長時間の車の運転は腰痛を悪化させる原因となります。運転時の腰痛メカニズムを学びながら予防対策を考えてみましょう。

どうして車の運転で腰痛になるの?
車の運転で腰痛が起こるのはとても多く、「姿勢・振動・同じ姿勢の持続」が主な原因です。
① 長時間の座り姿勢が腰に負担
人の腰(腰椎)は立っている時より、座っている時の方が腰の筋肉の負担や椎間板への負担が強くなります。
・立位:腰への負担=約100%
・椅子に座る:約140%
・前かがみで座る:約185%
車の運転は「座る+前を見るために軽く猫背」になりやすく、腰への負担が増えます。

② シート姿勢の崩れ(猫背・骨盤後傾)
運転中、無意識にこんな姿勢になっていませんか?
・背もたれに寄りかからず、腰が丸い
・骨盤が後ろに倒れている(骨盤後傾)
・ハンドルに近づくため前かがみ
・シートに浅く座る
この姿勢では腰椎の自然なカーブ(前弯)が失われ椎間板の後方に圧力が集中
➡ 腰椎椎間板ヘルニア・慢性腰痛の原因になります。

③ アクセル・ブレーキ操作による「左右差」
・運転では操作するのはほぼ右足
・右足:アクセル・ブレーキで緊張
・左足:ほぼ使わない
腰の筋肉(腸腰筋・腰方形筋)に左右差が出る傾向があり、右の股関節の前面の筋肉が緊張して腰椎を前弯させるような力を背骨に与え、背筋の筋肉が緊張します。
それ以外に右足の操作により、無意識のうちにお尻の左側に負荷がかかります。それにより 背骨が横へカーブします。これらによっても運転による腰痛になります。
※「片側だけ腰が痛い」「右腰だけ重い」という症状が出やすくなります。

④路面からの振動でも腰痛に
走行中の振動により 腰椎が常時振動し、椎間関節や椎間板を刺激します。これが腰から背中の周囲の筋肉を緊張させ、腰部の炎症を引き起こし車の運転の腰痛の原因となります。
車の振動は、シートを通じて直接腰に伝わります。
特に影響を受けやすいのが
・椎間板
・骨盤
・腰の筋肉
・お尻の筋肉
・もも裏の筋肉
長時間の微振動は
➡ 椎間板の水分低下・クッション性低下
➡ 腰痛の慢性化につながります。

⑤ ブレーキ時の踏ん張りで腰に力が入る
・減速・停止時に無意識に
➡お腹に力を入れる
➡腰に緊張がはしる
・この繰り返しで腰回りの筋肉が常に緊張
➡血流が悪化
「車を降りた直後に腰が痛い」という経験はありませんか?その時の腰痛はブレーキ時の踏ん張りでの原因になります。
⑥ 車の乗り降りの動作で腰痛
車の乗り降りは、腰をひねりやすい動作です。
・体をひねりドアを開け
・前かがみになる
・腰をひねる
・片足だけ先に外に出す
・もう片方の足は車内
これらの操作により緊張していた筋肉が急に引き延ばされ、腰痛になります。
「ひねる動作と前屈」の動作を繰り返すと
➡ ぎっくり腰の引き金になることもあります。
また、ねじる動作により骨盤の歪みにつながり腰痛になりやすくなります。

⑦ 運転中は「動けない」が最大の負担
運転中の腰痛になってしまう一番の原因は、「同じ体勢で運転している」ことです。
運転中は立ったり座ったりの姿勢を変えにくく、ストレッチもできない環境です。筋肉を常に使っている状態なのでストレスがかかり腰痛が出やすくなります。① 運転姿勢を見直す(最重要)
車の運転で腰痛にならない対策
ここでは仕事で車を多く運転する、休みの日に遠出のドライブをするときに腰が痛くなる人の対策方法を紹介します。
①自分に合った正しいシート位置
・シートの角度:100〜110度
・直角すぎると腰にストレス
・シートの奥まで深く座る
・骨盤が立つ位置が理想
・ハンドルとの距離感も大切
・肘が軽く曲がる楽な位置
・ペダル操作
膝が完全に伸びると負担
※腰痛の多くは「骨盤が後傾した猫背姿勢」が原因です。

② クッション・サポートを使う
「アイテムで負担を少なくする」
・ランバーサポート(腰当て)
・腰椎の自然なカーブを保つ
・薄めのタオルを腰に当てる
・市販品がない場合の代用策
・振動吸収クッション
➡振動吸収クッションは長距離運転・トラック・営業車の方に特に有効です。車の振動は、腰やお尻、椎間板にジワジワとストレスをかけるのを軽減します。

③ こまめに休憩・動く
休憩の目安としては
30〜60分に1回は休憩する。車から降りてしばらく歩いて体を動かしましょう。
・腰を前後にストレッチ
・左右にねじりストレッチ
長時間同じ姿勢は椎間板に水分と栄養が届かない状態になります。

④ 運転前・後の簡単ストレッチ
・運転前(腰を守る準備)
・骨盤を前後にゆっくり動かす(10回)
・もも裏をストレッチ
・運転後(疲労回復)
・仰向けで膝を抱えるストレッチ
・腰を軽く反らしストレッチ
※痛みが強い場合は無理にストレッチをしなくても大丈夫です。

⑤ 体幹・骨盤周りを整える
運転中、腰は体幹の筋肉で支えるのが理想です。
●特に重要な筋肉
・腹横筋(お腹の深い筋肉)
・多裂筋(背骨を支える筋)
・臀筋(お尻)
体幹が弱いと、振動が直接腰へ伝わります。
⑥ それでも痛む場合は要注意
●以下が当てはまる場合は、腰椎椎間板ヘルニア・坐骨神経痛の可能性もあります。
・お尻〜脚にしびれが出る
・片側だけ強く痛む
・前屈で痛みが増す
・長距離運転後に悪化する
この場合は、自己流ケアだけでなく
専門家(整形外科・整体)での評価が大切です。


