「猫背が気になる…」
「肩こりや腰痛がなかなか良くならない…」
「最近、疲れやすくて気持ちまで落ち込みやすい…」
そんなお悩みを抱えていませんか?
もしかすると、その背景には姿勢だけでなく“呼吸の浅さ”が関わっているのかもしれません。

猫背になると胸や肋骨の動きが小さくなり、肺がしっかり広がりにくくなります。その結果、呼吸が浅くなり、身体に必要な酸素が十分に取り込めなくなってしまいます。
酸素が足りない状態が続くと、筋肉がこわばりやすくなったり、疲れが抜けにくくなったり、気分が沈みやすくなることもあります。
そこで役に立つのが、肺全体をゆったり使う 「全体呼吸」 です。胸だけ、またはお腹だけで呼吸するのではなく、肺が上下・前後・左右へ広がるイメージで呼吸することで、姿勢が整いやすくなり、心も身体もふっと軽くなります。
今回は、「猫背姿勢を改善して体も心も元気になる全体呼吸」 をテーマに、呼吸のコツや期待できる変化を分かりやすくお伝えします。
腹式呼吸と胸式呼吸はどちらがいいの?

最近では ヨガや 一般的な呼吸法の教室で 腹式呼吸が広がっています。ヨガ教室や ストレッチ教室に通ったことがある方も少なくはないでしょう。
そのため「腹式呼吸が健康によく、胸式呼吸が悪い」と思い込んでる方もいると思います。志木イーバランス整体院の患者様に腹式呼吸と胸式呼吸ではどちらが体にいいですか?と たまに聞かれます。
このように 一般的に「健康には腹式呼吸がいい」と言われていますが、実際は腹式呼吸でも胸式呼吸でもない、両方を意識した「全体呼吸」を意識してみましょう。
腹式呼吸と胸式呼吸の違いは?
腹式呼吸と胸式呼吸は何が違うのでしょうか?胸を膨らませるのが胸式呼吸で、お腹を膨らませるのが腹式呼吸 だと思われがちです。胸呼吸は胸にある肺に空気を送り込むのでその考え方は間違っていません。
腹式呼吸でお腹に空気は入らない
皆さんが腹式呼吸でお腹を膨らませるという考え方には問題があります。「実際」はお腹に空気は入らないのです。呼吸で酸素が入るのは肺だけです。
「腹式呼吸が良くて、胸式呼吸はよくない」と思われることがありますが、実はどちらの呼吸も私たちにとって大切なものです。違いは、肺を広げるときに主に働く筋肉がどこかという点にあります。
では、詳しく解説していきましょう。
腹式呼吸はどういう呼吸法?

腹式呼吸は、横隔膜(おうかくまく)を中心に使って行う呼吸のことです。息を吸うと横隔膜がゆっくりと下がり、肺の下の方までしっかり広がります。そのとき内臓が押し下げられるため、お腹がふくらむように感じられます。
息を吐くと横隔膜が元の位置へ戻り、お腹も自然とへこんでいきます。腹式呼吸は、横隔膜の収縮・弛緩を主軸として行われる呼吸様式です。息を吸う時には横隔膜が下方へ移動し、胸腔内の容積が増大することで肺下部が効率的に拡張します。
この際、腹腔内臓器が押し下げられるため、腹壁が前方へ突出します。呼気時には横隔膜が弛緩し、元の位置へ戻ることで腹壁は自然に陥没します。
腹式呼吸の特徴や効果とは?
腹式呼吸には以下のような生理学的特徴が認められます。
・横隔膜の可動域が大きく、換気量が増加しやすい
・呼吸数が低下し、安静時の呼吸パターンが安定しやすい
・迷走神経が刺激されやすく、身体のリラクゼーション反応が促進される
・副交感神経活動が優位となり、心身の鎮静効果が得られやすい
このため、睡眠前のリラクゼーション、ストレス軽減を目的とした呼吸法、ヨガ・瞑想などの調整法では腹式呼吸が広く活用されています。
胸式呼吸はどういう呼吸法?

胸式呼吸は、主に肋間筋や頸部・肩帯周囲の補助呼吸筋が収縮し、肋骨を挙上することで胸郭を拡張させる呼吸様式です。
息を吸う時には胸郭が前後・左右方向へ広がり、肺上葉を中心に換気が行われます。腹式呼吸のような腹壁の大きな動きはみられず、胸部の上下の連動が主体となります。
胸式呼吸の特徴や効果とは?
胸式呼吸には以下のような生理学的特性があります。
・肺上部の換気が優位となり、短時間で空気を取り込むことができる
・身体活動時や運動時など、迅速な換気が必要な場面に適している
・交感神経活動を高め、身体を活動状態へ移行させやすい
・呼吸が浅い状態で持続すると、頸部・肩周囲の筋群に過剰な負荷がかかりやすい
運動時や緊張場面で胸式呼吸が増えるのは、身体が環境に適応する際の正常な生理反応であり、決して異常ではありません。
理想的な呼吸は「全身で行う全体呼吸」
「腹式呼吸が正しい?」「胸式呼吸は呼吸が浅くなるからやめたほうがいい?」といろんな情報が情報で悩んでしまいますよね。しかし、本来の呼吸は腹式呼吸か胸式呼吸のどちらか一方ではありません。
人間が自然に行う理想的な呼吸は、横隔膜・肋骨・胸郭・背中が連動しながら肺全体を大きく広げる『全体呼吸』です。

肺自身は筋肉ではなく肺単独では動くことはできません。肺の周りにある横隔膜や内肋間筋、外肋間筋などの胸郭の動きによって膨らんだり縮んだりしています。
そのため、深く楽な呼吸をするためには、胸やお腹だけではなく、胸郭全体が柔軟に動くことが重要です。
肺は立体的に膨らむ臓器、肺は左右に一つずつあり、胸の中を立体的に満たしています。 そのため、深く息を吸うと肺は一部分だけが膨らむのではなく、上下・前後・左右へ均等に広がるように動きます。
▶肺の動きや大きさ 詳しくはこちら
『風船に空気を入れると全体がふくらむように、肺も胸だけ、お腹だけという動きではなく、胸郭全体が広がる』ことで本来の働きを発揮します。
「お腹だけを膨らませる」「胸だけを大きく動かす」という呼吸ではなく、肺全体が大きく広がるイメージを持つことが、自然な呼吸への第一歩です。
全体呼吸をするためのコツ
全体呼吸では胸郭全体が動く肺を大きく膨らませるためには、胸郭がさまざまな方向へ動く必要があります。
さきほども説明しましたが、腹式呼吸をおさらいしましょう。
腹式呼吸の連動のイメージ

① 横隔膜が下へ下がる
息を吸うと横隔膜は収縮して下方向へ動きます。その影響で内臓が押し下げられ、お腹が自然にふくらみます。これが腹式呼吸と呼ばれる動きです。
② 肋骨が左右へ広がる
肋骨は息を吸うたびに外側へ開き、胸郭の横幅を広げます。この動きによって肺の左右にも十分な空間が生まれます。
③ 胸の前側が自然に広がる
深い呼吸では胸骨がわずかに前へ動き、胸の前面にもスペースができます。ただし、無理に胸を張る必要はありません。力まずに自然に広がることが大切です。
④ 背中も大きく広がる
見落とされがちですが、深い呼吸では背中側も大きく動いています。肺は背中側にも大きく広がっているため、息を吸うと肩甲骨の間や肋骨の後ろ側まで空気が入るような感覚になります。
この背中の動きが少ない人は、猫背や肩こり、呼吸の浅さにつながりやすい傾向があります。
全体呼吸では余計な力を使わない
浅い呼吸では、首や肩の筋肉が呼吸を助けようとして必要以上に働いてしまいます。
特に僧帽筋や胸鎖乳突筋などの呼吸を補助する筋肉がいつも緊張することで、肩こりや首こり、頭痛になってしまうことも少なくありません。
一方、全体呼吸では横隔膜がしっかり働くため、首や肩に周りの呼吸補助筋が頑張る必要がありません。全体呼吸で肺に酸素が多く出入りし、呼吸が深くなることにより肩の力も自然に抜けてきます。そして身体全体がリラックスしやすくなることを感じ取ってください。
猫背は肺の動きを小さくしてしまう
猫背になると胸の前面がつぶれてしまい、肋骨や横隔膜の動きが制限されます。 すると肺は本来の大きさまで広がることができなくなり、呼吸は浅く短くなってしまいます。
さらに、背中側の胸郭も動きにくくなるため、肺全体を使った呼吸ができなくなります。 その結果、酸素を十分に取り込めず、疲れやすさや肩こり、集中力の低下など、身体にも心にもさまざまな影響が現れやすくなります。
全体呼吸がもたらす効果
肺全体を使った呼吸が身につくと、身体には多くのメリットがあります。

・呼吸が深くなり酸素が効率よく入る
・横隔膜が十分に働き、自律神経が整う
・横隔膜が内臓を刺激し動きがよくなる
・首や肩への負担が減り、予防になる
・集中力が上がり仕事や勉強の効率UP
・姿勢を無理なく保ちやすくなる
・猫背が改善しやすくなる
・体幹が安定し、姿勢が保てる
・立つ・歩く・座るが楽になる
・疲れにくくなり、元気になる
・運動の持久力・パフォーマンスUP
・血流と酸素循環が良くなる
・リラックスしやすくなる
・ストレスの軽減が期待できる
・気持ちが前向きになりやすくなる
・自然に声が出しやすくなる
赤ちゃんの頃は全体呼吸
全体呼吸は誰もが本来持っている呼吸で赤ちゃんの呼吸を見てみると、お腹だけではなく、胸や脇腹、背中まで大きく動いています。
これは肺全体を使った自然な呼吸ができている証拠です。
しかし、大人になるにつれて長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、運動不足、ストレスなどの影響で胸郭の動きが少しずつ失われ、浅い呼吸が習慣になってしまいます。
自然な呼吸を意識しましょう
目指すべきなのは腹式呼吸や胸式呼吸を意識しすぎることではありません。 骨盤を安定させ、胸郭全体が無理なく動ける姿勢をつくること。
そうすれば肺は本来の大きさまで自然に広がり、呼吸は無理なく深くなります。 全体呼吸は、猫背の改善だけでなく、身体の疲れやすさや心の緊張を和らげる、私たちが本来備えている最も自然で効率的な呼吸なのです。
全体呼吸のまとめ(6つ)
① 猫背は呼吸を浅くし心身の不調に
猫背になると胸郭がつぶれ、肺が広がりにくくなり、酸素不足・疲労・肩こり・気分の落ち込みにつながる。
② 腹式呼吸と胸式呼吸はどちらも大切
腹式=横隔膜中心、胸式=肋骨・胸郭中心。どちらか一方が良いのではなく、両方が自然に働くことが理想。
③ 理想の呼吸は「肺全体を使う全体呼吸」
胸・お腹だけでなく、横隔膜・肋骨・背中まで連動して肺を上下・前後・左右に広げる呼吸が最も自然で効率的。
④ 全体呼吸のコツは胸郭の全体の動き
横隔膜が下がる/肋骨が広がる/胸が自然に開く/背中側も広がる。これらがそろうことで深い呼吸が可能になる。
⑤ 力みを減らし、姿勢と自律神経を整える
補助呼吸筋の過緊張が減り、肩こり・首こりが軽減。横隔膜が働くことで自律神経が整い、リラックスしやすくなる。
⑥ 全体呼吸は心身のパフォーマンスUP
酸素効率UP、集中力向上、疲労軽減、運動能力向上、気持ちが前向きになるなど、身体と心の両方が元気になる。
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