
筋肉や運動の関係で、先天的な要因として決定していることは、現在分かっているだけで三つあります。
今回はその筋肉の先天的な要因を詳しく解説していきます。
最初に分かったのは筋線維組成
1976年にある生物学者が双子の被験者から筋肉を採取して速筋線維と遅筋線維の割合を比べました。
すると、二卵性双生児はバラバラでしたが一卵性双生児は組成が全く同じだったことがわかりました。このことから、筋線維線維は先天的に決定するものだという報告が出ました。
この報告が出て以来、旧東ドイツなどでは早いうちから有能なスポーツ選手の筋線維組成を調べて遅筋線維の多い子はスプリントには向いていないので持久競技に回すなど、スポーツタレントを養成する手段に使っていたと言われています。

2つ目は筋肉の成長を抑制する遺伝子
次は筋肉の成長を抑制する「ミオスタチン」の遺伝子です。これも先天的に突然変異の遺伝子を持っている生物が存在します。
遺伝子の変異が起こる確率は4万分の1と言われているので、本人や周囲が気づかないだけで、けっこう目に見えるところに存在してるのかもしれません。
筋トレをして、普通の人間より目に見えて筋肉がつくようなことがあれば、ひょっとしたらミオスタチンの遺伝子に先天的な要因を持つ可能性があるかもしれません。

3つ目はACTN3という遺伝子
次は研究されているACTN3という遺伝子です。これはα-アクチニン3というタンパク質をつくる遺伝子です。
まだはっきりとしたことはわかっていませんが、少なくとも両親揃って正常型の人の方がスプリント競技に向いていると言えそうです。
