仙腸関節炎とは?どこに痛みが出る?
仙腸関節の滑液包と靭帯付着部に発症する炎症変化に起因(原因)とする腰背部痛を主訴とする疾患のことを言います。
また、安静によって改善しない腰痛や背中の痛み、全部及び仙腸領域の痛みと硬直が3ヶ月以上持続する ことを仙腸関節炎といいます。
仙腸関節はどこにあるの?
仙腸関節は仙骨と骨盤を結ぶ関節の事です。歩行の際、この仙腸関節が動くことにより、スムーズに足を動かすことができます。また、上半身の揺れや傾きを補正するのには欠かせない関節となります。
この仙腸関節の構造を下図にて解説していきます。
仙腸関節炎の原因や要因
結核菌や淋菌によるもの、血清反応陰性脊椎関節炎や亜急性骨髄炎に原因が多いですが、原因が明らかでないものも多いです。
血清反応陰性脊椎関節炎とは、血清リウマチ反応が陰性…つまり、リウマチが原因ではない脊椎関節炎であり、強直性脊椎炎の他、乾癬性関節炎、ライター症候群、クローン病腫瘍性大腸炎などがあります。
仙腸関節炎の検査方法
強直性脊髄炎では単純X線にて仙腸関節の骨性融合と脊椎靭帯の骨化が、骨シンチグラフィによって初期より仙腸関節部の集積像が認められます。
血沈、CRPの亢進を認めるリウマチ反応は陰性です。
仙腸関節炎のX線分類の詳細
0:正常
1:疑わしい変化
2:限局した浸食像や骨硬化像
3:進行した浸食、骨化、裂隙の拡大または狭小化
4:完全強直
仙腸関節炎の治療方法
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を 主体とした保存療法が原則ですが、変形や強直が高度な場合には手術適用になることもあります。