骨盤矯正に重要な骨盤上部と下部について解説

骨盤を引き締めるためには、骨盤底筋を鍛えるべきだと一般的に言われていますが、「引き締まった骨盤」とは骨盤上部が縮んだ状態のことです。

骨盤底筋のトレーニングが骨盤の引き締めに直結するわけではないということはまずは押さえておきましょう。

骨盤底筋は意識的に動かせる

骨盤周りの筋肉の中で意識的に縮められるのが、骨盤底筋です。集中しようと意識しただけで縮まります。ストレスでも縮み、便を我慢しても縮み、頑張り続ければずっと縮んでいます。

ところが、骨盤上部は意識しても縮めようとしても、直接 縮めることはできません。骨盤を扇に見立ててみましょう。ただし、現実の扇とは少し違うのは要の部分(骨盤底筋)が完全には固定されてないということです。肛門の部分も縮んで硬くなったりいるんで柔らかくなったりする感じの融通性の大きな扇です。

骨盤底筋のリラックスと緊張

リラックスしている時は、息を吐くのと同時に、自然に骨盤底筋も少しゆるみます。肛門の部分がゆるい状態ということです。大きくゆるむと、アコーディオンの蛇腹 みたいな感じになります。

息を吐く時の方が、吸うときより力が抜けてリラックスします。一方、集中しようとする時は、骨盤底筋の動きのパターンが変わります。息を吐く時に骨盤底筋があまり 緩まず、しっかりとした扇の 要になります。骨盤底筋を要として息を吐く時により、骨盤上部が強く縮むことができます。

骨盤底筋は骨盤の底にある

骨盤上部と骨盤底筋について

骨盤底筋の集中をするためには、骨盤上部が縮む必要があります。ところが、骨盤上部は意図的には制御できません。呼吸も コントロールできそうで意外とできないものですが、骨盤上部は呼吸よりもコントロールがさらに難しいのです。

たくさんのお客さんを前に、これからステージに上がるのだとイメージしてみてください。緊張して手足に力が入りますね。足が震えるかもしれません。一生懸命集中しようとすると、骨盤底部を基点にして全身に力が入ります。興奮が激しくて骨盤底筋が縮みすぎて固まってしまえば、骨盤上部が縮む(=高い集中)ための要として働かないばかりか、全身が固まってしまいます。

骨盤底部の縮み方が適度でなければ、集中するどころか逃げ出したくなるでしょう。骨盤底部は骨盤の扇の要です。固まりすぎると、要もそのものが錆びついたように動かなくなり、骨盤という扇をすぼめられなくなります。緊張した時は「肩の力を抜く」とか「音楽を聴く」など、リラックスする方向に意識をもって行った方が、(骨盤上部が縮む)高度な集中がしやすいというのは、ここの問題なのです。

アスリートが競技の前に音楽を聴いてリラックスする光景をよく見ます。呼吸を整えるのも、骨盤底部を緩めて骨盤上部を縮めるのに役立ちます。先ほどもお話ししましたが、集中状態になると息を吐く時に骨盤上部が縮む方向に動きます。緊張していても息を深く吐くことができれば、いい集中ができるということなのです。

骨盤底部が固まっているほど、息を吐くことも難しくなります。長く吐くどころか、緊張のあまり息を止めてしまうことも多いですよね。息を止めてしまうと身体の動き全体が途中で止まったり、ギクシャクしてしまいます。

骨盤の開閉

骨盤底部をリラックスする方法方法

骨盤底部をリラックスする方法は、唇を尖らせて息を吐いてみて下さい。唇を尖らせることで口周りと骨盤底部が緩み、同時に息の出口を小さくすることで、息を長く吐きやすくすることができるのです。

唇から肛門までは 消化管という1本の管でつながっています。体の入り口の唇と、体の出口の肛門は連動しており、同時に緊張したりゆるんだりしています。唇の筋肉は緊張するとギュッと縮んで固まります。そこで唇をちょっと尖らす形にすると、緊張していた唇の筋肉がちょっとゆるみ、同時に肛門(骨盤底部)もわずかにゆるむ効果があるのです。

アスリートが集中のためにする深呼吸では、息を吐く時に唇を尖らせます。有名なアスリートにはよくみられます。アスリート達のルーティンに欠かせないものですね。

唇の間に舌を出すことでも、唇→肛門→骨盤底部が緩みます。バスケットボールが好きな人たちの中ではバスケの神様、マイケルジョーダンが集中力の高まったプレーでは舌を出していたのが有名です。ジョーダンの場合は画像で見るのと舌の出し方が特別すごいですが、集中する時にちょっとだけ舌の先を出す癖がある人は珍しくありません。身の回りの人たちの中にもきっといると思います。

緊張とリラックスが骨盤底部への影響

楽しい時は、骨盤底部に過剰な緊張がなく、自然に適度なやわらかさと強さを併せ持つ状態が生まれます。結果的に、骨盤上部が縮むための要として骨盤底部がいい具合に当たりやすくなるのです。骨盤上部は、良い集中状態になった時には必ず縮んでいますが、楽しい時は自然に縮みやすいのです。

例えば、大笑いしてる時、夢中になって楽しんでる時など誰でも自然に縮んでいます。一生懸命集中しようとして帰ってうまくいかない場合があるのは、骨盤底部(=骨盤底筋)が緊張しすぎて扇の要として機能しなくなってしまったというわけです。どの筋肉にも言えることですが、弾力を失わないように良い具合に縮めるためにはよく緩むことが大切です。

緩むほどよく縮むということです。とくに近年は仕事でも生活でも物事のスピードが早く、気の緩む暇がありません。結果として、慢性的に骨盤底筋が縮んでいて緩むことも、それ以上縮むこともできない人が多くなっているのが実状です。例えばひどい便秘や、失禁の悩みを抱える人の骨盤は、骨盤底筋が縮められないばかりか、緩めることもできない状態だったりします。

縮めようとする前に、まずは緩めることを目指す方が骨盤が引き締まる近道なのです。

開いた骨盤

骨盤は休息期を教えてくれる

骨盤はなめらかに変化することで体調を支えています。途中でつかえずに次の状態に移行することができる、弾力と融通があることが大切です。コツとしては、骨盤が緩んだ時に休むことにつきます。ことによってバリエーションがありますが、骨盤が大きく緩むと以下のような症状が出ます。

体重は変わらないのに座ってるときの元々腰のボリュームが増した感じがする。立ったときに両足の間の幅が広がる、とにかく眠い、料理、掃除、片付け、洗濯物をたたむといった、普通にできていた家事などが億劫になる。ぼーっとしているうちに1日が終わる。認知症かもというぐらい記憶力が怪しくなる。こだわりが薄くなる。例えば テレビを見ながら取るに足らないことで、もらい泣きしたり、笑えたりする。許せないこと、許せない人たちが少なくなる。内臓の代謝も下がります。お酒に強かったのが急に弱くなった場合もあります。

もしこんなことに気がついたら、休息日です。短い間の場合もあれば、 数年単位の長い期間の場合もあります。仕事をしている人は残業や休日出勤を強いられるような激務から離れ、できるだけ余裕のある生活を送ることを選択してみましょう。家事も家族やアウトソーシングに頼るなどして、自分を甘やかしてみましょう。よく休むことで良い転機になります。

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イーバランス整体院院長

『資格:整体師』
整体師歴26年
〈略歴〉
1998年3月 ナショナル整体学院卒業
1988年4月 天祖鍼灸整骨院勤務
2000年6月 オアシス整体院勤務
2010年1月 ラクシア整体院勤務
2013年6月 イーバランス整体院開院
現在に至る
志木駅東口イーバランス整体院は骨盤矯正や骨格矯正で腰痛や肩こりを改善します。特に産後の骨盤矯正は好評です。

『皆様の症状を親身に考え心を込めて整体や骨盤矯正を致します』お気軽にご相談下さい。

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