腰痛予防に最も基本的な姿勢はまっすぐ立った時ですが 前かがみになったりすると中心線が移動し 腰への負担を大きくします。
『今回は良い姿勢が腰痛予防になる』を紹介していきます。
重心線とは何か?

重心線とは、身体全体の重さが一点(重心)に集まり、そこから地面へ垂直に下ろした仮想の線のことです。
この線が支持基底面(足裏)内に安定して通っている状態が、最も効率的で負担の少ない姿勢になります。
また、この線が身体のどの構造を通るかで、姿勢の安定性・関節負荷・筋活動量が大きく変わります。
人間の体の重心線を姿勢別で紹介
この線が身体のどの構造を通るかで、姿勢の安定性・関節負荷・筋活動量が大きく変わります。
1立っている時の重心性
人がまっすぐ前方を見て立っている時は、体の重心線は頭の頂点→肩→肘の先方 腰椎の後方 股関節 膝 足のくるぶしのやや前方を通ります。

この時の骨盤の傾きは正常で30度になります。
2上半身を前に倒した時の重心線

この状態からお辞儀をしていくと、重心線は前側に移動していきます。
例えば 膝を伸ばした状態で軽くお辞儀をすると、腰椎の前へのカーブ(前腕)は少なくなり骨盤が傾斜します。
この時の重心線は腰椎の中ほどで、股関節とひざ関節の前方をかかと あたりを通ります。 さらに深く曲げると腰椎は後ろへのカーブ(後湾)となり骨盤はさらに大きく傾斜します。
重心線は腰椎の中ほどから踵を通りますが、股関節はその中心線より後ろに位置するようになります。
これら腰を曲げた状態では背筋やお尻の筋肉(大臀筋)太ももの後ろの筋肉(ハムストリング)腓骨筋を緊張させてバランスを取ろうとします。
3さらに上半身を倒すと
さらに深くお辞儀をすれば これらの筋肉の緊張はさらに大きくなります。
やがて時間の経過とともに疲労しその疲労が腰に痛みを起こさせるようになります。
このように腰椎は常に上半身の体重の負荷がかかるだけではなく、動作などによるストレスが絶えず 加わり腰痛を起こしやすい状態にあると言えます。
重心線が崩れる代表的な姿勢と影響
① 頭部前方位(ストレートネック)
●重心線:耳が前に出る
●影響:首・肩の筋肉が常に緊張
※頭が5cm前に出るだけで首への負担は約2倍

② 猫背・円背姿勢
●重心線:上半身が前方へ
●影響:腰・背中・太もも前が過緊張
※慢性腰痛・疲労感が出やすい

③ 反り腰の時の重心線
●重心線:骨盤が前傾し腰が前に突出
●影響:腰椎圧迫・股関節前面の緊張
※立っているだけで腰がつらい

④ 片足重心・左右差の重心線
●重心線:片側の足に集中
●影響:骨盤の歪み・股関節痛・坐骨神経痛
※女性に多い立ち方の癖

重心線と筋肉の関係
①重心線が正しい位置にあると…
●筋肉は「最小限の力」で姿勢保持
●インナーマッスル(腹横筋・多裂筋)が自然に働く
●アウターマッスルの過緊張が減る
②逆にズレると、
●無意識の踏ん張り
●呼吸が浅くなる
●疲労が抜けにくい
といった悪循環が起こります。
セルフチェック方法(壁チェック)
①壁に かかと・お尻・背中・後頭部 をつけて立つ
②腰と壁の隙間に手のひら1枚分が理想
③後頭部がつかない/腰の隙間が大きすぎる場合は重心線が崩れています
良い姿勢で腰痛を予防しよう
ところで筋肉の疲労はこのようなお辞儀をするといった操作のほか、姿勢によってもおこります。
1:背中はまっすぐな『平背』
2:背中が丸くお腹が突き出る『凹背』
3:背中が丸い『円背』
などがあります。
バランスが悪いと腰痛になる
腰椎のうち一番下の腰椎5番は一番ストレスがかかります。どうしてかというと腰椎5番はちょうど腰椎の前腕から仙骨の後弯に変化する場所になります。
まっすぐに立った状態であっても水平より焼く30度前に傾いているからです。



