産後の静脈瘤

 イーバランス整体の患者さんで、二人目を出産した時、左足のふくらはぎに静脈瘤ができてしまったそうです。夕方になると、ときどき血管が青く浮き出てしまうのです。痛痒い時 、つい掻いてしまうと内出血して、青黒くなります。

また、少しむくんでいるようにも思うとの相談でした。今回は産後の静脈瘤についてお話ししていきます。

産後の静脈瘤の原因は

妊娠中期以降になると、大きくなった子宮によって、足から上半身に向かう血流の流れが圧迫されるため、静脈瘤ができやすくなります。静脈瘤は足だけでなく、外陰部までできることもあります。

静脈瘤

産後の静脈瘤の改善方法

足の場合はメディカルストッキング・弾性ストッキング(薬局などで販売している医療のようなサポート力の強いストッキング)の着用といった治療法がありますが、外陰部の場合、そのような保存的な治療は行いたくないという困った問題があります。

家庭でできる改善方法としては、寝る時や休む時にクッションなどを用いて足を高く上げたり、メディカルストッキング・弾性ストッキングを着用するなどが挙げられます。

メディカルストッキング

静脈瘤が改善されない場合は

上記のようなことをして1ヶ月から2ヶ月間様子を見ても良くならない場合、または炎症を起こして痛みが出たりした場合は、必ず血管外科の専門医の診療を受けてください。

むくみは妊娠の影響のことも多いのですが、足の静脈のうち表面から見えない深いところを走っている深層静脈に血栓が起こると、その側の足に下肢の左右差がわかるほどのむくみが起こります。

通常 強い痛みを伴うような異常で、この深部静脈血栓症が疑われる場合は、緊急に治療が必要になります。出産後は忙しく、上にお子さんがいらっしゃる場合は、食生活にまで気を配る余裕がないかもしれませんが、まず塩分を控えめにし、外食や加工食品はなるべく取らないようにしましょう。

血管外科

妊娠と血栓症の関係性

エコノミークラス症候群という病名を聞いたことはありませんか?

これは、航空機で長時間旅行をした時(実際にはエコノミークラスに限らない)、長時間じっと足を動かさずにいた場合、足の静脈に血栓ができてしまい、それが着陸後に歩行開始した際に、血管内を流れて肺の血管に詰まり、重症な場合は死亡するというものです。

妊娠中の血液の凝固因子活性が高まり、たとえ航空機に乗らなくても同様のことが起こりやすい条件になっています。特に以前に血栓症にかかったことがある場合、肥満の場合は要注意です。

予防法としては、弾性ストッキングや適度な運動が挙げられます。片足だけが痛んだりむくんだりした場合は要注意で、すぐに血管外科等で受診しましょう。診断は血液検査や足の超音波検査が可能です。

エコノミークラス症候群

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