腰痛の種類はその痛み方だけでも独特です
お腹が痛い時に「腹痛」と言っても人により「キリキリ痛む」、「ズーンと重痛い」、「刺すような痛み」、「便がくだって痛い」たくさんの原因があります。腰痛と言っても、それは「ただ腰が痛い」という症状を持っているに過ぎません。腰痛というだけでは、その本質を何も語ってはいないのです。
しかも、ひとくちに腰痛と言っても、様々な痛みがあります。 腰痛の原因や 種類は腰の数ほど、というのは大げさでしょうけれど、十人十色、百人百様、 腰の数ほどあるというのは、言い過ぎではないのかもしれません。
静かにしてれば痛まない腰痛、動いてるほうが気にならない腰痛、ある方向に腰を動かした時にだけピリッと痛む腰痛、くしゃみをすると飛び上がるほど痛い腰痛、お尻から足までひびく腰痛、年がら年中ズキズキ痛む腰痛、まだまだあります。波のように時間的に押し寄せてくる腰痛、膀胱や陰茎にまでひびく腰痛、朝起きた時にだけ感じる腰痛、寝ても覚めてもつらい腰痛、夜中に一層強くなる腰痛など、本当に千差万別です。
痛みと神経痛は、神経に感知され脳に伝わる
ところで、よく筋肉痛とか関節痛、神経痛などという言葉を聞きますが、腰痛とはどういう関係にあるのでしょうか?
痛みの仕組みは後で詳しく述べますが、痛みは、普通、神経の先端が察知して、最終的には脳で痛みとして感じます。神経の先端では感覚受容器というセンサーになっていて、これがスイッチの働きをしています。
筋肉が痛いと感じても、関節が痛いと感じていても、骨が痛いと感じていても、全て、筋肉や関節、骨にあるセンサーがアラームを鳴らして、それを脳で痛みとして感じているのです。
では、なぜ筋肉痛とか関節痛とか神経痛などの言葉があるのでしょうか?それは、筋肉に原因がある場合には、筋肉にあるセンサーが、関節が原因であれば関節にやるセンサーが、骨が問題であれば骨にあるセンサーが、それぞれアラームを鳴らして、それぞれ神経の先端であるセンサーが異常を察知しているのです。
では、神経痛とは、どこが違うのでしょうか?神経痛は、痛みのセンサーとなる神経そのものが、傷ついたりと圧迫されたり、ウイルスに感染したりなどと、神経だけに問題があるときに現れる痛みなのです。
腰痛と神経痛は障害された部位により腰痛の種類も分かります
腰痛に話を戻しますと、では、いったい腰痛は筋肉痛なのでしょうか?神経質なのでしょうか?
腰の構造のところで説明したように、腰は、骨、関節、軟骨、靭帯、筋肉、神経、脊髄、馬尾神経、坐骨神経、神経根などから成り立っています。
そこで、不具合の生じている場所によって、神経痛になったり、関節痛になったり、神経痛になったりと様々なのです。しかし、現実には純粋に筋肉だけとか、関節だけとか、神経だけなどある部分だけが傷んでいることは少なく、多かれ少なかれ筋肉も、関節も、神経も障害を受けています。
ですから、実際にはそれらが少しずつ混ざりあって色々な腰痛になるのです。
坐骨神経痛と腰痛は腰椎から出る坐骨神経が下半身の筋肉を支配しています
また、腰痛と密接に関係する痛みとして、「坐骨神経痛」があります。坐骨神経痛は、大部分は腰椎から出てくる神経から成り立っていて、大腿、ふくらはぎ、足、足の指、お尻の筋肉などの知覚や運動を支配しています。
坐骨神経に異常があると大腿、ふくらはぎ、足、足の指、お尻の周辺などにしびれを感じたり、それらがが痛んだり、足の筋力が低下したりと、腰以外の部位にも、様々な症状が出てきます。このように坐骨神経のどこかに問題があっても痛みが出る場合を、坐骨神経痛というのです。
ですから、腰椎の周辺に何らかの異常があると、その腰痛には坐骨神経痛を伴うことがよくあります。