
脊椎圧迫骨折は骨が弱ってくる高齢者の宿命ともいえ、重度の骨粗しょう症では咳やくしゃみで脊椎骨が潰れてしまうこともあります。
また、強直脊髄炎は慢性的に腰痛を訴える、いわは背骨のリュウマチですが、日本人はあまり多くない症状です。今回はその脊椎圧迫骨折と強直脊椎炎の詳しくを解説していきます。
脊椎圧迫骨折とはどんな症状なのでしょうか?

椎体がくさび形に潰れて変形してしまう症状を脊椎圧迫骨折と言います。骨粗鬆症で骨が弱くなっているときは、軽い力でも脊椎骨が潰れてしまいます。
脊椎を横から見た時、正常なついては四角く見えますが、それがくさび形に潰れて変形したのが脊椎圧迫骨折です。なかには椎体の中央部がへこむタイプもあります。 これを「漁椎」といいます。
高齢者で骨粗しょう症が重度になると、咳やくしゃみだけでも圧迫骨折を起こすことがあります。骨粗鬆症の漠然とした腰の痛みは、レントゲンでもわからないくらいの微小な骨折のためと考えられています。
これらの微小骨折が数を重ねると、初めて圧迫骨折と判明するのです。
「特別重いものを持ち上げたわけでもない、転んだ覚えもないだけど、骨折と言われた」というのは、このためです。
骨量が少なくなる骨粗鬆症が悪もの呼ばわりされてまだ間もないですが、骨量が増えて骨が硬くなり、坐骨神経痛などを色々悪さをする「変形性脊椎症」と「脊柱管狭窄症」を思えば、背中が丸くなる程度で済む骨粗しょう症なら、生活への障害は小さいという考え方もあります。

脊椎圧迫骨折なったら?その対処法と改善方法
骨折したら安静が一番と思いがちですが、それでは筋肉も衰えてしまいます。 自分のできる範囲で積極的に動く方法で改善していきましょう。
背中が少し丸くなるのは仕方のないこととして、痛み止めを服用しながらでも、積極的に動くように努めて筋力を維持したり、可能なら筋力アップさせる、もしくは、筋肉を衰退させないための運動が、今後の生活のための最善の方法と思われます。

骨粗鬆症の予防や治療の三大要素とは?
とにかく、「カルシウム摂取」、「運動やスポーツの遂行」、「太陽光に当たる事」を、この三つの要素は骨粗しょう症の予防や治療には特に大事です。必要に応じて骨粗鬆症治療薬を飲みながら、その後の再骨折の予防に重点をおくべきでしょう。

背骨のリュウマチ!強直性脊椎炎の症状と、その対処方法とは?

強直性脊椎炎は初期の診断がとても難しいと言われています。血液検査で血沈の亢進や炎症反応を見て精査していきます。
慢性的な腰痛の原因となる病気の中に、背骨のリュウマチと言うべき、強直性脊椎炎があります。初期の強直性脊椎炎のうちは、診断が難しいのですが、血液検査で、血沈の亢進や消炎反応の陽性が見られる場合には、この病気を疑って、詳しく調べます。
脊椎の柔軟性がなくなり、最終的には「脊椎が上下に執着」してしまうやっかいな病気です。 さいわい日本人には比較的稀ですが、それゆえ見逃されていることも多々あるのです。リンパ球で組織適合抗原を調べると、この病気の患者さんのほとんどに、「HLA抗原B27」が出ることで判定されます。前にのべた「強直性脊椎骨増殖症」と似た部分がありますが、強直性脊椎炎 は、炎症を伴う疾患であるところが大きな違いです。

強直性脊椎炎の対処療法と改善治療の方法とは?

対処療法と運動療法以外に根本的な改善療法は、残念ながら今のところありません。根本的な原因療法は、未だにないのです。消炎鎮痛剤による対処療法と、変な姿勢のまま脊柱が固まらないようにと、適度の運動療法が欠かせません。
