内肋間筋

今回は「内肋間筋」について説明していきます。内肋間筋の作用や機能、役割や位置と起始部・停止部を解説。その他、内肋間筋の触診方法、ほぐし方やマッサージ方法も解説していきます。

内肋間筋はどんな筋肉なのでしょう|その概要は

内肋間筋の概要

外肋間筋は内肋間筋と共に、呼吸と姿勢の機能を持ち、正確な機能はかなり複雑です。

本来の機能は、「肋骨の活動を制御」し、「吸気と胸部の回旋」を抑制することです。よって、短縮した外肋間筋と内肋間筋のリリースは胸部の症状改善の治療で重要部分を占めています。

内肋間筋の名前の由来

内肋間筋の「内」は内肋間筋が外肋間筋の深層(より内側に位置する)にあることを、「肋間」は肋骨の間を示しています。

内肋間筋の英語の書き方

『Intermal Intercostals』・interm:ラテン語の「内側」・Inter:ラテン語の「~の間」・costal:ラテン語の「肋骨」を意味しています。

内肋間筋の「位置」と「起始部・停止部」は

内肋間筋起始部停止部

位置:
内肋間筋は隣接する肋骨の間にあります。なお、内肋間筋は外肋間筋と違い、肋軟骨の間にもあります。

起始部:
内肋間筋の起始部は下位の肋骨上縁

停止部:
内肋間筋の停止部は上位の肋骨下縁

内肋間筋の作用、機能の詳細を紹介 

外肋間筋はどんな筋肉

肋骨を引き下げて「強制呼気を補助」しています。内肋間筋の筋線維は、外肋間筋よりも垂直方向に走っています。

起始部は停止部よりも下位の肋骨の安定性が高い部位にあります。一方、停止部は起始部よりも、上位の肋骨の可能性が高い部位にあります。

そのため内肋間筋の収縮によって、肋骨は引き下げられます。しかし、他の筋肉の収縮によって、上位の肋骨が固定される場合があり、その場合は下位の肋骨がより可動性が高くなります。

このような場合には、内肋間筋は肋骨を引き上げて、吸気の補助をします。 

内肋間筋の大きな特徴とは?

内肋間筋と外肋間筋ほど厚い筋肉ではありません。しかし、肋間筋の深層には最内肋間筋と呼ばれる筋肉の層があります。

この最内肋間筋の筋線維の方向は、内肋間筋と同じです。また、内肋間筋の筋線維の方向は、外腹斜筋とも同じです。

内肋間筋の触診方法を解説 

内肋間筋の触診

内肋間筋は肋骨の間にあり、比較的容易に触診することはできます。やせ型の患者さんは触診しやすく、肥満の患者さんは難しいという傾向があります。

前側面は触診の邪魔になる組織がないため、最も触診しやすいですが、胸の前上面には大胸筋や女性の場合は乳房があるため難しくなります。筋肉の束の構造は 平行状で筋線維の走行は斜めです。

肢位:患者さんには仰臥位をとってもらいます。

1:患者さんの横に立ち、腹部の方を向きます。指の腹で肋骨の前面を見つけます。

2:肋骨のすぐ上、またはすぐ下の肋骨間に指を動かします。

3:肋骨縁の間に、内側斜め方向に走行する内肋間筋の筋繊維を探します。

4:適切な位置を確認するため、患者さんに息を吐いてもらいます。

内肋間筋の整体、マッサージやほぐし方

内肋間筋のマッサージは、肋骨の間に圧迫法や強擦法を行うのが効果的なマッサージです。

しかし、これらの筋肉には共通したトリガーポイントがあるので、不快な感じがしないか、そこに痛みがあるのかを患者さんからしっかり聞き取る必要性があります。

今回は下記のような内肋間筋のマッサージ方法、ほぐし方を紹介します。

内肋間筋のほぐし方、ストレッチ【肋間前面の上部肋間筋】

内肋間筋のストレッチ

・内肋間筋のストレッチ方法としては、肋骨間を広げるような様々な動作や深呼吸が用いられますが、今回は下記のような施術者が行うストレッチ方法を紹介していきます。

1:患者さんは背臥位をとってもらいます。患者さんの施術する側の方の腕を頭上に上げます。

2:施術者は患者さんの頭方立ちます。

3:一方の手を、患者さんの背中、後上部肋骨の下にあてます。

4:もう一方の手を、患者さんの上部胸郭上に置きます。

5:患者さんにゆっくり深呼吸させてもらいます。患者さんの体の下に置いた手で。後部肋骨を上向き(施術者の方)に引っ張ります。

患者さんの胸に置いた手で、前部肋骨を下向き(施術者から離れる方行)に指圧します。

6:5~6回呼吸する間、または胸郭のリリースが感じられるまで、この指圧を続けます。

7:反対側で、同様の内腹斜筋のストレッチを続けます。

内肋間筋の改善方法とは

肋間筋の後部トリガーポイントは、前部に関連痛を放散させる傾向があり、圧迫により個別に見つけて治療をする必要があります。

内肋間筋を改善するために腹式呼吸の仕方の仕方が大切です

全ての筋肉がリリースされたら、筋肉を収縮させない腹式呼吸を患者さんに指導する準備の完了です。それは、ゆっくり忍耐強く進めていくのが大事です。

患者さんとの良好な信頼関係を築くことが重要です。どのような新しい活動もそうであるように、最初は手間がかかり扱いにくいものであります。

患者さんは、下部の胸郭と腹部の拡張を実感し、次は拡張を骨盤まで深く移動させます。学習プロセスは、当然ながら筋肉の感覚的なものであり、施術者の手を心窩部で臍部、下腹部へと続く次々と置き、その都度患者さんに呼吸をさせて、置かれた手の下の領域を拡張させることによって、最も効率よく指導することができます。

これらの感覚は、患者さんにとって初めてのものであることを忘れてはいけません。勇気を持って、忍耐強く、そして励ましながら、学習ステップを望ましい方向に進めていき、患者さんが腹式呼吸ができるようにしていきましょう。

内肋間筋のほぐし方、マッサージの改善方法

内肋間筋のほぐし方1

1:患者さんは立位か座位、または背臥位を取ってもらいます。

2:施術者は患者さんに手を頭の後ろに回すようにしてもらい、肩関節を中間位にします。背臥位の患者さんの横に立ち、片方の手を胸郭前面の下部に置きます。

あるいは、立位または座位の患者さんの横に立つか座るかして、一方の手を胸郭前面の下部に、もう一方の手を胸郭後面の下部に置きます。

3:患者さんに、鼻からゆっくり深く息をするようにしてもらい、呼吸を前に置いた手に感じられるように意識を集中します。

胸郭の動きが感じられるまで、これを続けます。感じた動きを患者さんに言葉で補って伝えましょう。

4:胸郭下部に置いた手を、患者さんのおへそを覆う様に上お腹部に置きます。患者さんが立位または座位の場合、もう一方の手を患者さんの背中の同じ領域に置きます。

患者さんに鼻からゆっくり深く息をするようにしてもらい、呼吸を手に感じられるように意識を集中します。腹部の拡張が感じられるまで、これを続けます。

感じた動きを、先ほどと同じように言葉で補って患者さんに伝えながらマッサージしましょう。

5:手を骨盤のすぐ上、下腹部に置きます。患者さんが立位または座位の場合、もう一方の手を患者さんの仙骨上部に置きます。

患者さんに、鼻からゆっくり息を吸うようにしてもらい、呼吸を手に感じられるように意識を集中します。腹部の拡張が感じられるまで、これを続けます。

感じた動きを言葉で補って患者さんに伝えていきましょう。すぐにコツをつかむ患者さんもいれば、難しいと感じる患者さんもいるので、忍耐強く指導することを心がけましょう。

このの呼吸方法を一旦マスターすれば、以前の呼吸法よりはるかに快適に楽に呼吸ができるようになるので、自宅でも実践するように患者さんに勧めてください。

内肋間筋のほぐし方2

内肋間筋のその他の詳細

▶内肋間筋の短縮や伸長による機能低下は?

・短縮:呼気を十分に行うことが制限されます。

伸長:肋骨を引き下げる機能が低下します。

▶内肋間筋の共働筋

・腹横筋・下後鋸筋 

▶内肋間筋の拮抗筋

・横隔膜・外肋間筋・上後鋸筋

▶内肋間筋の関連痛領域

・局所的に前方に放散します。

▶内肋間筋のその他の検査対象筋 

・横隔膜
・下後鋸筋
・前鋸筋
・大胸筋
・小胸筋
・腹直筋
・腹横筋
・外および内腹斜筋

▶内肋間筋の神経支配と血管供給 

・神経:肋間神経

・血管:肋間動脈