今回はその外腹斜筋を機能と役割や外腹斜筋の位置や起始部と停止部、痛みをとるマッサージ方法、ほぐし方なども徹底解説します。
お腹の横の外腹斜筋を鍛える筋トレやストレッチ
外腹斜筋の鍛え方やストレッチをご紹介する前に、この外腹斜筋がどのような役割や作用をしている筋肉かや、起始部停止部なども知っておく必要があるでしょう。その上で筋トレやストレッチをした方がより効率的で効果があらわれやすくなると思います。
・外腹斜筋のストレッチ・筋トレ方法は内腹斜筋と同じです。
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外腹斜筋はどんな役割の筋肉?
左右にある外腹斜筋は、腰部の回旋にあたっては別々に動きますが、腰部の屈曲に際しては左右が同時に収縮して、腹直筋の働きを助けます。例えば、両手を頭の後ろで組んでシットアップ(上体起こし)をする時、左肘が右膝にタッチするように、腰を右に回転させて捻りながらこの筋力トレーニングを行えば、左の外腹斜筋が非常に強く収縮します。逆に、腰を左に回旋させながら行えば、右の腹斜筋がより鍛えられます。
外腹斜筋は左右別々にストレッチをします。右側の外腹斜筋をストレッチするには、大きく左側屈をして伸展するか、あるいは右方向へ大きく回旋をして伸展します。これとは反対の動きによって、左側の外腹斜筋をストレッチできます。
※筋肉の起始と停止は解剖学のでは、逆に記述されているものもありますが、ここでは特によく動く骨格があの部分を停止部としています。
名前の由来
外腹斜筋の「外」はこの筋肉が内腹斜筋の浅層にあることを示し、また「斜」は筋線維が斜めの方向に走ることを示しています。この外腹斜筋の筋線維は内下方に向かって走行しています。
英語の書き方
『External Oblique』・External:ラテン語の「外側」・Oblique:ラテン語の「斜め」を意味しています。
位置と起始部と停止部は?
外腹斜筋の位置は?
外腹斜筋は腹壁の前外側にある3つの筋肉の中でも最も浅層にあります。
起始部
下位の8本の肋骨
停止部
白線、腸骨稜
外腹斜筋の作用、機能の詳細
・両側の収縮時は体幹の屈曲させる作用
・片側のみの収縮時は体幹の側屈と反対側への回旋する作用
・腹圧を高め内臓の圧迫と支持させる作用
・双方向に脊柱を屈曲させる機能
・脊柱の一方の側屈と回旋を補助する機能外腹斜筋は内腹斜筋の表層で腹直筋の外側に位置しています。この外腹斜筋はとても厚い筋肉で、強力な主動筋です。外腹斜筋の筋線維は肋骨の内側から腸骨、鼠径靭帯、白線に向かって前下方に走行しています。
外腹斜筋の起始は、前鋸筋の肋骨側付着部とお互いに入り込んでいます。外腹斜筋の機能は、内腹斜筋や腹横筋と共に強制呼吸器運動の際に、腹部臓器を圧迫し保護することです。左右の外腹斜筋と内腹斜筋が同時に収縮した時、体幹は腰から屈曲させる作用があります。 体幹の回旋時には、右の外腹斜筋は左の内腹斜筋と共に体幹を左に回旋させ、左の外腹斜筋は右の内腹斜筋と共に体幹を右に回旋させる作用があります。
ヴィジュアル機能解剖学 南江堂
体幹の屈曲および回旋時には、深層の横突棘筋群が、脊柱アライメントを維持しています。外腹斜筋と内腹斜筋は、斧を振るときや、オーバースローでの投球動作、片手での押す動作などを行う際によく機能されます。
大きな特徴
外腹斜筋と内腹斜筋は、腰椎の下部の安定させるための補助をしています。外腹斜筋の筋線維の走り方は、外肋骨間近の筋線維の方向と一致しています。
外腹斜筋の触診方法
腹斜筋の触診方法の基本は、腹部の前外側への触診方法が基本です。患者さんに背臥位を取ってもらい、一方の肩は体の逆側にあげてもらい触診します。筋肉の束の構造は平行状で、筋線維の走行は名前が示すとおり、外腹斜筋と内腹斜筋は正反対の方向へ斜めに走っています。スマートに触診できる様になりましょう。
肢位:患者さんは仰臥位に寝てもらいます。
1:患者さんの横に立ち腹部の方を向きます。手掌で 前外側胸郭の下端縁を見つけます。
2:手を腸骨稜と胸郭の下端縁に向かって下方に動かします。
3:肋骨外側から白線に向かって、前下方に角度が付いている外腹斜筋の筋線維を確認します。
4:適切な位置を確認するため、施術者はゆっくりと肩を検査台から挙げます。
外腹斜筋マッサージやほぐし方
※内腹斜筋と同じです
外腹斜筋のストリッピング
1:施術者は患者さんの横、胸の位置に立ちます。
2:手掌が腹部に、指先が鼠径靭帯の付着位置、恥骨の少し上に当たるように、手を患者さんの腹部と施術台の間に入れます。
3:上向きにしっかりと組織を押圧して、指先を筋肉に沿って胸部まで上方向に滑らせます。注意:このほぐし方の際には患者さんは立っている状態です。
4:開始位置から斜め上方の角度で、腹部の表面全体をカバーするまで、このプロセスを繰り返します。
5:反対側に同じプロセスを繰り返します。
外腹斜筋のその他の詳細
硬くなる弱くなると?
・硬くなる(短縮):背中から腰の反対側への側屈の動きが悪くなります。また、骨盤の後傾が起きて平腰になります。
・弱くなる(伸長):外腹斜筋の機能が低下し、両側の体幹を屈曲させるのと片側のみの収縮時は体幹の側屈と反対側への回旋することが弱くなります。また、腹圧が下がり内臓の圧迫と支持させる機能が弱くなります。
共働筋
●体幹の屈曲
・内腹斜筋
・腹直筋
拮抗筋
●体幹の同側への回旋
・内腹斜筋
関連痛領域
・上腹部(肋骨弓間の剣状突起の下)胸下部肋骨弓の斜め下
・下腹部の一側、鼠径部と睾丸から腹部を上へ恥骨、へそ、及び肋骨弓まで
外腹斜筋のその他の検査対象筋
外腹斜筋の神経支配と血管供給
・支配神経:
第7胸神経~第1腰椎神経の前枝
・血管供給:
肋下動脈、肋間動脈