呼吸は無意識にしているからそんなことを考えたことがないという人が多いと思います
猫背になると呼吸と横隔膜の連動がうまくいかず、自然に浅い呼吸になります。
それにより様々な症状引き起こします。
あなたの呼吸は深いですか? 浅いですか?

今回は「猫背と呼吸は深い関係|姿勢が悪いと浅い呼吸に」を紹介します。
浅い呼吸は気づかない人が多い
私たちは普段、自分の呼吸を意識する機会がほとんどありません。そのため、知らず知らずのうちに浅い呼吸が習慣になっている人も少なくないと言われています。
呼吸が浅くなっていても、自覚していないことが多く、それによって本来得られるはずの酸素を十分に取り込めていない可能性があります。

人は食べ物がなくても水があればしばらく生きられるとされていますが、酸素は生命活動に欠かせない存在です。酸素の供給が途絶えると、短時間で生命維持が難しくなります。
私たちの体を構成する膨大な数の細胞は、酸素を利用してエネルギーを生み出しています。つまり、酸素は体のあらゆる働きを支える重要な役割を担っています。
そのため、呼吸が浅くなることで取り込める酸素の量が少なくなると、全身へ十分に酸素が行き渡りにくくなり、細胞が本来の働きを発揮しにくくなる可能性があります。日々の体調や集中力、疲れやすさなどにも、呼吸の質が関係していると考えられています。
猫背姿勢ほど浅い呼吸になりがち

呼吸の深さと姿勢は切り離せない関係にあります。 呼吸が浅くなりやすい人の中には、日常的に背中が丸まりやすい姿勢を取っているケースが多く見られます。実際、姿勢の崩れは呼吸の質に影響し、呼吸の状態もまた姿勢に影響を及ぼします。
猫背のように胸が閉じた姿勢になると、胸郭の広がりが制限され、肋骨や横隔膜の動きが小さくなります。その結果、吸い込める空気量が減り、呼吸が浅く感じられやすくなります。 反対に、胸が自然に開いた姿勢では胸郭が伸びやすく、深い呼吸がしやすい状態が整います。
さらに、深い呼吸によって十分な酸素が体内に取り込まれると、筋肉への血流が促され、呼吸や姿勢を支える筋肉のこわばりが和らぎます。これにより、力みなく姿勢を保ちやすくなるという好循環が生まれます。
大きく肺を広げるように息を吸うと、胸が自然に開き、背筋も伸びやすくなります。姿勢を「正そう」と意識しすぎなくても、呼吸を整えることで体が本来の位置に戻りやすくなるのです。
姿勢から整えても、呼吸から見直してもどちらでも構いません。 両方を意識することで、互いが補い合い、より快適で健康的な身体づくりにつながります。
呼吸が浅いと起こりやすい症状

呼吸が浅い状態が続くと、体はさまざまな面で本来の働きを発揮しにくくなることがあります。
酸素は細胞がエネルギーを生み出すための材料であり、呼吸によって取り込まれた酸素は血液に乗って全身へ運ばれます。
脳や心臓、筋肉、内臓など、あらゆる組織がこの酸素を使って活動しています。
浅い呼吸が習慣化すると、体内に取り込める酸素量が十分でなくなる場合があり、結果として体のパフォーマンスが落ちやすくなります。特に運動時や疲労がたまっているときには、その影響が表れやすくなります。
具体的にどんな症状が出るの?
1.疲れやすい
酸素が足りずだるくなりやすい
2.集中しにくい
頭がすっきりしにくい
3.肩や首がこりやすい
筋肉が緊張しやすい
4.気分が不安定になりやすい
イライラや不安につながる
体は生命維持に欠かせない臓器を優先して働かせる仕組みを持っています。そのため、酸素や血流が不足気味になると、筋肉や末梢の組織への血流が後回しになり、疲れやすさや筋肉の張り・こわばりを感じることがあります。
筋肉は動くための組織であると同時に、血液やリンパ液を循環させる“補助ポンプ”の役割も担っています。呼吸が浅くなったり、体を動かす機会が減ったりすると、このポンプ作用が弱まり、肩や背中の重さ、体のだるさ、手足の冷えなどにつながることがあります。 血流が滞りやすくなることで、慢性的な冷えを感じる人が増えるのもこのためです。
東洋医学では、明確な病気ではないものの不調を感じやすい状態を「未病(みびょう)」と呼びます。未病は健康と病気の間にあるグレーゾーンのような状態で、呼吸・姿勢・睡眠・運動など日々の習慣を整えることが、健康維持に役立つと考えられています。
呼吸は普段意識しなくても行われていますが、深くゆったりとした呼吸を取り入れるだけで、体の緊張がほぐれ、姿勢や血流、心身のコンディションを整えるきっかけになります。
呼吸を意識するだけでも疲れづらく
当院には、「疲れが抜けにくい」「肩や首のこりがずっと続いている」といったお悩みで来院される方が多くいらっしゃいます。そうした方の中には、ご自身では気づかないまま呼吸が浅くなっているケースが少なくありません。
以前来院された若い女性も、慢性的な疲労感や体の張りに悩まれていました。顔色が優れず、全体的にエネルギーが落ちているような印象でした。数日前に医療機関を受診された際には、呼吸や姿勢については特に指摘されず、お薬のみが処方されたとのことでした。
そこでまず呼吸の状態を確認し、横隔膜をしっかり使えるように深い呼吸の練習と、猫背を整える施術を行いました。施術後には胸が自然に開きやすくなり、呼吸の通りが良くなったことで表情や顔色にも変化が見られました。
ご本人からも「体が軽くなった」「呼吸がしやすい」といった感想をいただき、その後も呼吸を意識した生活を続けることで、慢性的な不調は徐々に落ち着いていきました。
もちろん、疲労感や肩こりの原因は一つではなく、呼吸だけで説明できるわけではありません。ただ、呼吸の浅さは見逃されやすい要因のひとつであり、気づかないうちに体のコンディションを左右していることがあります。
「休んでも疲れが取れない」「検査では異常がないと言われた」「施術を受けてもすぐ元に戻ってしまう」 そんなお悩みがある方は、一度“呼吸の質”に目を向けてみる価値があります。
呼吸が深くなることで姿勢が整い、体の緊張がゆるみ、これまで感じていた不調が軽くなる可能性があります。毎日無意識に繰り返している呼吸を見直すことが、健康づくりの大きな一歩になるかもしれません。
呼吸にかかわる筋肉とは?
1. 主呼吸筋(安静時の呼吸を主に担う筋肉)

●横隔膜(おうかくまく)
呼吸の中心となる筋肉で、吸気のほとんどを担います。 吸うときに横隔膜が下方へ動くことで胸腔が広がり、自然と空気が肺へ流れ込みます。 安静時の吸気の約70~80%を生み出す、まさに“呼吸の主役”です。
●外肋間筋(がいろっかんきん)
肋骨同士の間に走る筋肉で、収縮すると肋骨を持ち上げて胸郭を拡張します。 横隔膜を補いながら、スムーズな吸気を成立させる働きを持っています。
2. 呼気に関わる筋肉(強い呼気で働く筋肉)
安静時の呼気は、肺や胸郭の弾性による“自然な戻り”が中心で、筋肉の力はほとんど必要ありません。 しかし、運動時や咳、歌唱などで強く息を吐く場面では、以下の筋群が積極的に働きます。

●内肋間筋(ないろっかんきん)
肋骨を引き下げ、胸郭を小さくして力強い呼気を生み出します。
●腹筋群(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)
腹圧を高めて横隔膜を押し上げることで、勢いのある呼気を可能にします。 特に腹横筋は“コルセット”のように腹部を締め、効率的な呼気をサポートします。
3. 補助呼吸筋(努力呼吸で動員される筋肉)
呼吸が苦しくなる状況や激しい運動時には、胸郭だけでなく首・肩周りの筋肉も呼吸に参加します。 これらは胸郭をさらに持ち上げたり固定したりして、吸気を助ける役割を果たします。

●胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
・胸骨、鎖骨を引き上げ、胸郭の拡張を助ける
●斜角筋(しゃかくきん)
第1・第2肋骨を持ち上げ、吸気を強化
●小胸筋(しょうきょうきん)
肩を固定した状態で肋骨を引き上げる
●大胸筋(だいきょうきん)
腕を固定すると胸郭の拡張を補助
●前鋸筋(ぜんきょきん)
胸郭を外側へ広げる動きを支える
●僧帽筋(そうぼうきん)
肩甲帯を安定させ、努力呼吸時の姿勢保持に貢献
呼吸を意識して体調や生活の質を見直す

現代人はデスクワークやスマートフォンの使用時間が長く、運動不足や姿勢の乱れから呼吸が浅くなりやすい環境にあります。
だからこそ、呼吸を見直すことは、特別な道具や時間を必要としない、とても取り入れやすい健康習慣の一つです。
私たちは1日に約2万回以上、眠っている間も休むことなく呼吸を繰り返しています。毎日何気なく行っている呼吸の質が変われば、その積み重ねは心身のコンディションにも少しずつ良い影響を与える可能性があります。
深くゆったりとした呼吸を意識することで、体に十分な酸素を取り込みやすくなり、筋肉の緊張が和らいだり、リラックスしやすくなったりすることが期待できます。
健康づくりというと、運動や食事を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、毎日欠かすことなく続けている「呼吸」を整えることも、無理なく始められるセルフケアの一つではないでしょうか。
小さな意識の変化が、日々の体調や生活の質を見直すきっかけになるかもしれません。
猫背姿勢矯正はお任せ下さい


