長撓側手根伸筋の筋トレ『2種』とストレッチ『16種』を紹介します
デスクワークのパソコン作業でキーボードやマウスを握り、いつも酷使している筋肉です。キーボードを打つときに指先が巧妙な動きをするのは、この前腕部分にあるたくさんの筋肉が複雑に重なり合っているからです。
ストレッチする時には、ねじり、ひねりを加えた姿勢の方が、ストレッチしやすくなります。肘を伸ばした時と曲げた時では、伸ばされる(ストレッチされる)筋肉が少し違います。
少しずつ体重をかけ、気持ちいい所まで伸ばしていきましょう。その他、肩こりや首の痛み、頭痛、猫背、野球肘、テニス肘、四十肩、五十肩の予防にもなりますので、この長撓側手根伸筋を初め、前腕の伸筋群を伸ばすストレッチをご参照ください。
長橈側手根伸筋の筋トレやストレッチ
長橈側手根伸筋のの鍛え方やストレッチをご紹介する前にこの筋肉がどんな役割をしている筋肉か知っておく必要があるでしょう。その上で筋トレやストレッチをした方がより効率的で効果があらわれやすくなると思います。
長橈側手根伸筋は短橈側手根伸筋や尺側手根伸筋と同様、手首の強力な伸筋群のひとつです。特に前腕が内転位にある時は、手首の伸展力や固定力はこれらの筋肉の強さに依存しています。
例えば、テニスのバックハンドでこれらの筋肉は強く収縮します。
長橈側手根伸筋どんな役割?
長橈側手根伸筋は、上腕骨の外側顆上稜に比較的広く付着する筋肉です。これらは最も外側に位置する手関節伸筋で、腕橈骨筋の後方、かつ内側に位置しています。
ヴィジュアル機能解剖学 南江堂
長橈側手根伸筋は短橈側手根伸筋や尺側手根伸筋とともに、力強い関節の伸筋群として用いられています。先ほどお話ししたテニスのバックハンド以外に、例えばブリーフケースを持ち上げるように回内位で物を持ちあげる時に力を発揮しています。
長橈側手根伸筋は、短橈側手根伸筋や橈側手根屈筋と共に、手関節を撓屈(もしくは外転させます)。この働きはしゃべるを使ったり、円盤を投げる時に不可欠となる筋肉です。長橈側手根伸筋は上腕骨の顆上稜より前方に付着しています。 この位置にあることで、肘関節屈曲と前腕の回外を可能としています。
長撓側手根伸筋の筋トレ2種類紹介
ダンベルリバースリストカール
●前腕の伸筋群を鍛えるダンベルリバースリストカール方法を紹介
手首指関節をそらす動きで、前腕から手の甲にかけての前腕新筋群を鍛えることができます。
ダンベルを下ろす局面において、手関節をまたぐ前腕伸筋群がエキセントリック筋活動で、ダンベルを支えたまま鍛えることができます。
1:手の甲を上に向けて台に前腕部を置きます。 両手にダンベルを持ち、台や机に前腕部を置きます。手の甲を上に向けて手首から先を台から出し、手首を折り曲げてダンベルを下します。
2:手首を返してダンベルを持ち上げます。①の 状態から手首を返してダンベルを持ち上げます。肘が動かないようにしっかり固定し、手首の動きでダンベルを上げていきます。
3:手首を曲げてダンベルを下します
②の状態から当然手首を曲げてダンベルを下します。手首をしっかり曲げることで前腕の伸筋群を鍛える筋トレななります。
リバースリストカール
●太ももに前腕部をの乗せるリバースリストカールを紹介
椅子に座り、前腕をを太ももに乗せて行う前腕伸筋群を鍛える筋トレ方法です。
1:太ももに前腕をおきます。
手の甲を上に向け、太ももに前腕部を乗せます。
2:手首を返してダンベルを上げ、 前腕伸筋群を鍛える筋トレをします。
前腕伸筋群のストレッチ『16種類』
●前腕の伸筋群をストレッチさせる方法は、肘関節を伸展させて手関節を屈曲させます。ここでは、いくつかの前腕伸筋群をストレッチさせる方法を紹介していきます。
前腕(前腕伸筋群)のストレッチについて
●前腕伸筋群は、前腕の外側手の(甲側)にある上腕を伸展させるための筋肉群のことです。主に手首をそ反らしたり、曲げた指を伸ばす働きがあります。
前腕屈筋群と同様に、肘から手首までまたぐ多関節構造の筋肉と、一つの関節のみをまたぐ単関節構造の筋肉があり、伸ばし方も多様となります。
前腕伸筋のストレッチのメリットは?
●主に手首や指を伸ばす働きを行う前腕伸筋群…それは手先を使うパソコン作業なので酷使されている部位であります。
今となってはパソコン作業、スマホの検索やSNSで、日々酷使されている前腕伸筋群は地味にストレスになり、肩こりにもつながっいてます。ストレッチでよくほぐして、コンディションを良くしておけば、デスクワークでの仕事効率も上がるはずです。
前腕伸筋群のストレッチ①
▶肘を伸ばして手首と指を曲げストレッチ
ヒジを伸ばしたまま、指先を持って手首と指の両方を曲げていきます。この方法では、肘から指先までまたぐ長い筋肉が伸びてストレッチされます。手首だけではなく、指もしっかり曲げて丸みをつけていくのが上腕の伸筋群のストレッチのポイントです。
前腕伸筋群のストレッチ②
▶肘を曲げて手首と指の上腕伸筋群を伸ばします
肘を曲げて行うと肘をまたぐ筋肉が緩むので、手首と指の関節のみをまたぐ筋肉が伸びやすくなります。
前腕伸筋群のストレッチ③
▶指を曲げずに長い筋肉以外を伸ばしストレッチ
あえて指を曲げずに行うことで、指まで長く伸びる前腕の新筋群の筋肉を緩め、それ以外の前腕の筋肉を集中的に伸ばしてストレッチすることができます。
前腕伸筋群のストレッチ④
▶肘を伸ばした状態で手首と指を同時に曲げるストレッチ方法です。肘を伸ばした状態で、指と手首を一緒に折り曲げ、肘関節、手関節、指の関節をまたぐ上腕後面の二関節筋や三関節筋をストレッチします。
椅子に座り、状態を安定させてストレッチしましょう。
POINT:5本指を束ねるようにもう片方の手でつかみ、手首と指の付け根を一緒に折り曲げます。前腕から指先が『コの字』になるくらいまで折り曲げていくと、前腕の伸筋群がストレッチされるでしょう。
前腕伸筋群のストレッチ⑤
▶床に手をついて手首を強く投げる前腕伸筋群を伸ばすストレッチ方法
両肘を伸ばした状態で手の甲を床に押し付けとので手首を強く曲げるストレッチ方法です。
手関節を伸ばす働きと、肘関節を曲げる働きを併せ持つ二関節を中心に伸ばすことができるストレッチです。
前腕伸筋群のストレッチ⑥
▶両肘を曲げた状態で指を床に押し付け、指の付け根と手首を折り曲げるストレッチ方法です。
指の関節と関節を伸ばす前腕の伸筋群を伸ばすストレッチ方法です。
前腕伸筋群のストレッチ⑦
▶指と肘を伸ばした状態で手首だけを曲げるストレッチ
指と肘を伸ばした状態で手首だけを曲げる方法です。指と肘を伸ばすことで、指先まで長く伸びている長指伸筋などが緩むため、それ以外の伸筋群を集中的に伸ばせることができます。
POINT:ストレッチする腕の肘を伸ばし、もう片方の手で手の甲をつかみ、指を曲げずに手首だけを折り曲げるてストレッチをします。動作中に、肘が曲がらないように注意しましょう。
前腕伸筋群のストレッチ⑧
▶肘を曲げた状態で手首と指を曲げます
肘を曲げ、ヒジをまたぐ前腕の伸筋群を緩めた状態で東店指と手首を一緒に折り曲げ、指の関節と手関節を伸ばす働きのある、前腕伸筋群を中心にストレッチする方法です。
POINT:ストレッチする腕の肘を曲げ、五本指を束ねるようにもう片方の手で掴み取れん手首と指の付け根を一緒に折り曲げますまる前腕から指先が『コの字』になるくらいまで折り曲げて 、前腕の伸筋群のストレッチをしましょう。
前腕伸筋群のストレッチ⑨
▶指と肘の関節を緩めて、手首だけを曲げます
指を伸ばして肘を曲げた状態で、指の伸展と肘の屈曲に働く筋肉群を緩め、手首だけをストレッチする方法です。
指関節を伸ばす(手首を返す)働きになる単関節筋を、集中的にストレッチします。
POINT:ストレッチする腕のひじを曲げ、もう片方の手で手の甲をつかみ、手首を折り曲げましょう。
手の甲を持っている手を、ストレッチする腕で押すと、手首をしっかり曲げることができ、ストレッチになります。
前腕伸筋群のストレッチ⑩
▶椅子に座り手の甲を椅子の座面につけます
指先が体の外側に向くように腕を小指側に祈りますまるそして後ろに体を傾け、前腕筋の伸筋群をストレッチしていきます。
前腕の手の甲の側が体重をかければ、かけるほどストレッチされます。
同様に肘を少し曲げて行うストレッチ方法です。こうすることで、また違った前腕の伸筋群の筋肉もストレッチされます。
前腕伸筋群のストレッチ⑪
▶肘を伸ばして手首を曲げる前腕伸筋群のストレッチ
肘を伸ばして、手首を反対の手で手のひら側に曲げてキープします。
反対側の手首も同様にストレッチして前腕の伸筋群をストレッチしましょう。
前腕伸筋群のストレッチ⑫
▶肘を伸ばして手首を小指側に曲げるストレッチ方法
肘を伸ばし、反対の手で手首を小指側に曲げてキープし、 ストレッチします。反対側の手も同様に行います。
前腕伸筋群のストレッチ⑬
▶肘を曲げて手首を曲げるストレッチ方法
肘を軽く曲げて、 手首を曲げます。反対側の手も同様に行います。
前腕伸筋群のストレッチ⑭
▶肘を曲げて手首を小指側へ曲げるストレッチ方法
肘を軽く曲げて、手首を曲げます。反対側の手も同様に行います。
前腕伸筋群のストレッチ⑮
▶前腕を時計回りにねじる前腕伸筋群のストレッチ方法
肘を曲げ、手首を時計回りにねじります。反対側の手も同様に行います。
前腕伸筋群のストレッチ⑯
▶前腕を反時計回りにねじる前腕伸筋群のストレッチ方法
肘を曲げ、手首を反時計回りにねじります。反対側の手も同様に行います。
名前の由来
長橈側手根伸筋の「長」はこの筋肉が短橈側手根伸筋に比べて長く、橈側はこの筋肉が前腕の橈側側を走行してることをそれぞれ意味しています。
また「手根」は手首を示し、「伸」はこの筋肉の機能が伸展であることを示しています。
位置と起始部と停止部は?
位置はどこ?
長橈側手根伸筋は前腕の後面の近位2/3の表層にあります。
起始部
上腕骨の外側顆上稜
停止部
第2中手骨底の背側
大きな特徴とは?
長橈側手根伸筋は手指が屈曲する際に、二つの伸筋と共同してい手関節を固定する重要な役割があります。
マッサージのための機能解剖学
手関節を屈曲させたまま手指を屈曲させましょう。次に、手関節を伸展させて手指を屈曲させてみてください。
手関節が伸展位にあるほうが手指の屈曲が簡単なことが分かるはずです。すなわち、手指の屈曲に際しては、手関節伸筋がアイソメトリックに収縮して手関節を固定することで、手指の屈曲をしやすくしているのです。
このことは手指の屈曲を繰り返すと、手関節伸筋も繰り返し使われることを意味し、伸筋腱の炎症につながります。なお、この手関節を完全に伸展すると、で指の屈曲はかえって難しくなります。
どんな作用をするの?
長橈側手根伸筋は手首の後ろ側を通っているため、手の甲が前腕の後ろ側に筋肉が作用すると手首を反らす(伸展)作用があります。
またこの筋肉は手の甲の親指側を通っているので、第2中手骨を橈側へ引き付けて、手関節を撓屈(外転)させます。
・手関節の伸展
・手関節の撓屈(手関節の外転)
・肘関節の屈曲の補助
・わずかな前腕の回外作用
触診方法とほぐし方
手首の前面や外側で第2,3の中手骨のライン上で触診することができます。また、手関節伸筋を一つの筋肉の束として考えて触診することは簡単です。
上腕骨外側上顆から前腕にかけて触診すると、前腕後面の近位に筋肉の組織を感じるでしょう。長橈側手根伸筋のマッサージ方法としては、長橈側手根伸筋の起始腱を強擦することがこの筋肉を緩めるために有効的なマッサージ方法です。
また、筋腹に対しては軽擦法、四指揉捏法、強擦方が効果的です。
今回は下記のような長橈側手根伸筋の触診方法とマッサージやほぐし方を解説していきます。
長橈側手根伸筋の触診方法
前腕にある長橈側手根伸筋の伸筋群は、手首を過伸展させて触診します。筋肉の束の構造は半羽状で、筋線維の走行は筋肉に対して平行です。今回は下記のような触診方法を紹介していきます。
肢位:患者さんは仰臥位に寝てもらいます。患者さんの前腕は中間位(親指が上になる)になってもらいます。
1:他動的に肘を曲げて撓屈(前腕を外転)させて組織を弛ませます。
2:施術者は患者さんの横、腰の位置に座ります。
3:外側上顆を拇指で確認します。
4:拇指を遠位にずらし、長橈側手根伸筋に当てます。
5:患者さんの肘関節伸展、手関節撓屈(手関節外転)に対して負荷をかけながら、適切な位置を確認します。
マッサージやほぐし方
前腕伸筋群のほぐし方①
1:患者さんに背臥位をとってもらいます。前腕と手を回内し、わずかに曲げます。
2:施術者は患者さんの横、腰の位置に立ちます。(座っても可能です)
3:一方の手で患者さんの手を押さえ、腕と手首を固定します。
4:もう一方の手の拇指を手首の上、尺骨頭(遠位端)の近くに当てます。
5:拇指を少し撓側に移動し、この動きを繰り返し、前回の動きと平行するラインに沿って、拇指を上腕骨(肘の方)まで滑らせます。
6:平行線に沿って、前腕伸筋(背面)を全て施術するまで同じプロセスを繰り返して前腕新筋群をほぐします。
前腕伸筋群のほぐし方②
1:患者さんには背臥位を取ってもらいます。
2:施術者は患者さんの横の腰の位置に立ちます。
3:指関節または手根を患者さんの手首の背側に当てます。
4:しっかりと前腕の伸筋群を押圧し、指関節または手根をゆっくりと前腕伸筋の筋肉に沿って、肘を超えて上腕骨まで滑らせます。
長橈側手根伸筋のその他の詳細
硬くなる、弱くなる症状は?
・硬くなる(短縮):手首を反らす動きに制限がかかり可動域が狭くなります。
・弱くなると(伸長):長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋が弱くなると、手首を反らす動きや撓屈に力強さが無くなります。
共働筋
拮抗筋
関連痛領域
肘の表面
手の背側外側面
前腕の背側
その他の検査対象筋
・短橈側手根伸筋
・回外筋
・示指伸筋
・上腕筋
・棘下筋
・上後鋸筋
・斜角筋
神経支配と血管供給
・支配神経
橈骨神経 C5~T1
・血管供給
橈骨動脈、橈側反回動脈