
あるママさんのお話です。現在 6ヶ月の女の子がいて、今はとても健康に育っているそうです。
パパの血液型はA型のRh(-)、ママさんはA型のRh(+)です。以前、主人の姑から【父親がRh(-)なので、2人目が1人目と同性だったら、障害のある子が生まれるかもしれない」と言われたことがあるようです。
そのことは今だに本当かどうかわからず、それを聞いて以来心配しているそうです。2人目も欲しいと思ってるのですが、大丈夫なのでしょうかというお悩みでした。
今回は両親瘀血液型で生まれてくる子供に影響が出る?のかというお話しです。

両親の血液型では影響はでない
結論から先にお話しすると、その人とご主人の血液型の条件では、2人目以降のお子さんに血液型による異常が出ることはありません。
ではなぜこのような心配をする方がおられるのか疑問に思われることでしょう。

Rh不適合妊娠とは
それはRh不適合妊娠という病態が確かに存在するからです。人の血液型にはABO式以外にも多くの分類法があり、Rh式もその1つです。
Rh(+)の人の赤血球の表面には、このRh式血液型の元となる物質が存在し、これを「D抗原」と言います。一方、Rh(-)の人の赤血球には、このD抗原がありません。一般的に人は自分の体内に自分以外の物質が侵入してくると、それを攻撃・排除するために「抗体」という免疫物質を生産します。
これは、はしか などの感染に対する防御反応でもあり、通常は体にとって有用な働きをします。しかしRh不適合妊娠の場合、つまりRh(-)の血液型のお母さんが妊娠し、その赤ちゃんはRh(+)である場合、『日本人ではRh(+)の頻度が高く、お父さんはRh(+)の可能性が高くなり、したがって赤ちゃんもRh(+)のことが多い』問題が起こることがあります。
しかし、ご質問の方のようにお母さんがRh(+)でお父さんがRh(-)の場合は問題ありません。


Rh不適合妊娠のメカニズム
両親の血液型で影響が出ないというのは、Rh不定合妊娠で異常が起こるメカニズムは次のようなことだからです。一般的に妊娠中、または分娩時には微量の赤ちゃんの血液が母体の血液中に流入することが知られています。
お母さんがRh(-)で赤ちゃんがRh(+)の場合、お母さんからの体の中には自分が元々持っていない「D抗体」が入ってくるため、それに対する「抗D抗体」が作られ、これが胎盤を通って赤ちゃんの体内に入り、赤ちゃんの赤血球を攻撃して、赤ちゃんに様々な異常を引き起こすのです。
現在ではRh不適合妊娠の場合でも、抗D抗体の生産を予防する注射(ロープリン注射)があるため、2人目以降でも安全に妊娠出産ができるようになってきています。
