためには、身体を柔らかくすることが不可欠です。そこで効果的なのが筋肉ストレッチです。まずは体が硬くなる原因と、筋肉ストレッチの特徴を知りましょう。
筋肉が硬い体とは?硬くなってしまう仕組み
筋肉は動かさなければどんどん硬くなります。「体が硬い、柔らかい」という言葉をよく耳にしますが、そもそもの違いはということなのでしょうか?一般的には体が硬いとは、主に関節の可動域が狭い状態を言います。関節の可動域とは、関節の動かせる範囲のことです。
例えば、つま先を顔の高さまで上げられる人もいれば、腰辺りまでしか上げられない人もいます。これは股関節の周辺の筋肉の硬さにより、高く上がれば柔軟性がある、低くしか上がらなければ柔軟性がない股関節です。
そして、この関節をとりまく筋肉のしなやかさが、体の柔軟性に大きく影響します。筋肉は基本、筋肉の両端が骨をまたがるようについていて、関節の動きとともに伸び縮みをします。
しかし、硬い筋肉は伸びが悪いため、関節の動きに制限をかけてしまうのです。すると、足を高く上げようとしても、痛くて上がりません。今ある筋肉の伸びが悪ければ悪いほど、関節の動かせる範囲も狭くなり、「硬い体」になってしまうのです。
筋肉が硬くなってしまう原因は?
なぜ、筋肉は硬くなってしまうのでしょうか?もちろん加齢も原因です。年を重ねれば筋肉の弾力性は失われていきます。しかし、毎日十分に動かしていれば、その弾力性を保つことは可能なのです。
ところが、運動の習慣がなかったり、同じ姿勢ばかり続けていると、動かされることがなかった筋肉は、しだいに 硬くなってしまうのです。また、疲れやストレスなどでわずかでも体に力が入っていると、筋肉は無意識のうちに緊張状態になります。
これも筋肉を硬くこわばらせてしまう原因なのです。関節が動かしにくくなると、動くことがおっくうになり、さらに運動も避けがちになってしまうでしょう?すると動かさない筋肉はますますコリ固まり、体はどんどん硬くなるばかりです。
筋肉が硬くなる3つの原因
1:加齢によるもの…筋肉や腱などは年齢を重ねることに弾力性が低下していきます。しかし、毎日十分に動かしていれば、その低下を食い止め、柔軟性は保つことができるでしょう。
2:運動不足によるもの…筋肉の運動の習慣があっても、同じ部位だけしか動かさない。また、デスクワークなどでずっと同じ姿勢をとっていると、動かされない筋肉は固くなってしまいます。
3:筋肉の緊張によるもの…日常の疲れやストレスなどで身体にわずかな力も入っていると、筋肉は無意識のうちに緊張状態になります。この緊張が続くことで、筋肉が硬くなっていきます。
体の硬さでせない、痛みや不調の原因
血流が悪くなることで、様々な不調が起こってしまいます。体が硬いと聞いて良いイメージはないものの、生活にさほど支障がない、気にしていないという人もいるでしょう。
ところが、体の硬さは実は健康に様々な悪影響を及ぼしているのです。先ほど話したように体の硬さは、筋肉全体の硬さと直結していますが、この硬い筋肉は体の血液循環を滞らせてしまうのです。
血液は心臓の働きで体を循環していますが、それだけでは力不足なため筋肉と血管がサポートをしています。これを筋肉のポンプ作用といい、筋肉が縮んだり緩んだりを繰り返すことで、血液を送り込んでいます。そして、血液が循環することで、全身に酸素や栄養素が行き渡り、同時に不要になった老廃物も排出されているのです。
ところが、硬くなった筋肉は伸びにくいため、伸び縮みの幅が狭く、それゆえ、このポンプの作用を弱めてしまいます。すると血液の循環も滞ってしまうのです。
硬い体を放っておくと様々な症状に
ダイエットをしたくて脂肪を燃焼させたい時、酸素を体内に取り込むことを必要とします。しかし、血液の流れが悪くなると、血液中に運ばれる酸素量も滞ってしまうのです。すると、代謝が悪くなりダイエットしてもなかなか痩せることができません。
さらに老廃物も溜まるので、疲れや肩こり腰痛などは慢性化します。他にも頭痛や冷え性、便秘、不眠など様々な不調の引き金にもなるのです。
また、関節の動く範囲が狭ければ、日常のちょっとした動作でつまずいたり、転んだりしやすくなります。スポーツ時には、筋肉の硬さが原因で関節にも負担がかかるため怪我のリスクが高まります。ですから、たかが「体の硬さ」と侮ってはいけないでしょう。
協力筋で体を柔らかくするストレッチ
協力筋を使うことで筋肉を最大限に延ばせます。硬くなってしまった筋肉は、元に戻らないのかというと、決してそんなことはありません。繰り返しよく伸ばせば、柔軟性を取り戻すことができます。その筋肉を柔らかくするために、最適な方法が筋肉ストレッチです。
皆さんも良く知っているように「ストレッチ」とは体を伸ばす運動のことですよね?筋肉を伸ばした状態で、体勢を維持しますが、実は筋肉を最大限に伸ばし切った状態でキープしなければ、筋肉の柔軟性を取り戻すことはできないのです。
しかし、一般的にはそこまで伸びていないストレッチが多いといえます。その点、筋肉ストレッチは筋肉を最大限に伸ばすように考えられています。ですから、続けるごとに筋肉は伸びやすくなり、驚くほど体が柔らかくなっていきます。
ストレッチの最大のポイントは協力筋を使う
ストレッチをする上でのポイントは、筋肉は収縮しながら体をコントロールしていますが、伸展する時は必ず伸展させたい筋肉をコントロールするいくつかの筋肉が補助しています。それが協力筋の働きなのです。
例えば、右腕をまっすぐ伸ばし手の甲を上にします。左手で右手の甲をつかみ、手前に引き寄せます。この時、右の手の平を開いた状態と、拳を握った状態でおこない、その違いを比べてみてください。
右腕の伸びの感覚はどうでしょうか?拳を握った時の方が、格段によく伸びていると感じられるはずです。筋肉のストレッチは、このように関節を曲げたり、指を引き寄せたり姿勢を起こすなど、ちょっとしたテクニックを加えて協力筋を活用しています。それにより筋肉の奥まで無理なく、かつ効果的に伸ばすことができるのです。
ストレッチ時の協力筋とは?
協力筋とは、ストレッチして筋肉を伸ばす時に、お互い協力し合う筋肉のことです。ある部分を伸ばそうとすると、そこに付随する筋肉が伸びをサポートします。その働きでより深くかつ広範囲が伸びるストレッチに変化します。
▶協力筋を使わないストレッチ
筋肉が伸びきらない…右手のひらを開いた状態で手前に引き寄せると、関節が曲がるだけなので、腕の筋肉は伸びきりません。
▶協力筋を使ったストレッチ
筋肉が最大限伸びます…右手は拳を握って引き寄せると、腕に付随する筋肉が協力し合うため、腕周りの筋肉の伸びが最大限になります。
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