
運動が障害される疾患です。親指から薬指のしびれ、拇指球筋の筋力低下が生じます。女性に起こる突発性のものがとても多いとされています。

手根管症候群の原因や誘因は
・突発性(原因不明)が圧倒的に多く、女性の特に妊娠出産期や更年期に多く、女性ホルモンの影響が考えられます。


・外傷による腫張や、関節リウマチなどの骨膜炎により生じる二次性のものもあります。
手根管症候群の症状臨床所見とは
・自覚的には正中神経領域のしびれ感や痛みを訴えます。他覚的には同部位の感覚障害を生じます。
・進行例では拇子球筋の筋力低下により、対立運動(手指対立運動とは拇指と他の指を合わせてつまむ運動)の障害が出ます。

手根管症候群でみられる症状
・掌側領域では正常で、下の図の灰色で示した範囲の感覚障害が見られます。

・手背部は示指と中指の末節部が障害されます。薬指の撓側と尺側に差を認められれば、手根管症候群である可能性が高いです。
手根管症候群の検査方法、診断方法、分類
・ファーレンテスト: 手関節を60秒間屈曲位に保つことにより症状が憎悪すると、手根管症候群の陽性です。

・ 正中神経圧迫テスト:手関節の庄川部を圧迫すると症状がそうすると、手根管症候群の陽性です。
・ ティネル徴候:手関節の掌側を打腱器で殴打すると末梢に放散痛が認められると、手根管症候群の陽性となります。

・正中神経の神経伝導速度検査で、手根管内の伝導遅延が認められると、手根管症候群の陽性となります。
手根管症候群の治療方法とは
・軽症例では安静、ビタミンB12を投与します。副腎皮質ステロイド薬の局注などにより改善することも多いです。
・症状が改善しなければ、手術=手根管開放術を行います。手根管の屋根である屈筋支帯を切離して、手根管の容積を広げる手術(屈筋支帯切開法)で手掌を切開する直視下法と、鏡視下で行う方法があります。
