今回は腹横筋の機能と役割や位置、起始部と停止部、痛みをとるマッサージ方法、ほぐし方、筋トレやストレッチダイエットなども徹底解説します。
腹横筋を鍛える筋トレやストレッチ
腹横筋の鍛え方やストレッチをご紹介する前に、この腹横筋がどのような役割や作用をしている筋肉かや、起始部停止部なども知っておく必要があるでしょう。その上で筋トレやストレッチをした方がより効率的で効果があらわれやすくなると思います。
・腹横筋の筋トレ・ストレッチは内腹斜筋とほぼ同じです。
腹斜筋の腹斜筋の筋トレ18種類はこちら 》
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腹横筋はどんな役割?
腹横筋は咳や激しい運動時の呼気の時に主に働く筋肉ですが、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋と一緒にお腹が出ないよう引っ込めておく役割があります。
腹横筋を鍛えるには、立位か背臥位で、腹筋をアイソメトリック収縮させ、壁か床に腰を力いっぱい押し付けるような、エクササイズがいいです。最大限に息を吸って、胸郭を状態を維持することで、ストレッチ作用が生じます。
名前の由来
腹横筋の「腹」は腹部を、また「横」は筋線維が水平方向に走行しているのを示しています。
英語の書き方・意味は?
『Transverse Abdominis』・Trans:ラテン語の「~を横切って」・verse:ラテン語の「回転」・Abdominis:ラテン語の「腹部」を意味しています。
位置と起始部と停止部は?
腹横筋の位置
腹横筋は腹壁の外側で深層にあります。
腹横筋の起始部
鼡径靭帯の外側、腸骨稜、胸腰筋膜、第7~10肋骨軟骨と第7~12肋骨の内側面
腹横筋の停止部
腹直筋鞘、白線
腹横筋の作用、機能の詳細
・呼気運動の補助
・腹部の臓器の圧迫と支持
腹横筋は腹筋群でもっとも深層にあります。この筋線維は水平に走行し、脊柱から白線までの腰の周りを囲んでいます。腹横筋は「動作を生じる動作がない」という意味で独特な筋肉です。
その作用がない代わりに、腹圧の内圧を上昇させるという機能によって、この筋肉は特徴付けられます。腹横筋は腹筋膜で内腹斜筋、外腹斜筋と交わっています。腹筋膜とは強い結合組織の層であり、腹直筋の表層に位置し、前方は白線につながります。
腹横筋の収縮は、腹腔内の臓器や内容物を圧迫します。その結果、上昇する腹腔内圧は三つの役割を果たしています。
1・強制呼吸運動時に空気を吐き出す事を助けます。
2・尿や便などの腹腔内容物の排出や、嘔吐時の胃内容物の排泄を助けます。
3・人の動きにとって最も大切である腰椎の支持と保護を行います。この最後の機能から、腹横筋は別名「解剖学的ウエイトベルト」と呼ばれています。
ヴィジュアル機能解剖学 南江堂
強く機能的な腹横筋は、重い物を持ち上げる際に、損傷予防のために身につける厚いベルトと同じ役割を果たしているのです。
大きな特徴は?
腹横筋がアイソメトリック収縮することで、下位胸椎と腰椎を支持しています。重量物を持ち上げる際や、その他の背筋が強く働くような動作の際には、脊柱を安定させるために腹部の筋が収縮しています。
マッサージのための機能解剖学
実際、重力に抵抗してバランスを取る必要がある動作のほとんどで、まず始めに腹横筋が収縮します。
腹横筋の触診方法
腹横筋の触診方法は、腹壁の前外側でも最も深層にある筋肉なので直接は触診ができないとされています。
しかし下記のようにな触診方法でしたら、間接的ですが腹横筋を触診できるでしょう。
肢位:患者さんは仰臥位に寝てもらいます。
1:患者さんの横に立ち、腹部の方を向きます。腸骨稜の最も外側部に片方ずつ手掌を置きます。
2:手を腸骨稜と胸郭の下端縁に向かって下方に動かします。
3:腰回りを覆い、水平に走行する腹横筋の筋線維を確認します。
4:適切な位置を確認するため、患者さんにゆっくりと、ヘビのように「シューシュー」と息を吐いてもらう。
腹横筋の整体、マッサージやほぐし方
腹横筋のほぐし方・ストリッピング
腹横筋は腹壁の前外側で最も深層にある筋肉ですので、この位置では筋肉を押し込むときに、土台となる骨がないので強擦方はとても難しい腹横筋のマッサージ、ほぐし方です。
下位の5本の肋骨と腸骨稜に向かって、この腹横筋を圧迫することはできますので、四指圧法、拇指圧法、圧迫法をお試しください。
しかし、強擦法よりも軽擦法や振せん法が、この腹横筋に対してより簡単に用いることができるマッサージ方法、ほぐし方です。
腹横筋の鍛え方、筋トレ方法
腹斜筋とほぼ同じですのでこちらをご覧ください
腹横筋のストレッチ方法
腹斜筋とほぼ同じですのでこちらをご覧ください
腹横筋のその他の詳細
硬くなる、弱くなるとどうなる?
・硬くなる(短縮):深く吸うことの機能低下が起こります。
・弱くなる(伸長):腹壁を内側に押し込むような、瞬発的な吐き出す力(咳、くしゃみ、吐く力、出産、排便)の力が低下します。
共働筋
・腹横筋には共働筋はありません。
腹横筋の拮抗筋
・腹横筋には拮抗筋はありません。
関連痛領域
・前肋骨弓に沿って、前肋骨弓の間
その他の検査対象筋
・腹直筋
・外腹斜筋
・内腹斜筋
神経支配と血管供給
・支配神経:
第7胸神経~第1腰椎神経の前枝
・血管供給
肋下動脈、肋間動脈