
産後すぐに家事をしたり、買い物に出かけたり無理をすると、のちのちの更年期の時に影響が出ると聞きますが本当なのでしょうか?また、いつまでどの程度休むべきでしょうか?というご相談です。
産後に子宮が回復するにはどのくらい
産後に子宮が妊娠前の状態まで回復するのに4~8週間程かかります。
また産後は子宮の収縮が十分でないだけでなく産道周囲(膣や骨盤底筋・結合組織)が分娩の影響で弛緩しています。
ここに腹圧がかかると子宮下垂が起こりやすくなります。

子宮下垂になると更年期の頃に
更年期は女性の生殖機能の減退に関連する時期であり、通常40歳から55歳の間に現れます。産後の無理が将来的に更年期にどう影響するかについては、個人によって異なる可能性があります。
子宮下垂は産後まもなくから自覚症状が出ることもありますが、産後は無症状で更年期になって女性ホルモンが減少する頃から顕著化することがあります。
子宮下垂は出産以外の原因も
子宮下垂は他の生活上の他の要素…例えば長時間重いものを持つ仕事に携わるといったことも誘引となりますが実際に子宮下垂・子宮脱で受診された方に分娩時の話を伺うと、赤ちゃんが大きくて難産だった、何回も出産をしたといった産道に負担がかかった経験をお持ちの方が多くて、分娩の影響は否定できません。

産後のストレスも更年期に影響
産後の家事や不眠などの症状が続く場合、それが更年期の年齢に影響が出てくることがあります。産後のや体力の衰え、女性ホルモンの増減、ストレスなどの負担などが更年期の症状を悪化させる可能性があります。
個人差はありますが、更年期の症状の強弱に影響する事があります。

産後の負担の更年期の症状
更年期の症状には、ホットフラッシュ(ほてり)、夜間の多汗症、睡眠障害、イライラや不安、うつ状態、性欲の低下などが含まれます。産後の無理や負担がこれらの症状を悪化させるかどうかは、個人の体質やライフスタイルによって異なると思います。

産後の負担を軽減するには
産後の身体の負担やストレスを最小限に抑えるためには、適度な休息とストレスを溜めない事、バランスの良い食事、軽い運動、家族の支えが重要です。産後の体調管理には医師や助産師に相談するのもよろしいでしょう。
これらをしておくと、年齢を重ねた更年期の症状に対処するためにも今から始めましょう。

出産後はどのくらい安静にする
育児だけでもそれなりに負担となるので、少なくとも1ヶ月検診までは無理せず自宅でお過ごしになることをお勧めいたします。
その後も、育児以外に2~3ヶ月間は重いものを持って長時間 歩く など負担感の大きい動作は避ける方がベターです。