【出産・子育て16】おっぱい、ミルクから離れ、自分で食べる世界に一歩を踏み出すのが『離乳』です。離乳の役割と機能をして準備をしていきましょう。
離乳食は自分で食べる力を身につける練習です
離乳とは母乳ミルクの授乳で育ってきた赤ちゃんが、徐々に固形食から栄養を摂れるように練習することです。発達に合わせた離乳食によって赤ちゃんは自分で食べる力を身につけていきます。
離乳食の始めるスタートの時期は後から6月頃、離乳完了時期は一才から一才半頃が目安となります。
液体だけを飲んでいた赤ちゃんですから形のある食べ物を口にするのは劇的な変化です。 とろとろ状のおかゆ、すりつぶした野菜などを液体に近い柔らかいものから始めゆっくりと大人の食事へと近づけていきます。
1回食、2回食のうちは「食べることにな慣れる」のが一番の目的です。母乳、ミルクからも栄養が取れていますから、思うように進まなくても不安に思わないで大丈夫です。
赤ちゃんの様子を見ながら、「大らかな気持ち」で進めていきましょう。何よりも大切なのは離乳食タイムを笑顔で楽しく過ごすことですから、ストレスを感じずに気長に行きましょう。
これからずっと続いていく食生活の基本を作る大切な時期です。ママさんが「食べさせなきゃいけない」と真剣になるあまり険しい表情にならないように意識しながら、気長に離乳食をあげましょう。
そして食を通しての親子のコミュニケーションで赤ちゃんの食べる意欲を延ばしていきましょう。
赤ちゃんの発達に合わせて4つの時期に分けられます
赤ちゃんの発達成長に合わせてステップアップしていく離乳食。食べ物を噛む力、飲み込む力、消化吸収する力に加え、手指の機能、そして心まで、離乳のプロセスの中で赤ちゃんはぐんぐん成長していきます。
ここでは赤ちゃんの発達に合わせてごっくん期もぐもぐ期カミカミ期パクパク期という4つの段階に分けています。
それぞれの期におおよその月齢の目安がありますが、これはあくまでも目安となります。
先に進んだり戻ったりしながらゆっくり進んでいくのが離乳食です。
月齢だけではなく赤ちゃんの様子を見ながら、その子に合ったペースで進めていきましょう。
● 5~6ヵ月ごろ 離乳食スタート
● 7~8ヵ月ごろ モグモグ期へ
●9~11ヵ月ごろ カミカミ期へ
●1歳~1歳6ヵ月ごろ パクパク期へ
●離乳食完了から3歳ごろ幼児食へ
食材のバリエーションを少しずつ増やしていきましょう
離乳食のスタートは、赤ちゃんの未熟な内臓に負担の少ない、米がゆを1さじから始めます。
炭水化物に慣れたら特に野菜や果物それ低たんぱく質(豆腐・白身魚)とバリエーションを増やしていきましょう。
離乳食時期は味覚が育ち始める時期でもあります。甘味、酸味、塩味、そしてうまみ、様々な味を体験することで味覚の発達が促されます。
三回食になるカミカミ期からは、栄養バランスにも気をつけ色々な食材メニューを取り入れるようにしましょう。
といっても、この時期は食べなかったり嫌がったりすることもよくあります。
神経質になりすぎず、2~3日の食事でバランスが取れていれば OK と考えていいと思います。又、調理に工夫することも大切です。
繊維質の野菜は細かく刻んだり、パサパサしがちな肉や魚はとろみをつけたりと、ママのひと手間で、ぐーんと食べやすさがアップしていきます。
ママ・パパやおばあちゃん、おじいちゃんと美味しそうに食べている姿を見せるのもおすすめです。
食べる楽しさを感じられる雰囲気づくりを
離乳食は、赤ちゃんの体を育てるだけでなく、心も大きく育てるものです。見て、触って、口に運び、舌で味わい、よく噛んで、飲み込む離乳食を食べる時、赤ちゃんの五感はフル活動します。
時には、お皿に手を伸ばしてかき混ぜたり、離乳食を掴んで投げたりすることも…
ママにとっては困った行動ですが、実はこれも成長の証だと思いましょう。
食べ物の温度やかたさ、形状などを手で感じ料理に合わせた食べ方ができるようにと、学習しているのです。
険しい顔になるのをぐっとこらえて、ある程度赤ちゃんの好奇心を満たしてあげましょう。
ただ、赤ちゃんの離乳食が、遊びの時間になってしまっては困ります。
テレビは消して、おもちゃなどは片付けて、赤ちゃんが食べることに集中できる環境づくりが大切です。
また、パパママが一緒に食事をするのも効果的。家族みんなが笑顔で食事を囲むことで赤ちゃん自身にも食を大切にし、楽しむ土台が築かれていきます。
離乳食の基本的なルール
▶1・離乳食の味は薄味&脂肪分は控えめに作りましょう
とりすぎる塩分・脂肪分は赤ちゃんの内臓にとっては負担となります。最初は味をつけず離乳食が進んでからも、薄味・脂肪分控えめを守りましょう。
▶2・タンパク質は順番を守って食べさせます
タンパク質ははじめを作る大切な栄養素ですが赤ちゃんにとっては消化しにくい脂質が多く含まれるもの。
与える順番に注意してあげましょう。
▶3・離乳食はその子のペースで進めましょう
離乳食の進み具合は、個人差が大きいものです。
赤ちゃんの食べる様子やうんちの状態を見ながら、食材の量や硬さ調理の仕方に注意しながら進めていきましょう。
離乳食の役割を6つ紹介します
離乳食の役割は栄養補給だけではなく、将来の食生活の土台づくりでもあります。
離乳食タイムを楽しい時間にすることによって、「食事は楽しい!」という感覚を赤ちゃんには味わうことができるようになります。
豊かで健康的な食生活を身につけるための、基本と言っても良いでしょう。
離乳食の役割① 固形物を食べる練習
固形物を食べる動作というものは練習で習得していきます成長に合った食べる動作を段階を追って進めることで赤ちゃんはそれを徐々に身につけていくものです。
5ヶ月から6ヶ月頃は、舌を前後に動かして飲み込む力、7ヶ月から8ヶ月頃は、舌と上顎で潰して食べる、9ヶ月から11ヶ月頃は、舌で食べた物を脇に寄せ歯ぐきで潰して食べるなど、発達の段階を知っておくと、適切に対応できることができます。
離乳食の役割② 成長のための栄養補給
赤ちゃんは体を維持する分に加え、成長のための栄養を摂る必要があります。
月齢の低い赤ちゃんにとって、母乳やミルクは理想的な栄養ですが、5ヶ月から6ヶ月頃になり、消化と吸収能力が高まってくると母乳やミルクだけでは栄養不足し始めます。
また7ヶ月頃になると胎児期にママからもらった貯蔵鉄も底をついてしまうので、6ヶ月中には離乳食から栄養を取る練習を始めたいものですね。
離乳食の役割③ 噛む力を育てるトレーニング
赤ちゃんが固形物を食べられるようになるためには、成長の段階に合わせた大きさ、かたさの物を与えて噛む力を育てることが大切です。
そのためには食べたいという意欲を育てることも大切と言えるでしょう。
赤ちゃんの口の動きをよく見て、食べる意欲を引き出すような、その時期にピッタリのメニューを与えた方がいいと思います。
噛む力を育てることは離乳食の役割の中でも特に重要と言えます。じっくりゆっくりトレーニングしていきましょう。
離乳食の役割④ 食べ物の味・香りの経験
離乳食には食べ物の味や香りを経験させるという役割もあります。
味には甘味、塩味、うまみ、酸味、苦味、などがありますが、成長によって食材を広げていき、そのような味を少しずつ経験させて行きます。
赤ちゃん時代は舌にある味細胞(味の信号を受け取る細胞)が最も多いと言われています。
食材のおいしさを引き出す離乳食のメニューで、素材本来の味を十分に経験させて豊かな味覚を育みましょう
離乳食の役割⑤ 食べる楽しさの体験
美味しいと感じて幸せな気分になるのは大人だけではありません。
赤ちゃんは食べ物の味、香り食感以上に、ママの優しい眼差しや、声食卓の楽しい雰囲気を敏感に察知して、美味しさを感じています。
ママが遊び食べの為に、イライラしたり食べないことに強い不安を持っていると、赤ちゃんは敏感に感じるものです。
リラックスして食事をとりましょう。
3回食に進む頃からは、家族で食卓を囲むといいですね。
離乳食の役割⑥ 和食をベースにした食文化の経験
離乳食の役割はどこの国でも同じですが、食の基本は風土に沿ったものを食べる事です。
その国の人が、昔から食べている料理をベースに展開し、食文化を親から子へと伝承していくことも大切です。
和食は世界中が注目する健康食です。
今問題になっている肥満や生活習慣病の原因の一つは、食生活の欧米化にあると言われています。
赤ちゃんの将来の健康のためにも家族みんなで和食を取る習慣を付けていきましょう。
赤ちゃんの食物アレルギーの基本知識
赤ちゃんの宿を考える時食物アレルギーについての基本情報をきちんと知っておくことが大切です。
『特に気をつけたい5大アレルゲン』
アレルギーの発症例が多くしかもショック症状など重い症状が現れやすいための5大アレルゲンと呼ばれています。
① 卵:
鶏卵は赤ちゃんの食物アレルギーの原因になることが多く症状を起こす0歳児の約60%のアレルゲンとなっています。
②牛乳:
牛乳がアレルゲンの時はアレルギー用ミルクで代用しましょう。
③小麦:
食物アレルギーの0歳~1歳児の約7%の原因抗原となっています。
④落花生:
誤飲すると肺に入って肺炎を引き起こす心配もある食品なので、赤ちゃんには食べさせない方がいいでしょう。
⑤そば:
強いアレルギー症状を引き起こす心配がある食品なので、家族のアレルギー歴などのリスクがない場合でも、そばを赤ちゃんに与えていいのは、1歳以上からにしましょう。
他に、次の食品もアレルゲンになる可能性がありますので、慎重に食べさせます。
桃、リンゴ、バナナ、オレンジ、キュウイフルーツ、ゼラチン、豚肉、牛肉、鶏肉、サバ、サケ、エビ、カニ、大豆、山芋、いくらなど
初めての食品デビュー3つのルールとは
アレルゲンかどうかを見定めるためにきちんと心得ておきたいルールだと思います。
ルール①:初めての食品はひとさじから様子を見ながら進めましょう。
初めて与える食品はひとさじからが大原則です。
たくさん与えるとアレルギーになった場合、アレルギー症状がより強く出てしまいます。
また1日に初めてのものを2種類以上与えないようにしましょう。
ルール②:嫌がったら要注意です!赤ちゃんの自己防衛かもしれません
口に含ませた時、赤ちゃんが嫌がったら注意が必要です。
単に口に合わない場合もありますが、口の中がピリピリするなど違和感を感じていることがあるからです。
無理に食べさせず、様子を見ながらじっくり見定めましょう。
ルール③:変わった食品を早くから食べさせないようにする
消化・吸収能力がまだ未熟な『食』の練習段階で、変わった食品に挑戦する必要はありません。
わざわざ食べなくても良い食品は数多くあります。心配が少ない無難なものから始めましょう。