猫背により肩甲骨の動きが悪くなります。そのことにより肩こりや首の痛み、背中の症状が現れます。
その他肩甲骨の動きで関係してくる四十肩や五十肩、そして腕のしびれなども関係しています。
今回はその肩甲骨の動きの悪さと四十肩や五十肩、腕のしびれの関係性とメカニズムを紹介していきます。

肩甲骨と四十肩・五十肩の関係性とメカニズム
四十歳を過ぎる頃から四十肩・五十肩に悩む人が多いです。これは肩こりとは別腫の症状で四十肩・五十肩とはまた別の原因となります。
肩こりは首や肩の筋肉がこわばることによって起こる、だるさや痛みです。対して、四十肩・五十肩は肩関節の周辺組織に起こる炎症です。
四十肩・五十肩|肩関節周囲炎とは
「四十肩・五十肩」の正式名称は「肩関節周囲炎」と呼ばれています。大抵の場合、片方の腕だけで起こります。腕を上げたり、後ろに回したりしようとすると、強い痛みが肩に走るのが症状の感じ方です。
そのため、可動域が大幅に減ってしまうのが特徴です。シャツの 袖に腕を通す、上にあるものを取る、髪を洗う、ブラジャーのホックを留めるなどの日常動作が不自由になります。就寝中寝返りを打ったら、激痛で目が覚めるといったケースもあります。
原因は肩こりや背中のコリにより、肩甲骨の動きが悪くなり肩関節に負荷がかかったり、加齢による筋肉や、関節の変性と、血液循環の悪化が一因だと言われています。また、運動不足の人が発症しやすいこともわかっています。
もちろん、悪い姿勢による首や肩への負担も大きく関係していると言えるでしょう。なお、四十肩・五十肩は時間経過とともに少しずつ症状が変化します。最終的には痛みも軽減し可動域も広がり、治癒するケースがほとんどです。とはいえ、それには半年間、長ければ数年かかることもあります。
肩甲骨と四十肩・五十肩の原因と関係性
猫背により背中が丸まり、肩甲骨に付随する筋肉が固くなります。肩甲骨の動きが悪くなれば、肩関節に負担がかかります。僧帽筋や肩甲挙筋、その他ローテーターカフ(回旋腱板)の棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋にも負担がかかり、肩関節に炎症が起こります。
そのことにより、先ほどの日常生活の腕の動きに制限がかかってしまいます。その対処法としては、適切なストレッチにより回復が早まることがあります。
しかし、早く治そうとして、何度もストレッチしたり、強く激しくストレッチしたり、痛い部分を重点的に筋トレしたりすると逆効果です。片腕が動きづらい時には無理せず、痛みのおこらない範囲で伸ばすことが大切です。

腕のしびれは頚椎の変位につながります
首の骨は「反らしすぎる」のも危険です。前かがみになった状態で。顔を正面に向けようとすると、あごを前に突き出さなくてはなりません。このとき、首の骨は不自然に反っている状態になります。
すると、頚椎に悪影響が起こります。頚椎は7個の椎骨が積み重なってできています。頚椎の中央には脊柱管という空洞があり、そこを「脊髄」という太い神経が通っています。脊髄から枝分かれした神経は、それぞれの椎骨の間を通って肩と背中へ、そして 腕から指へとつながっていきます。
この神経をコリにより圧迫されたり痛めてしまうと、肩こりとはまた別の症状が出てきます。首を回したり肩や腕を動かした時に、腕にピリッと痺れるような感覚が走るとしたら要注意です。
それは神経からくるしびれです。神経の症状としてよくあるのは、頚椎のどうしのクッション役を果たしている椎間板が外に飛び出して、神経が圧迫される「頚椎間板ヘルニア」と呼ばれるものです。
首の痛みと、腕のしびれが起こります。首をそらすことができなくなるので、上を向く動作の時に苦痛を覚えがちです。「頚椎症性神経根症」も似た症状ですが、こちらは首の骨の変形によって起こります。
50歳代以上によくみられるのが特徴です。いずれの場合も、症状が現れるのは片腕のみですが、重症化すると脊髄までもが圧迫され、両腕ときに両足までしびれる「頸椎症性脊髄症」を引き起こすこともあります。
たかが「しびれ」と軽く思わず、背中のバランスや肩や首のバランスを整えるのと肩甲骨の動きを良くするのはとても大切です。肩甲骨の可動域を広く保つのを心がけましょう。
