前回は膝窩筋の解剖を紹介しましたが、今回は膝窩筋の触診方法とほぐし方やマッサージ方法を詳しく解説します。
その他、膝窩筋の筋トレ方法やストレッチ方法も紹介しますのでご参照ください。
膝窩筋の触診方法
膝窩筋は腓腹筋の外側頭と内側頭の奥にあるので直接触れることはできません。しかし、膝窩筋の起始部と停止部をしっかり把握しておけば感じる事ができます。
肢位: 患者さんには腹臥位になってもらいます。(膝は軽く屈曲してもらいます)
1:患者さんの横に大腿部に面して立ち、指先で脛骨内側顆を確認します。
2:膝窩の遠位縁で指先を軽く曲げ、脛骨の後面を確認します。
注意:膝窩は膝窩動脈、膝窩静脈、脛骨神経、腓骨神経、リンパ節が含まれています。これらの組織を避けるため 、触診は遠位縁近辺で行いましょう
3:膝窩筋斜走線維を大腿骨外側顆方向にたどります。
4:筋肉の場所を確実に把握するために、足部を中間位にして、負荷を加えながら患者さんに膝の内旋をしてもらいます。
膝窩筋のほぐし方・マッサージ
膝窩筋は「膝窩動脈」や「膝窩動脈」に加えてたくさんの「リンパ節」が集まっているデリケートな部分であるため、膝窩筋は触診やマッサージをするのが難しい筋肉です。下記の方法で膝窩筋をほぐしていきましょう。
・膝窩筋は圧迫療法でマッサージしてほぐしていきます。
1:患者さんは治療する方の足を上にする側臥位になり、そして膝関節をわずかに屈曲させます。
2:施術者は患者さんの膝の位置に立ちます。
3:患者さんに近い方の手を膝窩部に当て、拇指を膝関節の遠位内側にあて腓腹筋を外側へ押し、膝窩筋に触れます。
4:しっかりと組織を押圧し、圧痛点を探しましょう。膝窩筋を確認出来たら、押さえて リリースしましょう。
注意:膝窩中央を走る膝窩動脈と脛骨神経の圧迫は避けましょう
膝窩筋を鍛える筋トレ方法
膝窩筋の筋トレ方法は、鉄棒などにぶら下がって膝を屈曲させると、この膝窩筋を集中的に鍛えることができます。
ウォーキングやランニングも強化のためには良いでしょう。また、膝の内旋と屈曲に対して同時に抵抗の負荷をかけるような筋トレでも膝窩筋は鍛えられます。
膝窩筋のストレッチ方法
膝窩筋のストレッチはなかなか難しいのですが、膝の屈曲と伸展を繰り返しながら筋に「圧迫を加える圧迫ストレッチ法」がよく用いられます。
他には股関節を屈曲させずに他動的に膝関節の完全伸展を行うとストレッチできます。また、質関節を20度から30度屈曲させて多動的に下腿を完全に外旋させてもストレッチできます。