現代女性は便利な生活によって骨盤ばかりか体全体を動かせていません。日々衰退する骨盤の柔軟性をチェックしてみましょう。
骨盤は体の動きに連動しながら動く
骨盤は背骨や脚の大腿骨とつながり、体の土台として常に動いています。例えば、歩いてる時やしゃがむとき、座る時も骨盤のおかげでスムーズに動くことができます。
こんなに毎日骨盤は頑張ってくれているのに「骨盤の動き足りない?」と思う方は多いでしょう。しかし、残念ですが、多くの女性が十分とは言えない骨盤なのです。
昔はもっと体も骨盤も動かしていた
昔の女性は生活の中で体を動かすことがたくさんありました。朝、ご飯を炊くために米をとぎ、火を吹き、掃除機なんてないからほうきと雑巾がけ など、体を動かす動作が数多くありました。
洗濯板でゴシゴシと井戸から水を汲んできて洗い流す作業…。毎日の労働で体を動かしていましたが、現代女性はどうでしょう?スイッチ1つで家事をこなしてくれる便利な機械があり、エスカレーターやエレベータを使うため、階段を昇り降りすることが減りました。
誰かに会いに行くよりもスマートフォンを見ていることの方が多くありませんか?現代女性は健やかでいるために意識的に体を動かすことが必要です。今や運動で健やかになるのではなく、不健康にならないように運動するといったほうが正しいのです。
あなたの骨盤は動いていますか?
骨盤がきちんと動いているかを知るためにチェックしてみましょう。
①お腹に手を当ててゆっくりと呼吸をします。その時にお腹がどんな動きをしているのか観察してみましょう。
②今度は腰に手を当てて同じように呼吸をします。骨盤はどのような動きをしているのでしょうか?
③もし、骨盤が動いてないと感じたら、息を骨盤内に入れ込むイメージでゆっくりと深く呼吸をしてみます。
④骨盤のどこが動きにくいかいろんな場所を触って探ってみましょう。
骨盤が開くとポッコリお腹に
問題は骨盤の動きが悪くなって起こる不調のことです。 その代表例が月に1回の生理の時です。生理に向かって骨盤は徐々に広がり始めます。この骨盤の動きが悪いと充血した子宮を 骨盤全体で支えきれず、部分的に負荷がかかって痛くなったり、PMS(月経前症候群)を起こして気分がさらに落ちてしまう原因にもなりかねなません。
また、便秘も骨盤が影響します。骨盤は直腸や肛門、膀胱などの排泄系の臓器をすっぽり覆うように保護しています。骨盤がしっかりと逆三角形の形をしていると、その中の 腸もあるべき位置にとどまって、きちんと 機能します。
ところが、骨盤の動きが悪いと腸の動きも悪くなり、弛緩性便秘などが生じてくることがあるのですこうして直腸や膀胱、子宮などの臓器があるべき位置より下がって機能できなくなる状態を内蔵下垂と呼んでいます。これが原因でいわゆる ぽっこりお腹になる人も多いのです。
骨盤バランスが悪いと全体の不調に
骨盤は自律神経とも密接な関係があります。自律神経には臓器の働きをコントロールする機能があります。自律神経のバランスを崩すと。心が不安定になるほか、脳や子宮などを内蔵にも影響が出てきます。
骨盤が傾くとその上に存在する背骨も傾き、それを修正しようと 筋肉や靭帯が緊張して硬くなります。脊椎の中を通っている自律神経は圧迫され、うまく機能 できなくなるのです。
また、骨盤が傾むいて姿勢を悪化させると、ボディーラインが崩れるだけでなく、肩こりや腰痛を引き起こし、体幹部の筋肉のアンバランスを生んで、血流を阻害し てしまいます。結果、代謝が落ちて脂肪をためやすくなります。さらに冷えまで起こし、まさに不調のオンパレードになるのです。