ローテーター・カフ(回旋筋腱板)にとは?
上腕骨頭関節可能適切な意思に維持するのに最もな重要なのがこのローテーター・カフです。
回旋筋腱板のこれら棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋には、それぞれの名所のラテン語の頭文字から SITS という文字が使われています。
それらの筋肉は三角筋や大胸筋と比べてあまり大きくなく、十分な筋力のみならずとりわけ反復性のオーバーヘッド動作(例えば投球する動作や水泳など)において適切な機能を維持できるだけの十分な筋持久力を持たなければなりません。
そういった運動が未熟な技術や筋疲労時にあるいは十分なウォームアップやコンディショニング下で行われる時、ローテーター・カフとりわけ棘上筋は関節窩に上腕骨頭を動的に安定させる機能を失い、例えば肩峰下腔内にうけるローテーター・カフインピンジメント(骨との間で挟まれる障害)などを引き起こしてしまいます。
腕と肩甲骨の動きの比率…肩甲上腕リズムとは?
腕を上げることによりそれと連動して肩甲骨が外側に広がっていくの肩甲上腕リズムと言います。
・腕を垂れ下げている状態では肩甲骨は通常の位置にあり、腕と肩甲骨は動いていない状態になります。
・腕を外側に30°回旋させると上腕骨のみが外転した状態になります。
・さらに腕を外転させ脇の下が90°に差し掛かった時には上腕骨が60°肩甲骨は30°外に開きます。
・腕を180度に動かした時上腕骨は120°肩甲骨は60°外側に開きます。
このように腕を動かすことによって上腕骨と肩甲骨の動きに関しての比率を肩甲上腕リズムと言われ、その上腕骨の動きと肩甲骨の動きの比率は2(上腕骨):1(肩甲骨)の比率で連動します。
ローテーター・カフ(回旋筋腱板)の棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の筋肉は非常に怪我をしやすくその怪我によりこの肩甲上腕リズムの動きが制限され肩関節の動きが悪くなってしまう可能性があります。いわゆる肩関節の外的障害になってしまいます。
また肩関節周辺の筋肉の緊張、こりによりこの肩甲上腕リズムの比率も悪くなってしまい、更なるコリを引き起こしてしまう可能性があります。
日々肩関節の周りの筋肉を柔らかくしておく習慣を心がけておきましょう。
肩関節と肩甲骨の動きについて
肩関節は単に鎖骨を通して胸鎖関節の位置で胸骨と接しているにすぎません。したがって肩関節の動きは以上に大きくしかも多方向です。
加えて肩甲骨の動きなくしては肩関節の動きはないと言っても過言ではありません。例えば肩関節が屈曲して外転する時、肩甲骨を挙上、上方回旋および外転します。
また、肩関節が 内旋し水平屈曲する時には、肩甲骨は外転します。逆に、肩関節が外旋して水平伸展する時には、肩甲骨は内転します。
肩関節はあらゆる方向において非常に大きな可動域を持っている反面、大変不安定な間接であるとも言えます。したがって肩関節ではローテーター・カフ(回旋筋腱板)のインピンジメント(骨との間で挟まれる障害)や亜脱臼、あるいは脱臼がしばしば生じます 。
一般的に、より大きな可動域を持つ関節は不安定で、より小さな可動域しか持たない関節は安定してると考えられます。
肩関節の動きに関与する筋肉はどこに付着?
肩関節の動きに関与する筋肉は肩甲骨、鎖骨そして上腕骨に付着しています。
肩甲骨で目安なる箇所としては棘上窩、肩甲窩、関節窩、烏口突起、肩峰、下角などがあります。
上腕骨では上腕骨頭、大結節、小結節、結節間溝、三角筋粗面などがあります。
肩関節と肩甲骨の構造と動きについて
肩関節は肩甲上腕関節とも呼ばれ、可動関節の中でも特に可能性の高い球関節という多軸関節です。
この高い可動性のために肩関節は不安定ですが関節窩の周りを取り囲む軟骨上のはである関節唇や関節上腕靭帯によって安定性が高められています。
非常に薄い股関節包靭帯は肩関節の内旋、屈曲、水平屈曲で緊張するのに対し、前関節上腕靭帯は外旋、伸展、外転、水平伸展で緊張します。
下関節上腕靭帯は前方および後方の安定性を与えてるということでその重要性が注目されています。
しかしながら注目すべき最も重要なことは肩甲上腕関節(肩関節)が広範囲な可動域を持つため可動域の最終地点に到着するまで靭帯は緩い状態にあるということです。
すなわち可能性を得るために安定性が犠牲にされているのです。
投球やタックルは腕を横に広げてから行えますし(肩関節の外転)、屈曲や伸展という動きも懸垂や腕立て伏せといった動作の中に見られます。
肩関節のいろいろな方向での可動域を完璧に推測するのは大変難しいことです。
なぜならば肩関節の動きには必ず肩甲帯の動きが伴うからです。
とはいえ肩関節はほぼ次のような可動域をもっています。
外転: 90から95°
内転: 体幹の前面で75°後面で40から60°
屈曲: 90から100°
内旋・外旋: 70から90°
水平伸展: 135°
先ほども述べましたが、肩関節はその解剖学上の 構造のために障害を受けやすくなっています。
その理由として、関節窩が浅いこと、人体によるサポートがゆるいこと(その代わり大きな可動域が保証される)、そして肩関節の可動の安定性にとって必要不可欠な筋力や筋持久力が弱いことがあげられます。
その結果、肩甲上腕関節前方または前下方への亜脱臼や脱臼が運動時では日常的によく起こります。後方脱臼が発生するのはかなり稀ですが、後方不安定性による肩周辺で問題が起こることは珍しくはありません。
ローテーター・カフ(回旋筋腱板)の重要性
特に棘上筋、棘下筋、肩甲下筋そして小円筋の腱によって作られるローテーター・カフ(回旋腱板)と呼ばれる組織はしばしば損傷を受けます。そのローテーター・カフの筋肉は小さく、上腕骨頭の前部、上部そして後部に停止しているので上腕骨頭は自由に回旋することができます。
そしてさらに重要なことはローテーター・カフの筋群がその可動域において、上腕骨をよりパワフルに動かしてる間、上腕骨頭が関節窩に既に正しく接するように重要な役割を果たしてるということです。
肩関節の筋肉について知りたい方はそれを理解するにあたって、位置や昨日によって筋肉をグループ化すると非常に都合が良いでしょう。肩甲骨と鎖骨に機種を持つすべての筋肉は肩関節の内在性の筋肉として分類され、三角筋、烏口腕筋、大円筋及びローテーター・カフの筋群(肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)がこのグループに入ります。
一方、肩関節の外在筋は広背筋と大胸筋です。また筋肉を一般的な位置に従って分類することも一助けとなります。大胸筋、烏口腕筋、棘下筋は前方に位置しますし、三角筋と棘上筋は上方に位置します。
広背筋、大円筋、棘下筋、小円筋は後方に位置していきます。上腕二頭筋と上腕三頭筋(長頭)も肩関節の動きに関わっています。
主に上腕三頭筋の長頭は伸展と水平伸展を補助するのに対して、上腕二頭筋は屈曲と水平屈曲を補助します。
ローテーターカフ(回旋筋腱板)が弱くなると、もともと関節臼が浅い肩関節はさらに不安定になり必要以上の可動域を生み出し亜脱臼や脱臼になり、繰り返すと更に癖になってしまいます。
その肩関節の不安定感は仕事中や普段の生活の中でも肩こりにつながります。
その肩こりにより肩関節周りの筋肉が硬直してしまい、回旋腱板の肩甲上腕リズム(肩甲骨の動き方)の可動域が狭くなり、更なる肩こりを呼ぶことになるでしょう。
肩甲骨に関与する筋肉(位置による分類)
前方:
・大胸筋
・烏口腕筋
・肩甲下筋
上方:
・三角筋
・棘上筋
後方:
・広背筋
・大円筋
・棘下筋
・小円筋
ローテーター・カフ(回旋筋腱板)の各筋肉の役割
棘上筋の役割
・上腕の外転:腕を上に上げる動きをします
棘上筋には上腕骨の骨頭を関節窩に近づけておくという大切な働きがあります。ボールを投げる時、上腕骨は強く引っ張られて肩甲骨から離れようとするので棘上筋が働いて上腕後頭関節窩に近づけて動的安定性を保ちます。
例えば投球時の準備期では上腕骨頭は前方にまたはフォロースルー期では後方にそれぞれ抜けようとしますがこれに抵抗しているのが棘上筋と言えます。
棘下筋の役割
・肩関節の外旋:腕を外に広げる動きをします
・肩関節の伸展:腕を体よりも後ろに下げる動きをします
棘上筋と小円筋は菱形筋が肩甲骨の動きを制限しているときに効果的に動きます。上腕骨がこれらの筋肉によって外側に回る。
すなわち肩関節が外旋をする時菱形筋は肩甲骨を背中で平らになる位置に固定するので、さらに肩関節は外旋しやすくなります。
棘下筋は肩関節の広報の安定性にとって非常に大切な筋肉です。
小円筋の役割
・肩関節の外旋:腕を外側に広げる動きをします
・肩関節の伸展:腕を体よりも後ろに下げる動きをします
小円筋は肩関節後方の動的安定に役立つという点で棘下筋と似ており、これら二つの筋肉が同時に働くと言えます。
従って小円筋を強くするエクササイズも棘下筋のそれと同じです。
肩甲下筋の役割
・肩関節の内旋:腕を内に曲げる動きをします
・肩関節の内転:腕を下に下げる動きをします
・肩関節の伸展:腕を後ろに下げる動きをします
肩甲下筋は上腕骨を前方から引っ張りながら関節窩に近づけて安定させていきます。
肩甲下筋は広背筋や大円筋と共に働きますがその力はさほど強くありません。なぜなら他の二つの筋肉に比べて停止部が肩関節により近いためです。
また、この筋肉が有効に働くためには菱形筋が肩甲骨をしっかりと固定しておく必要があります。
ローテーター・カフ(回旋筋腱板)を鍛える筋トレ方法
ここではローテーター・カフ(回旋筋腱板)の各筋肉の強化方法をお話ししていきます。
棘上筋の筋トレ方法
棘上筋は三角筋の中部が動く際に、同時に力を発揮します。エンプティカンエクササイズというのは、特にこの筋肉を鍛えるのに有効です。缶ジュースの中身を捨てるような動作なのでこのように呼ばれるのです。
肩関節を90°外転させ、腕をまっすぐに伸ばして肩関節を内旋させた状態で行います。
棘下筋の筋トレ方法
懸垂やロープクライミングなどのエクササイズのように、上を下へ引き下ろす動作をすると棘下筋小円筋そして広背筋がよく働きます。また、棘下筋と小円筋は肩関節0度または90°回転位でアイソメトリックな抵抗下で外旋させるとよく鍛えられます。
小円筋の筋トレ方法
小円筋を強くするエクササイズも棘下筋のそれと同じです。
肩甲下筋の筋トレ方法
ラット・プルダウンやロープクライミングような広背筋などを鍛えるエクササイズで肩甲下筋も鍛えることができます。
肘を体幹につけた状態…すなわち肩関節が0度外転位で肩関節を内旋させるエクササイズをすれば、特に肩甲下筋に負荷をかけることができ強化につながります。