昔は高血圧といえば、塩分の摂り過ぎが原因とされていたものです。しかし、現在は肥満による高血圧が問題視されるようになっています。
他にも、肥満による病気のリスクは数多いので知っておきましょう。
インスリンの働きを妨害する脂肪細胞
脂肪細胞はインスリンの働きを悪くする悪玉物質と、良くする善玉物質を分泌しますが、内臓脂肪が増えると悪玉物質の分泌量がアップします。
そのため、細胞が血液中のブドウ糖を取り込む手助けをするインスリンの働きが悪くなり、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が下がらなくなります。
効き目が悪くなった時感じた脳は膵臓にインスリンをたくさん分泌するように命令を出しますが、この高濃度のインスリンには血圧を上げる性質があるため、高血圧になるのです。
日本人はインスリンの分泌が少ない
また、善玉物質がインスリンを助けることができなくなると、糖尿病にもつながります。善玉物質の分泌量は遺伝で決まっており、日本人の40%は分泌量が少ない遺伝子です。
さらにインスリンの分泌量も欧米白人の半分から1/4 しかなく、日本人は欧米白人よりも糖尿病になりやすいのです。
脂質異常症の予防方法
かつて高脂血症とも呼ばれた脂質異常症は、血液中の中性脂質やLDL(悪玉)コレステロールが基準より高い、またはHDL(善玉)コレステロールが基準値より低い状態です。
内臓脂肪が増加して血液中に余分な脂質が多くなって動脈硬化を起こしやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。いわゆる、「血液がドロドロの状態」ですが、自覚症状はなく、心筋梗塞などを突然発症することもあります。
予防には毎日の食事に気をつけて運動をすること、健康診断が必須です。また、内臓脂肪が蓄積すると重くなったお腹のバランスをとるため無意識に体が後ろに反り返り、反対に背骨の腰に当たる部分が前方にせり出して背中の筋肉が常に緊張した状態になり、腰痛の原因にもなります。
関係なさそうな病気も内臓脂肪が影響?
同年齢の年配者を内臓脂肪が多いグループと皮下脂肪が多いグループに分けて比べると、内臓脂肪が多い人の骨の強度は皮下脂肪が多い人の半分しかなく、骨粗鬆症になりやすいと分かっています。
これは内臓脂肪が多い人は、相対的に筋肉量が少なく、体重などを支えるために骨が酷使されてきたからだと考えられます。
また、これまで不明だったアルツハイマー型認知症の原因が、「高濃度のインスリン」「脳の血管の動脈硬化」にあるということがわかってきました。
その患者さんの60%は内臓脂肪の面積、そして血圧や脂質も基準を超えたメタボ状態だったそうです。内臓脂肪が増えると、高濃度のインスリンが放出されるほか 、動脈硬化のリスクが高まることからも内臓脂肪との因果関係は明らかと言えるでしょう。
さらにインスリンには様々な働きがありますが、タンパク質の一種、神経細胞を破壊する「アミロイドβ」を分解して神経細胞を守るインスリンの活動を内臓脂肪が抑えることで脳細胞の破壊を抑止できなくなってるといわれています。
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