広頚筋

今回は「広頚筋」について説明していきます。広頚筋の機能や作用(位置・起始部・停止部)その他、広頚筋の触診方法、ほぐし方やマッサージ方法も解説していきます。

広頚筋はどんな筋肉なのでしょう|その概要を解説

広頚筋は、薄く平らな皮下筋です。胸鎖乳突筋と平行しており、トリガーポイント(痛みが出る場所)も胸鎖乳突筋と一緒に現れやすい筋肉です。

広頚筋画像

広頚筋の名前の由来

広頚筋は頚部にある、広く扁平な筋肉という意味です。

広頚筋の英語の書き方

『Platysma』・platy:ギリシャ語の「平面」を意味しています。

広頚筋の「位置」と「起始部・停止部」は

広頚筋の位置と起始部・停止部

位置:広頚筋は前頸部と状況部の皮下筋膜の中にあります

起始部:広頚筋の起始部は大胸筋と三角筋前部を覆う筋膜です

停止部:広頚筋の停止部は下顎骨の前面(口唇の下方とその周囲の表情筋)

広頚筋の作用とは?

広頚筋の作用は下顎骨の下制、下唇の引き下げです。起始部が下顎骨の停止部よりも下方にあるので、下顎骨を引き下げることで下顎骨の下制がおります。

広頚筋の役割、機能の詳細を紹介 

広頚筋の役割

広頚筋の機能、役割としては、主に顔面の表情筋として機能を果たしています。頚部前方で最も浅層にある筋肉であり、下顎骨から顔面の膜まで伸びています。

起始部は骨性付着ではなく、胸筋胸膜と肩甲帯の前方の筋膜に付着しています。広頚筋は平たい筋肉の連続したシートのようです(通常は筋皮)と呼ばれています。

筋皮は多くの動物に見られ、ハエを追い払ったり、髪を逆立てるような動きで働いています。 人においては、広頚筋は下唇を下方外側に引き込み、頚部と胸部の皮膚にシワを作ります。この動きはストレスを受けた時怒りを表す顔面の表情を形作っています。

広頚筋の大きな特徴とは?

広頚筋は、前頚部と上胸部を引き寄せることができ、前頚部の表層の軟部組織には、はっきりとした緊張を生みます。

広頚筋のストレッチ方法を紹介します

広頚筋をストレッチするには、下顎骨を単純に挙上するだけでは広頚筋をストレッチすることは難しいです。

まず、下顎骨を下制し、続いてこの筋肉の手で下方に優しく引き伸ばしながら下顎骨を挙上させます。 

■胸鎖乳突筋を伸ばすストレッチも一緒に行いましょう

胸鎖乳突筋のストレッチはこちら

広頚筋の触診方法を解説 

広頚筋の触診はなかなか難しいです。下顎の中央付近の頚縁に筋肉の端を触診できます。
しかし、下記のような触診方法ならより明確に触診できるでしょう。

広頚筋の触診

肢位:患者さんに仰向けになってもらいます。

1:患者さんの頭側に座り、指先を頚部の前面の表皮に当ててます。

2:患者さんに下唇を引き下げてもらい、顔をしかめた渋面を作ってもらいます。

3:下顎骨と胸部の間にある広頚筋の隆起を優しく触診します。

4:適切な位置を確認するため、患者さんの頚部屈曲に負荷を加えます。

広頚筋のほぐし方、マッサージを紹介

広頚筋のほぐし方

今回は下記の様な広頚筋のほぐし方、マッサージを紹介します。

1:患者さんには仰向けになってもらいます。施術者は患者さんの頭側に座ります。

2:鎖骨の下5cmから7.5 cm の所、三角筋前部の内側に指先を置きます。

3:しっかりと組織を押圧しながら指先を鎖骨、頚、下顎、頬の中ほどまで上行させます。

4:次に前回より内側に四指を置き、同様に行います。口にかかる場合は、そこでストップします。

5:胸部全体をカバーするように、同プロセスを繰り返します。胸骨からスタートし、上行でストップします。

6:拇指の端を使って、上から下へと同様に指圧をしても良いでしょう。

広頚筋のその他の詳細

▶広頚筋の短縮や伸長による機能低下は?

・短縮:前頚部の表層に緊張が生じます。・伸長:下顎骨を下制する機能が低下します。

▶広頚筋の共働筋

下顎骨の下制…・顎二腹筋 

▶広頚筋の拮抗筋

下顎骨の下制…・内側翼突筋・咬筋・側頭筋

▶広頚筋の神経支配と血管供給 

・神経:顔面神経

・血管:顔面動脈
▶広頚筋の関連痛領域

胸鎖乳突筋(頚部前面)、胸部上部に鋭い痛みを引き起こす場合もあります。

▶広頚筋のその他の検査対象筋 ・胸鎖乳突筋