筋肉の動きの比率

ほぼ100%の確率で答えはNOです。自分では全く同じ動作をしていると思っても、使われている筋線維の種類や割合には無限大の組み合わせがあります。

1回目と2回目で同じ動作ができている確証はどこにもありません。むしろまったく同じである可能性は極めて低いと考えたほうが自然です。

今回は筋肉の動きの比率に関して解説していきます。

筋肉の動きの比率

筋肉を動かす割合はどんな比率でしょうか

例えば肘を曲げるというごく簡単な動作は、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、円回内筋という4つの筋肉を主に使います。でもこの4つがどのように仕事を配分しているかは実はまだわかっていません。

25%ずつなのか?30:30:20:20なのか…?

主な筋肉の配分すらわからないのに、それぞれの筋繊維のどこを使っているかなどは到底わかりません。しかも4つ以外に肘を安定化させるための上腕三頭筋なども使っていますから、組み合わせを考えたらきりがありません。

したがって同じ動作は二度と再現できないのではないか?という考え方が成り立ちます。不確定要素がたくさんある中で、たまたま今の動作をしてるだけではないかと思われます。

腕を動かす筋肉

筋肉の動きは脳で複雑な処理をしている

では、無限大の組み合わせから、どのように一つの動作を選ぶのか…?おそらくは、人間の頭の中ですごく複雑な処理をして、最適化しているのでしょう。そして一番効率が良くなるような筋肉の使い方をしているのであろうと予測できます。

でも、最適な筋肉の使い方は果たして無意識に動かすだけでできているものなのでしょうか?ということで「意識」の問題が出てきます。同じ肘を曲げるのでも、素直に手前に曲げるのか、真上に持ち上げるように曲げるのか、はたまた何かを遠くに投げるように曲げるのか、ちょっとした意識の違いで筋肉の使い方が全く変わるのではないかということが分かっています。

脳の筋肉の情報処理

どの方向に力が向いているかに意識を向ける

ひょっとしたら、狙って筋肉に意識を集中するよりどういう軌跡で、その方向に力が向いてるかに意識を向けた方が、トレーニング効果を左右するかもしれません。

でも、現段階ではこれはあくまでも予測に過ぎません。動作のプロセスが完全に解き明かされるまでもうしばらく時間がかかりそうです。

ただ、トレーニングをする際には同じ動作は一つとしてない事を考えて、意識の向け方に注意する方が筋肉のトレーニングに繋がると思います。

筋肉の動かし方