肩甲骨は腕と連動して動く大切な骨です
肩甲骨は肩関節で鎖骨や上腕骨とつながり、内に寄せたり、開いたり、上下に移動する自由な動きで、上腕の大きな動きを助け可動域を広げています。しかし、「代償姿勢」によって、肩が内旋し背中が丸まって猫背になると、肩甲骨が開いたり、上がったままになってしまうことがあります。
さらに、肩甲骨が歪み始めると、肩甲骨についている僧帽筋や肩甲挙筋、小菱形筋、大菱形筋などの筋肉の動きも悪くなります。ひどくなると、脊髄神経から手の指先にまでつながる尺骨神経や橈骨神経にも伝導異常を起こして、様々な症状を起こします。
肩甲骨の歪みからくる主な症状
・頚椎4番から6番:主に関係する神経は橈骨神経で、関連する器官や部位は首肩腕中指です。主に考えられる症状は、肩こり・腱鞘炎・中指のしびれです。
・頚椎7番から胸椎の1番から3番:主に関係する神経は尺骨神経で、関連する器官や部位は首・肩・腕・小指・薬指です 。主に考えられる症状は 、多汗症・小指や 薬指のしびれ・鎖骨の痛み・自律神経失調症・呼吸障害・喘息です。
肩甲骨のチェック①|肩甲骨の下角を触れますか?
胸鎖関節・肩鎖関節・肩甲上腕関節に関連します。
指で反対側の肩甲骨の下角を触れるかどうかで、肩や鎖骨の関節の歪みを知ることができます。
チェック方法:左手を背中に回し、人差し指で反対側の肩甲骨の下角に触れるか、確認します。
右手も同じように行います。 下の画像ででチェックしてみましょう!
・肩甲骨の下角を触れない場合…仙骨の歪みから起こる代償姿勢によって、肩が内旋して背中が丸くなり、胸鎖関節・肩鎖関節・肩甲上腕関節が内側に入っていると考えられます。
肩甲骨のチェック②|肩の屈曲をチェック!
胸鎖関節・肩鎖関節・上腕上関節に関連します
仰向けになって伸ばした腕が床につくかどうかで、肩や鎖骨の関節の歪みを知ることができます。
チェック方法:仰向けになって右手をゆっくり上にあげ、肘を伸ばしたまま後ろに倒して手の甲を床につけます。肩・肘・手首が床についているか、チェックしましょう。
左手も同じように行います。
・腕全体が床につかない場合…仙骨の歪みから起こる代償姿勢によって、肩が内線して背中が丸くなり、胸鎖関節・肩鎖関節・肩甲上腕関節が内側に入っていると考えられます。
その時、肩甲骨の筋肉、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の上腕部の停止部が萎縮していると考えられます。
肩甲骨のチェック③|肩甲骨の内側を押す
歪みの部位は胸椎2番と3番です
痛みやコリの有り無しで、胸椎2番3番の歪みを知ることができます。
チェック方法:右手の中指と薬指を揃えて、反対側の肩甲骨の内側(背骨に近い側)を骨に沿って押します。左手も同じように行います。
痛みがある場合…痛みやコリを感じる場合は、胸椎2番・3番に歪みがあり、星状神経節の伝導異常が起きていることが考えられます。
星状神経節とは交感神経の第1胸椎神経節とした首神経と合わさって出来たものを言います。扁平な星型をしていることから、この名前が付いたと言われています。